最新の光学顕微鏡技術で神経細胞の活動を記録し,同じ細胞の三次元微細構造をボリューム電子顕微鏡法(Volume Electron Microscopy, vEM)で解析する手法は,従来の光・電子相関顕微鏡法(Correlative Light and Electron Microscopy, CLEM)の改変法として,脳の機能と構造の関連を追究する目的に用いられる.特に,得られたvEM像からは,活動を記録した細胞のオルガネラ微細構造に加えて,対象細胞の周辺の構造情報も抽出することができ,神経ネットワークについて考察を広げることが可能である.一方で,膨大なvEMデータから生物情報を効率よく抽出するためには,画像解析過程に深層学習アルゴリズム等を導入する必要性が提唱されている.本稿では,二光子顕微鏡による機能測定と,相関したvEMデータから解析した神経細胞の機能と構造を考察した例を紹介する.
抄録全体を表示