結核
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79 巻, 6 号
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  • 田村 厚久, 蛇沢 晶, 相良 勇三, 鈴木 純子, 益田 公彦, 馬場 基男, 永井 英明, 赤川 志のぶ, 長山 直弘, 川辺 芳子, ...
    2004 年 79 巻 6 号 p. 367-373
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    [目的] 肺癌を合併した肺非結核性抗酸菌症 (肺NTM症) の特徴を明らかにする。 [対象と方法] 1997年-2002年に経験した肺癌と肺NTM症合併入院症例11例を対象に臨床的検討を行った。 [結果] 11例の内訳は男性10例, 女性1例, 平均66歳で, 5例は肺嚢胞など既存肺の構造変化を有していた。癌の組織型は扁平上皮癌4例, 腺癌, 小細胞癌各3例, III期以上が8例を占め, 抗酸菌症先行群3例と同時発見群8例に分けられた。前者の肺癌は比較的早期で全例切除されたが, 後者の肺癌は大半が進展例で積極的治療例は少なかった。抗酸菌の菌種は M.kansasii (MAC) 6例, M.kansasii 5例で, 肺NTM症の肺癌合併率は25% (11/447例), MAC症で2% (6/300例), M.kansasii 症で8.2% (5/61例) に達し, 肺癌の肺NTM症合併率は1.4% (11/778例) であった。両疾患の位置関係では8例で各々の主病巣が同側肺に存在し, うち4例では同一肺葉内で共存していた。肺NTM症への治療は多くは奏功し, 患者の予後へ影響していなかった。 [結論] 肺癌と肺NTM症の合併は稀ではない。肺癌患者の診療においては肺結核症と同様, 肺NTM症の合併についても注意すべきである。
  • 関東地区の結核病棟における退院基準に関するアンケート調査
    柳澤 直志, 島田 尚登, 林 志文, 西尾 和三, 青木 洋敏, 高橋 正光
    2004 年 79 巻 6 号 p. 375-380
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    [目的] 関東地区における結核患者の退院基準の現状について調査した。 [対象と方法] 関東地区の結核病棟を有する主な医療機関に対し退院基準に関するアンケートを行った。 [結果] 有効回答率は63.0%であった。喀痰塗抹検査では主にZiehl-Neelsen法を行っているのが17.2%, 主に蛍光法を行っているのが72.4%であった。喀痰培養検査法では主に小川培地で行っているのが62.1%, 主に液体培地で行っているのが27.6%であった。退院基準の統一化をはかっている施設は79.3%であった。基準内容については塗抹陰性確認で退院を決定するものは11基準, 培養陰性確認で退院を決定するものは17基準であった。1施設は投薬2力月で退院としていた。喀痰検査の方法, 頻度, 確認回数, 判定基準において一定の傾向はみられなかった。 [結論] 退院基準に関しては各施設の治療成績等を検討し, 各施設, 地域社会にあった基準を作成していくべきと考えられた。
  • 築島 恵理, 三觜 雄, 高瀬 愛子
    2004 年 79 巻 6 号 p. 381-386
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    [目的] 医療従事者が肺結核患者の診断前に業務上接触した場合に, 発端患者の排菌量および気道への処置の実施によってツベルクリン反応がどのように異なるか検討した。 [対象] 平成13年度に札幌市に登録された肺結核・喀痰塗抹陽性患者に関して, 入院中の病棟業務において肺結核診断前に患者との濃厚接触があった39歳以下の従事者でBCG既接種者415名とした。 [方法] 結核患者登録票より発端患者の状況および病棟での接触状況を分類し, これらの相違によるツベルクリン反応発赤径の分布の差を検討した。 [結果] 気道処置を実施された患者の接触者は, そうでない接触者と比較して有意にツベルクリン反応発赤径が大きかった。「排菌少, 処置なし群」では平均24.8mm, 中央値20mmで, 他の3群 (「排菌少, 処置あり群」平均35.8mm, 中央値31mm, 「排菌多, 処置なし群」平均33.1mm, 中央値28mm, 「排菌多, 処置あり群」平均35.3mm, 中央値31mm) に比べて有意に小さかった。 [結論] 排菌量が少量であっても気道処置によって結核菌の医療従事者への感染リクスが高まることが示唆された。
  • 伊藤 邦彦, 高橋 光良, 吉山 崇, 和田 雅子, 尾形 英雄
    2004 年 79 巻 6 号 p. 387-390
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は47歳男性, 住所不定者。4歳時肺門リンパ節結核で治療歴あり。特記すべき合併症なくHIV陰性。病型b II 2, 喀痰塗抹Gaffky 4号全剤感受性の肺結核の診断で複十字病院命令入所し標準的化学療法開始。治療開始2力月目に一度喀痰培養陰性化するも, 内服は規則的と考えられたにもかかわらずその約2週後の喀痰で再排菌し, それ以降治療終了後も喀痰培養が断続的に続いた。薬剤感受性試験では再排菌以降の菌が多剤耐性化していたことが繰り返し確認された。RFLP分析では再排菌時以降の多剤耐性菌と治療開始時から排菌停止までの菌で菌株が全く異なることが判明し, Double-strain infectionによる多剤耐性肺結核と判断された。
  • 近藤 信哉, 伊藤 真樹, 西村 玄
    2004 年 79 巻 6 号 p. 391-395
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    著者の施設に診断に活用できる精度のCT機器 (CT-HAS-SGS, GE横川) が導入された1996年から2001年に治療した先天性結核患児3名の胸部, 腹部CT画像検査所見を報告する。肺浸潤像, 縦隔と腹腔内リンパ節腫脹はこれまで報告されてきたが, 今回の検討ではperiportal hypodensityが全例に認められた。先天性結核における早期診断は必須であるが, 難しい。今回の検討は画像所見に裏付けされた臨床所見が早期の診断を可能にすることがあり, periportal hypodensityの描出は先天性結核補助診断法の選択肢の1つであることを示唆する。
  • 神宮 浩之, 豊田 恵美子, 小林 信之, 工藤 宏一郎
    2004 年 79 巻 6 号 p. 397-400
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    膜炎を合併した非結核性抗酸菌症の報告は稀であり, 今回私たちは胸水貯留を認めた肺M.kansasii症の1例を経験したので報告する。症例は60歳男性。数ヵ月前より続く全身倦怠感, 右肩凝り, 発熱を主訴に近医受診。胸部X線上, 右上葉の浸潤影を指摘され, 肺炎の診断で一般抗生剤の投与を受けるも改善せず, 肺結核疑いで平成15年5月7日当科入院となった。入院時, 右胸水を認め, 胸腔穿刺を行ったところ滲出性胸水でAdenosinedeaminase(IADA) は66.1U/lと高値を示した。また, ツベルクリン反応が強陽性であったことより肺結核を疑い, 気管支鏡検査を施行した。右B1aおよびB2aより行った経気管支肺生検では, 類上皮細胞肉芽腫病変を認め, 気管内吸引痰, 気管支擦過浮遊液, 気管支洗浄液のいずれの検体からも培養検査で M.kansasii が検出された。国立療養所非定型抗酸菌症共同研究班の診断基準より肺 M.kansasii 症と診断し, RFPを含む3剤の治療を行った。以後, 胸水再貯留は認めず, 全身状態良好で6月6日退院となった。
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