結核
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83 巻, 11 号
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  • 森本 耕三, 石川 理恵, 守屋 敦子, 増永 愛子, 神宮 浩之, 安藤 常浩, 生島 壮一郎, 折津 愈
    2008 年 83 巻 11 号 p. 711-715
    発行日: 2008/11/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕肺MAC症の臨床像を明らかにする。〔方法〕2000年1月から2007年3月の期間に診断された肺MAC症120例を病型・男女ごとに4群に分け,患者背景,臨床データを中心に比較検討を行った。〔結果〕結節気管支拡張型(Nodularbronchiectatictype)の男性15例(以下NB-M),女性71例(NB-F),結核類似型(Fibrocavitarytype)の男性24例(FC-M),女性10例(FC-F)。各群の平均年齢は最低NB-F58.3歳から最高FC-M65.8歳であった。喫煙歴はFC-Mで17例と多く,FC-Fは2例と少なかった。またBMIはFC-Fで16.9と最も低かった。既往歴は,FC-Mで結核など明らかな基礎疾患が多く認められたが,FC-Fでは結核を既往に有する例が4例に認められただけであった。胸郭前後径は他の群では90mm以上であったのに対し,FC-Fで平均75.2mmと最も短かった。〔考察〕肺MAC症は病型を男女ごとに検討することで,異なる臨床背景があることが明らかとなった。
  • 鹿住 祐子, 前田 伸司, 宇田川 忠, 菅原 勇, 神谷 齊
    2008 年 83 巻 11 号 p. 717-723
    発行日: 2008/11/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕IL-12/1FN-γ 経路に先天性に異常のある患者から長期にわたって分離された迅速発育抗酸菌の菌種同定を行うこと。M.porcinumと同定されたこれら分離株の細菌学的性状をM.poreinumおよび類縁菌種の基準株と比較すること。〔対象および方法〕IL-12/IFN-γ 経路に先天的に異常のある1人の患者から1996年から2007年の間に7回にわたって頸部・腋窩・鼠径部・腕部のリンパ節と腫瘍部分から分離された迅速発育抗酸菌7株,内視鏡洗浄液から分離されたM.poreinum, M. porcinum基準株ATCC33776,M.fortuitum基準株ATCC6841について,従来の同定法による細菌学的性状の比較と薬剤に対する感受性試験を行った。さらに,分離菌7株とM.poreinumおよび類縁菌種の基準株13株について,rpoB,dnaJ,hsp65遺伝子の塩基配列の相同性を比較した。〔結果〕被検分離菌7株の3遺伝子の塩基配列はすべて100%一致し,薬剤感受性にも菌株間に大きな差はみられなかった。しかし,分離の過程において42℃ における菌の発育は陽性から陰性に,コロニーはS型からR型へと変化し,発育速度は3日から7日と遅くなり,マンニット分解能は陽性から陰性になった。
  • 川田 博, 山里 将也, 篠沢 陽子, 鈴木 喜久雄, 大谷 すみれ, 大内 基史, 宮入 守
    2008 年 83 巻 11 号 p. 725-728
    発行日: 2008/11/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    男性31歳発症の両側肺結核で,再発時に多剤耐性となる。3回目入院後3年経過した時点で,左肺の広範な空洞内に液面形成出現し,胸膜肺全摘を施行する。入院7年後,一次抗結核薬,二次抗結核薬すべてに耐性となる。8年後ミノサイクリンを加えた治療に変更し,16カ月後,喀痰塗抹培養陰性となり,右上葉の空洞陰影消失,右肺尖陰影改善し,菌陰性化後2年で治療終了,1年後も再排菌を認めていない。ミノサイクリンは,有効な治療薬のない多剤耐性肺結核に試みる価値があると思われた。
  • 2008 年 83 巻 11 号 p. 729-749
    発行日: 2008/11/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
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