結核
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89 巻, 12 号
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原著
  • 佐渡 紀克, 中村 保清, 北 英夫
    2014 年 89 巻 12 号 p. 821-824
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/09/16
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    〔目的〕肺非結核性抗酸菌(NTM)症による胸水貯留例の報告は少なく,またその頻度に対しての報告も少ない。そこで当院で経験した症例を報告する。〔対象〕2009年1月から2014年1月までに当院を受診した肺NTM症患者116人について検討した。〔結果〕NTMによる胸膜炎と診断した症例は7例,6.0%であった。7例中6例がMAC症で1例はM.abscessusであった。既往歴としては,潰瘍性大腸炎,ステロイド内服加療を受けている関節リウマチ,網膜色素変性症の患者がそれぞれ1例ずつみられた。胸水検査は7例で施行された。胸水の抗酸菌塗抹陽性例は認めなかったが,4例で抗酸菌培養陽性であり,その全例がMACであった。また7例中4例で胸水はリンパ球優位であった。胸水中ADA値の平均は86U/mlで,7例中5例でADAが50U/ml以上であった。5例においては気胸の合併を認めていた。胸水貯留を認めた7例中5例でNTMに対する抗菌薬による治療が行われ,その全例で胸水の減少,あるいは消失が認められた。〔結論〕NTM胸膜炎の実態を明らかにするため,さらなる症例の蓄積が必要である。

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