結核
Online ISSN : 1884-2410
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90 巻, 5 号
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原著
  • 吉多 仁子, 小野原 健一, 田澤 友美, 河原 邦光, 釣永 雄希, 韓 由紀, 田村 嘉孝, 永井 崇之, 橋本 章司, 川瀬 一郎
    2015 年 90 巻 5 号 p. 497-502
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/09/16
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    〔目的〕結核の核酸増幅検査Loop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP法)を,喀痰から集菌せずに直接行い(Direct TB-LAMP),塗抹検査とMGIT培養で比較し,迅速診断の有用性について検討した。〔期間・方法〕2013年6月から2014年2月に肺結核と診断され治療開始から5日以内に提出された喀痰111検体を対象とした。Direct TB-LAMPは喀痰60μlを採取し,核酸抽出はPURE法,試薬はLoopamp®結核菌群検出キットを用い,リアルタイム濁度測定装置Loopamp® EXIAで測定した。その後,塗抹検査とMGIT培養を行った。〔結果〕111検体中,塗抹陽性46検体はMGITとDirect TB-LAMPが陽性で,Direct TB-LAMPの平均陽性検出時間は13分55秒。塗抹陰性・MGIT陽性56検体のうちDirect TB-LAMP陽性は44検体(陽性率78.6%)で,平均陽性検出時間は15分59秒。〔考察〕喀痰から直接行うDirect TB-LAMPは,陽性率が高く,操作が簡便で陽性検出時間も短く,多くの施設での活用が期待できる方法と思われる。

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