結核
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82 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 大森 正子, 星野 斉之, 山内 祐子, 内村 和広
    2007 年 82 巻 2 号 p. 85-93
    発行日: 2007/02/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕結核患者の発生を職場という視点で分析し,職業別に患者発見の動向を明らかにすること,特に看護師については罹患率を推計すること。〔資料と方法〕結核発生動向調査年報,国勢調査年の職業別人口を用いた。職業別に患者の発見方法の変化を比較し,看護師と教員・医師の罹患率を男女別に推計した。〔結果〕看護師等では新登録中職場健診発見割合が年々拡大し,2004年は40.4%になった(医療機関発見割合は43.9%)。また看護師等では家族以外の接触者検診で発見される割合が1995年以降急速に拡大し,2000年以降は6~9%になった。1987年から2004年にかけて新登録者は5.6万人から3.0万人へ47.4%の減少をみたが,看護師等は490人から574人へ17。1%の増加となった。18年の間,看護師の罹患率は横ばい状態で,2004年の罹患率は,女で10万対46.3,男で825と推計された。その他の職業の20~59歳の罹患率と比較した相対危険度は,女で4.3(95%CI:3.9~4.8),男で3.8(95%CI:2.8~5.2)となった。一方,教員・医師の相対危険度は男女とも1以下であった。〔考察〕相対危険度から看護師の結核の約80%は職業起因と推察され,看護師の働く場である医療機関あるいは高齢者施設等においては,職場健診も含めて院内(施設内)感染対策の充実と徹底を期待する。
  • 吉山 崇, 尾形 英雄, 伊藤 邦彦, 青野 昭男, 和田 雅子
    2007 年 82 巻 2 号 p. 95-101
    発行日: 2007/02/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕リファンビシン(R)耐性イソニァジド(H)感性結核の治療成績を知る。〔方法〕複十字病院で1985~2004年に治療開始した23例の治療成績を事後的に検討した。〔結果〕多剤耐性化3例,治癒17例,死亡2例,転出1例であった。開始時治療がHRの1例は多剤耐性化,HR+エタンブト一ル(E)の2例中1例が多剤耐性化し1例治癒,HR+ピラジナミド(Z)+Eまたはストレプトマイシン(S)4剤の10例中8例治癒し1例死亡し1例転出,RZEの1例治癒,Z含まぬ有効薬剤3剤治療の5例中3例治癒し1例死亡し1例多剤耐性化,有効薬剤4剤であった3例は全例治癒した。6カ月以上治療した19例中,治療開始後6カ月以内の間の有効薬剤が4剤以上の期間が2カ月以上であった10例全例治癒,4剤以上の期間がなかった9例中2例が多剤耐性化した。使用薬剤はH,S,E,Z,カナマイシン,エチオナミド,ニューキノロンであった。治癒例の治療期閥はll~12カ月3例,12~18カ月3例,18~24カ月8例,2年以上3例であった。〔結論〕R単剤耐性結核の治療としては,HRZEで治療開始し,6カ月以内に2カ月以上有効薬剤4剤を用い,その後有効薬剤3剤使用し,12~24カ月治療を行えばよいと思われる。
  • 吉田 志緒美, 鈴木 克洋, 露口 一成, 岩本 朋忠, 岡田 全司, 坂谷 光則
    2007 年 82 巻 2 号 p. 103-110
    発行日: 2007/02/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕M.hansasii株に対する各種遺伝子型別法を用いた分子疫学的解明。〔対象と方法〕2002年6月1日から2005年8月31日の期間,近畿中央胸部疾患センターにおいて臨床検体から分離,同定されたM.kansasii174株を対象として,hsp65-PRA,ITSシークエンス,PFGE,IS1652-RFLPならびにMPTR-RFLPを行った。またhsp65-PRAとITSシークエンスの結果に乖離があった株に対しては65シークエンスを行った。〔結果〕hsp65-PRAの結果,174株中1型が170株(97.7%)を占め,II hsp型は2株IIb型は1株,VI型は1株に認められた。ITSシークエンスではI型,II型,VI型のM.hansasii65-PRAと同じ型を認め,IIb型はITS sequevartypeIIと判定された。IS1652RFLPとMPTR-RFLPの結果,I型の170株は同一のバンドパタ一ンを示し,I型以外の型(II型,IIb型,VI型)を示した4株に多型性が認められた。PFGEでは,159株(91.4%)がクラスターを形成し,残り15株に多型性を認めた。〔結論〕今回各種遺伝子型別法を用いて遺伝子型別を試みた結果,世界的に蔓延しているI型が当センタ一周辺地域においても高い割合で分布している状況が認められ,I型の高いク一ナリティ一が示唆された。またPFGEによりI型に亜分類が存在する可能性が考えられた。
  • 榊原 桂太郎, 岡野 哲也, 倉根 修二, 工藤 翔二
    2007 年 82 巻 2 号 p. 111-114
    発行日: 2007/02/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は56歳女性。基礎疾患に重症筋無力症があり,平成7年に胸腺切除術を施行し,ステロイドを内服中であった。夜間38~39℃ の発熱が出現,胸部X線上異常陰影を認め幾科に紹介され入院となった。喀痰から抗酸菌塗抹陽性(ガフキー2号)と,胸部CTの所見がびまん性小粒状影であることより粟粒結核と診断し,INH,RFP,EB,PZAにて治療を開始した。以後解熱傾向となり,胸部X線上粟粒影も消退し安定していたが,治療開始6週間後より暖声・嚥下困難が出現し,頸部CT所見・頸部血管造影にて右鎖骨下動脈瘤切迫破裂と診断した。喀痰塗抹にて抗酸菌陽性であったこと,胸腺腫術後のため再開胸による処置が困難と判断し,動脈瘤への血流の遮断を目的として,右鎖骨下動脈ステント挿入術・右鎖骨下動脈一右総頸動脈バイパス造成術を施行した。術後嘘声・嚥下困難の改善を認め経過観察としている。結核性動脈瘤は稀な疾患であり,その診断は困難で大部分は剖検時に発見されることがほとんどである。本症例は病理組織的には診断できていないが,臨床経過より粟粒結核治療中に結核性鎖骨下動脈瘤を併発したと思われた。
  • 2007 年 82 巻 2 号 p. 115-147
    発行日: 2007/02/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
  • 2007 年 82 巻 2 号 p. 149
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
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