結核
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81 巻, 1 号
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  • 1998~2003年の九州地区における入院症例の検討
    田尾 義昭, 二宮 清, 宮崎 正之, 岩永 知秋, 伊井 敏彦, 大津 達也, 瀧川 修一, 川上 健司, 川畑 政治, 東 賢次
    2006 年 81 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2006/01/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    九州地区における多剤耐性結核入院症例の臨床的検討。〔対象および方法〕九州地区の国立病院機構12病院において,1998~2003年に多剤耐性結核で入院となった56症例の検討。〔結果〕男性44例,女性12例,年齢は62.1±18.6歳であった。49歳以下で14例中7例が初回耐性であった。基礎疾患は29例(51.8%)にみられ,糖尿病10例(17.9%),肝臓病5例(8.9%),腎不全4例(7.1%)であった。臨床病型では肺結核が54例で,病変は両肺におよぶ症例が41例(75.9%)であった。薬剤感受性検査ではisoniazid(INH),rifampicin(RFP)の2剤耐性は8例で,5剤以上耐性は27例にみられた。予後は,耐性薬剤が5剤以上では,排菌停止は6/27(22.2%)で,死亡は10/27(37。0%)であった。一方,耐性薬剤が4剤以下では,排菌停止は17/29(58.6%)で,死亡は6/29(20.7%)であった。外科的切除は7例のみで,5例は排菌停止,2例は再排菌がみられた。〔考察〕49歳以下では半数が初回耐性であった。基礎疾患が半数にみられ,病巣が広範囲におよび外科的症例が少なかった。耐性薬剤が5剤以上の症例は約半数にみられ,4剤以下に比べて排菌停止率が低く,死亡率が高かった。
  • 泉 慈子, 飯降 聖子, 久郷 敏明, 藤田 次郎
    2006 年 81 巻 1 号 p. 7-13
    発行日: 2006/01/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔自的〕医学部学生には,健康時に二段階ツベルクリン反応検査(二段階ツ反)により,結核罹患の有無の鑑劉に用いる基礎値を得ることが推奨されているが,その実施方法に関しては正確な方法が確立されていない。そこで,適切な基礎値を得る方法を検討した。〔対象と方法〕異なった方法でツ反が実施された1066名の医学部学生のツ反成績を対象とし(1回実施が58%,2回実施が37%,3回実施が5%),これらの資料について後方視的に多角的な分析をした。〔結果〕(1) 入学後の初回ツ反結果は,陰性者が20%であった。(2)1~4年未満の間隔で反復した場合は,先行するツ反の影響を受け発赤長径が毎回少しずつ増大していた。(3) 初回二段階ツ反と再ツ反の差は10mm未満にとどまっていた。(4) 二段階ツ反を反復した場合は,2回目が有意に増大していた(P=O.0048)。(5) ブースター現象に関しては,1年間は明らかに持続し,2年以上経過した後にも残存していた。〔考察〕健康時の反復ツ反は,結核罹患の有無を鑑別するための発赤長径の解釈を困難なものにする。そのためツ反による診断学的価値が低下し,実施に当たっての不要な手間と支出も費やしている。〔結論〕医学部学生へのツ反は,入学後早期に二段階ツ反を一度実施して,その値を信頼できる基礎値として考えることが適切である。
  • 伊藤 邦彦
    2006 年 81 巻 1 号 p. 15-17
    発行日: 2006/01/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    肺結核の学会分類で同一の病変様相(II/III)と同様の拡がり(1/2)をもつ肺結核のうち,両側に病変をもつ両側性肺結核と片側性肺結核で喀痰排菌陽性率に違いがあるかどうかを検証する。〔対象と方法〕筆者の属する病院での後ろ向き検討(2002年1月1日~2003年9月30日)。〔結果〕IIの2型の片側性(N=58)vs.両側性(N=82)での初国喀痰検査の塗抹陽性率/小川培地陽性率/MGITTM陽性率はそれぞれ84.6%vs.74.0%/885%vs.93.2%/935%vs.97.1%でいずれも有意差を認めず一定の傾向も示さなかった。病型皿でも片側(l+r)性と両側性(b)とで塗抹/小川培地/MGITTMでの陽性率には有意差を認めず,一定の傾向も示さなかった。〔結論〕学会分類で同一の病変様相(II/III)と同様の拡がり(1/2)をもつ場合,両側性肺結核と片側性肺結核で喀疾塗抹培養陽性率に差はない。
  • 大橋 里奈, 赤川 志のぶ, 倉島 篤行, 土屋 香代子, 宮本 牧, 益田 公彦, 田村 厚, 永井 英明, 長山 直弘, 川辺 芳子, ...
    2006 年 81 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2006/01/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は肺結核の治療終了直後の59歳男性。サウナで転倒し,搬送先病院の検痰でガフキー2号と判明し当院入院となった。右上葉に遺残空洞を認め抗結核薬を開始したが改善なく,全肺野にぴまん性粒状影が出現し,急速にスリガラス影へと変化した。経気管支肺生検で過敏性肺炎類似の非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫と器質化病変を伴うリンパ球浸潤が主体の胞隔炎を認めた。入院時の検出菌がMycobacterium aviumと同定されclarithromycinとkanamycinを追加投与したが,改善に乏しく,プレドニゾロンの併用にて改善した。経過からHot Tub Lungが強く疑われた。
  • 2006 年 81 巻 1 号 p. 25-50
    発行日: 2006/01/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
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