症例は,27歳の男性で,発熱と湿性咳徽を虫訴に近医を受診して,胸部X線写輿にで左肺門部に腫瘤影を指摘された。検査の結果,肺結核と診断され,INH,RFP,EB,PZAにて治療を開始された。血液中のリンパ球が少ないためHIV感染を疑われ,HIV.1抗体(Western-blot法)を測定した結果,陽性であり,後天性免疫不全症候群と診断された。HIV感染症の治療として,ジドブジンとラミブジン・硫酸アパカビルを開始した。肺結核の治療を開始した後は,すみやかに解熱が認められたが,抗HIV薬の投与を開始して10日後から,41℃を超える発熱が出現し,胸部X線写真所見も増悪を示した。免疫再構築症候群と診断し,プレドニゾロン30mg/日を投与した結果,徐々に解熱し,臨床症状および胸部X線写真所見も改善した。
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