結核
Online ISSN : 1884-2410
Print ISSN : 0022-9776
ISSN-L : 0022-9776
80 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 小橋 吉博, 福田 実, 吉田 耕一郎, 宮下 修行, 二木 芳人, 岡 三喜男
    2005 年 80 巻 2 号 p. 57-62
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕結核隔離病棟を閉鎖した当大学病院における結核患者の発生状況を検討し,今後の院内感染対策を再検討した。〔対象と方法〕200l年1月から2004年8月までに当大学附属病院で結核菌が証明された39例に対して,臨床的事項および院内感染対策について検討した。〔結果〕結核菌が分離された時点での所属科は,呼吸器内科16例に対し,呼吸器内科以外は23例であつた。34例が基礎疾患を有し,悪性腫瘍が14例と最も多くみられた。最終診断名は,肺結核が23例あり,うち13例は入院時から肺結核を疑っていたものの,残り10例は肺炎として治療されていた。検体では,喀痰が21例と多く,このうち院内感染上間題となる塗抹陽性例は13例であった。院内感染対策で,結核と診断後,喀痰塗抹陽性であった13例に対して,家族も含めて,院内職員に対しても接触者検診を積極的に行つているが,現時点では1例の発症も認められていない。〔考察〕悪性腫瘍を中心とした基礎疾患を有した患者に非典型的なパターンを呈する肺結核症例が出現してきており,未だ入院後肺炎として抗菌薬が投与される症例が認められた。当大学病院において,今後も結核に対するさらなる教育指導が必要と考えられた。
  • 分離年代によつてPFGEパターンが異なるクラスターを形成する
    三村 公洋
    2005 年 80 巻 2 号 p. 63-68
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕岡山県で発見されたM.kansasiiにおける疫学調査,および分離株における分子生物学的検討と感染様式の考察。〔対象と方法〕1977年から1994年の間に分離.保存していたM.kansasii22株について,制限酵素VspIを用いてゲノムDNAのパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)を行った。また水島工業地帯の5会社から水道水を採取し抗酸菌培養を行った。〔結果〕PFGE解析の結果から年代ごとの菌株がそれぞれ1つのクラスターを形成することが見出された。水道水培養の結果は,いずれの検体からもM.kansasiiは検出されなかった。〔結論〕岡山県では分離年代ごとの菌株が1つのクラスターを形成していることから,共通の環境や地域に生息するM.kansasiiが感染源となっている可能性が考えられた。
  • 春名 茜, 冨岡 洋海, 大竹 洋介, 藤山 理世, 大西 尚, 桜井 稔泰, 多田 公英, 坂本 廣子, 山本 剛, 阪下 哲司, 青木 ...
    2005 年 80 巻 2 号 p. 69-74
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的.対象〕当院で過去7年間に経験した胸囲結核10例(男1女=7小3,平均年齢62±l7歳)について臨床的検討を行った。〔結果〕5例は結核治療歴(3例:肺結核,2例:結核性胸膜炎)を有し,4例は胸囲結核診断時に活動性肺結核を合併していた。病変部位は,右側6例,左側4例で,多くが第9肋骨以下のレベルであった。膿瘍からの抗酸菌検出率は,塗抹60%,培養30%,PCR75%であった。造影CTで中心部がlow,辺縁がhighとなるrimenhancement所見を全例に認めた。同側の胸膜肥厚像を全例に認め,結核性胸膜炎からのリンパ行性による発症機序がうかがわれた。治療は,全例で抗結核薬化学療法,うち8例で切開排膿術を行つた。5例では胸壁膿瘍掻爬術を行い.うち3例は合併する膿胸掻爬術も行われ,胸壁膿瘍腔との交通が確認された。12~77カ月の経過観察にて全例再発を認めていない。〔結論〕本症は胸壁腫瘤の鑑別疾患として依然重要であり,造影CTがその診断に有用と考えられた。根治的掻爬術をせずとも,内科的治療と切開排膿にて良好な経過をとる例も比較的多く,高齢化傾向を認める本症の治療法の選択にはさらなる検討が必要である。
  • 2005 年 80 巻 2 号 p. 75-111
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
feedback
Top