結核
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77 巻 , 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 伊藤 邦彦
    2002 年 77 巻 7 号 p. 499-502
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    肺結核の早期診断のためには, 胸部X線写真撮影のタイミングを逃さないこと, および市中肺炎との鑑別が重要である。前者は市中肺炎の診療とも共通する事項である。また後者も同じく市中肺炎診療のなかで重視されるべき事項である。たとえば抗生剤投与により肺結核がマスクされることのないような薬剤選択が望ましい。また一般抗生剤の効果判定は抗酸菌検査のタイミングという点で重要であるが, 肺結核の場合非特異的な改善もありえるため臨床医へ注意を促すことが必要であろう。結核臨床医の立場から言えば, 市中肺炎診療のガイドラインはこうした肺結核を常に意識したものが望ましい。また一般臨床医の結核臨床の知識が少なくなっていく中では, 結核対策の立場からも有用であると思われる。
  • 長山 直弘, 馬場 基男, 堀 彰宏, 田村 厚久, 永井 英明, 赤川 志のぶ, 川辺 芳子, 町田 和子, 倉島 篤行, 四元 秀毅, ...
    2002 年 77 巻 7 号 p. 503-512
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    過去の結核罹患から回復したのちの長期にわたる結核再発率を検討するために, 1980~83年と1997~99年に入院した菌陽性結核患者 (それぞれ297名と688名) と非結核患者 (=コントロール群, それぞれ373名と1092名) の結核既往率を10歳年齢階層ごとに調べた。既感染率は年間感染危険率のモデルを用いて計算した。再発率と結核既往のない既感染者からの発病率の比は1910~19, 20~29, 30~39, 40~49年生まれにおいて1980~83年にはそれぞれ4.71, 2.33, 1.78, 1.11であり, 1997~99年にはそれぞれ1.84, 3.99, 1.80, 1.11であると計算された。この比は1910~19, 20~29年生まれにおいては約3, 1940~49年生まれにおいては約1で, 検討された2つの期間でほぼ一定であった。このことより充分化療された結核患者からの再発率は既感染者からの発病率とほぼ同じであり, 自然治癒した結核患者の再発率は既感染者からの発病率の約3倍であったと思われる。また少なくとも80歳までは高齢になるほど再発率が高くなる訳ではなく, 特に1910~29年生まれの既往者からの再発率が高かった。
  • 山崎 泰宏, 松本 博之, 藤内 智
    2002 年 77 巻 7 号 p. 513-519
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, 全国の結核医療専門医を対象としたアンケートを基に, Pyrazinamideを含む標準短期化学療法 [標準治療法 (A) 法: HRE (S) Z] の治療期間の妥当性について検討した。
    全国アンケートの結果では, 848症例中約60%が何らかの理由により6カ月を超えて治療されていた。治療延長の理由としては, (1) 他の合併症があった, (2) レントゲンでの改善が不十分, (3) 菌の陰性化が遅れた, (4) 薬剤感受性, (5) 患者の希望の順に多く, (6) その他の理由も多く認められた。
    過去4年間の当院 (国立療養所道北病院) の成績では, 治療延長率では (A) 法が86%, 標準治療法 (B) 法 (HRE (S)) は64%であった。 (A) 法は重症例に, (B) 法は高齢者に選択される傾向があった。 (A) 法での延長理由の頻度は全国のアンケートの結果とほぼ同様であった。その他の延長理由についてみると, 「何となく」や「再発などに対する不安」「患者の希望」等あまり根拠のない例が多くみられた。
    適切な治療期間の設定を行うためには, 標準短期化学療法での再発率や, 治療期間との合併症の関係などを明らかにする必要がある。今後さらに詳細な臨床研究を基にした治療期間を含めた結核治療の確立が望まれる。
  • 石井 英子, 小田内 里利, 船橋 香織里, 太田 和子, 山下 武子
    2002 年 77 巻 7 号 p. 521-526
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    大都市の結核対策では, 治療脱落中断を予防し, 多剤耐性患者発生を防止し, 治療成功率を高める対策の強化が必要である。入院中から退院・地域での服薬管理と治癒まで一貫した患者管理の構築が求められているなか, 病院と保健所の看護間連携は必須であり, また, 看護者間に結核対策に関する認識度に差があってはならない。
    本調査は看護職能団体の看護協会の協力を得て病院看護婦に対して「結核対策に関する関心度と認識度調査」を行った。結果結核病棟に働く看護婦は40歳代以上が60%以上を占め経験年数も10年以上と長期に結核患者に関わっていた。結核に対する認識度は一般病院の看護婦よりも有意に高いことがわかった。しかし看護婦と保健婦との連携では必要性を感じてはいるが十分な連携はなされておらず, 今後病院と保健所の看護間連携システムの構築が必要である。
  • 伊藤 康夫, 石口 正, 東本 有司, 藤本 尚, 大畑 雅洋, 伊藤 秀一, 西山 明秀, 岡村 城志, 小野 英也, 川辺 和美, 上田 ...
    2002 年 77 巻 7 号 p. 527-531
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は74歳男性。微熱を伴う右胸水貯留にて発症。喀痰や胸水の培養では結核菌陰性であったが, 胸膜生検の培養にて結核菌を認めた。治療は, イソニアジド (INH) 300mg/日, リファンピシン (RFP) 600mg/日, ピラジナミド (PZA) 1200mg/日にて施行。一時的には発熱は軽快したが, 1週間後より, 38.0℃以上の発熱をきたし, 化学療法より第17日目の胸部レントゲンにて左胸水貯留を認め, 左胸水検査にてリンパ球浸潤を認めたが, 胸水培養では結核菌は陰性であった。抗結核療法に対する奇異性反応と考え, 3日間の休薬後に, さらにプレドニゾロン投与を追加して初期治療を再開したが, 両側胸水貯留と低酸素血症は持続した。
  • 吉多 仁子, 阿野 裕美, 石田 智恵子, 谷川 信子, 菊井 正紀, 高嶋 哲也, 露口 泉夫
    2002 年 77 巻 7 号 p. 533-535
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    旧結核菌検査による結核菌薬剤耐性試験でINHは, 0.1μg/ml, 1μg/ml, 5μg/mlの3濃度が用いられ, 1μg/mlが耐性基準濃度とされていた。耐性基準濃度以下での0.1μg/ml耐性株は, 臨床的に耐性か感受性か一定の見解がなかった。そこで, われわれは小川法INH0.1μg/ml耐性株についてプロスミック法によるMIC値を測定し検討を行ったので報告する。対象菌株として1999年1月より2000年3月までに臨床分離された任意に抽出した115株を用いた。被検115株のMIC値を小川法分類により分布を示すと, 被検菌株は感受性, 低濃度耐性, 高濃度耐性の3グループに分かれた。小川法INH0.1μg/ml耐性株はMIC値分布図において低濃度耐性のグループに属していた。小川法INH0.1μg/ml耐性株のMIC値は, 平均4.53μg/mlであり, プロスミック法で耐性であった。小川法INH0.1μg/ml耐性株の区間推定値は, 95%の信頼区間で3.21~5.85μg/mlとなった。この値はプロスミック法の耐性であった。以上から小川法INH0.1μg/ml耐性株をプロスミック法からみた場合に耐性を示し, 臨床的に耐性として扱われていたことを裏付ける結果であった。
  • 日本結核病学会治療委員会
    2002 年 77 巻 7 号 p. 537-538
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
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