結核
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80 巻, 8 号
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  • QuantiFERON®TB -2Gを用いた検討
    宮下 裕文, 樋口 一恵, 東山 典子, 沖 智子, 原田 登之, 関谷 幸江, 宍戸 眞司, 森 亨
    2005 年 80 巻 8 号 p. 557-564
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕大規模な接触者検診の場において,QuantiFERoN®TB-2G(QFT)の有用性を検討した。〔対象および方法〕医療機関職員が初発患者(G7)である集団感染事例において,最濃厚接触群ll人,濃厚接触群33人および非濃厚接触群3,791人に分け,最濃厚接触群と濃厚接触群にはツ反,胸部X線検査およびQFT検査を実施した。非濃厚接触群のQFT検査については,ツ反陽性者と胸部x線結果から感染の可能性がある者について行った。〔結果〕最濃厚接触群,濃厚接触群および非濃厚接触群においてツ反の発赤長径30mm以上(BCG未接種者は10mm以上)の者は,各群7名,7名,277名であった。一方QFT検査の陽性者は,最濃厚接触群で3名,濃厚接触群で2名,非濃厚接触群においては検査可能だった225名中5名が陽性であった。〔結論〕今回の事例を,ツ反の結果のみで評価した場合,非常に大規模な集団感染と見なすことになったが,QFT検査の結果では,初発患者からの感染者は,最濃厚接触群にとどまることが示唆された。QFT検査を導入し,特異度高く結核感染を診断することは,今後の接触者検診に多大なる恩恵をもたらすと考えられる。
  • 近藤 信哉, 宮川 知士
    2005 年 80 巻 8 号 p. 565-569
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕近親者が結核発病を自覚していない無症状結核乳児において,健診時ツベルクリン反応(ツ反)以外の結核発見の糸口があるかを検討した。〔対象と方法〕ツ反が自然陽転した乳児131名のうち,画像検査で結核の発病が示唆された20(男9,女11)名を対象とした。これらの患児の入院時における胃液結核菌検査,末梢血,血清化学検査値を検討した。また,接触者検診において感染源の有無を検討した。〔結果〕20名の発病乳児におけるツ反硬結は7~26(中央値,135)mmであった。胃液結核菌検査は13名(65%)において陽性であった。末梢血ヘモグロビン値は低値を認めなかった。白血球数は14名(70%)において正常範囲,6名(30%)において増多していた。8名(40%)において顕著なリンパ球増多を示した。血清CRP値は正常,あるいは軽度上昇を示した。接触者検診において,患児20名中11名(55%)の近親者が感染源である可能性が示唆された。〔結論〕今画の検討は無症状の乳児において胃液結核菌,ツ反,胸部画像検査が行われることはなく,健診時ツ反に代わる結核乳児を発見する有用な糸口を見出せなかった。したがって,乳児結核対策は今後も成人結核散発例のきめ細かな対策に依存し,BCG直接接種後のコッホ現象が結核菌感染,発病発見の糸口となることが期待される。
  • 福元 重太郎, 猪島 一郎, 藤田 昌樹, 桑野 和善, 中西 洋一
    2005 年 80 巻 8 号 p. 571-575
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は74歳女性。平成15年3月から10月まで当院総合診療部にて非結核性抗酸菌症(以下NTM症と略す。分離菌はMycobacteriumintreceltulare)の加療が行われた。平成16年5月より喀痰・咳嗽が増悪し,NTM症の再燃と診断され6月14日に呼吸器科入院となった。胸部CTではぴまん性粒状影の増加と右肺に空洞・気胸・胸水の出現を認めた。喀痰にてガフキー陽性(集菌法にて3+),PCR法にてM.intracellulare陽性,また,胸水ADAが147IU/Lと高値であった。胸水からM.intracellulareは検出されなかったが,喀痰や胸水の検査から他の感染症を示唆する結果が得られなかったのでNTM症に対する加療を開始した。気胸,胸水は治療に伴い消失したことより気胸と胸膜炎はNTM症に合併したものと考えた。NTM症に胸膜炎が合併するのは稀であり, さらに気胸が合併したという報告はきわめて稀であり貴重な症例と考えられた。
  • Lee B. REICHMAN
    2005 年 80 巻 8 号 p. 577-580
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
  • Karin WELDINGH, Peter ANDERSEN
    2005 年 80 巻 8 号 p. 581-585
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    For almost 100 years has the tuberculin skin test (TST) been used for the support the diagnosis of active and latent TB infection. The TST test has, however, a number of limitations most notable low specificity in BCG vaccinated individuals due to cross-reactive components in PPD and the M. bovis BCG vaccine strain and an intensive search for new and more specific diagnostic antigens has therefore be ongoing. In this review we describe the discovery process leading to the identification of the M. tuberculosis specific antigens ESAT6 and CFP10; two low molecular weight proteins which are highly sensitive and specific for detection of a M. tuberculosis infection.
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