日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
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18 巻 , 3 号
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巻頭言
原著
  • 村本 あき子, 加藤 綾子, 津下 一代
    18 巻 (2010) 3 号 p. 175-185
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル フリー
    目的:メタボリックシンドローム(MetS)対策としての積極的支援型プログラムの一年後の効果を評価し,保健事業の改善につながる評価指標について検討すること.
    方法:あいち健康の森健康科学総合センター近隣の市町国保加入者(25,443名)のうち,健康診査(健診)でMetS関連データ有所見者745例を抽出し,そのうち90例に対し3ヶ月間の積極的支援型プログラムを実施した.終了後は支援を行わず,6ヵ月後,一年後に臨床検査を含む諸検査を実施し,臨床検査値変化,体重減少率,MetS減少率,階層化判定の変化について検討した.また,プログラム完了者のうち翌年健診を受診した56例を参加群とし,対照群としては同地域国保加入者のうち,2年連続健診受診者7,297例より性・年齢,BMIをマッチングした108例を無作為抽出し,両群の健診データ変化を比較した.
    結果:プログラム完了者は86例(95.6%,平均年齢59.3歳),開始時,終了時,6ヵ月後,一年後の検査を全て受診したのは75例(83.3%)であった.一年後の一人当たり平均体重減少率は6.5%,MetS該当者減少率は62.5%,積極的支援該当者減少率は41.7%であった.2年連続の健診データ変化において,対照群ではMetS関連指標に有意な変化がみられなかったのに対し,参加群では血圧,トリグリセライド,空腹時血糖値が有意に低下した.
    結論:3ヶ月間の積極的支援型プログラムによるMetS減少効果は一年後まで持続することが観察され,非参加者との間で有意な差を認めた.
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  • 宮内 清子
    18 巻 (2010) 3 号 p. 186-198
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル フリー
    目的:本研究の目的は,中高年女性労働者に対して心身の健康のセルフチェック調査を行い,その個人データを基に作成したフィードバック型リーフレットを用いた健康教育プログラムによる介入が,健康関連QOLや抑うつ,更年期症状,役割負担感に及ぼす効果を検討することである.
    方法:無作為化比較対照試験として,113名の中高年女性労働者を介入群57名,対照群56名に割りつけた.教育介入は,介入前調査におけるそれぞれの個人データをリーフレットに示してフィードバックする内容であった.評価は,健康関連QOLはmedical outcomes study-short form-36(SF-36),抑うつ尺度は,Center for Epidemiologic Study Depression Scale(CES-D日本語版),更年期症状(クッパーマン更年期障害指数),家事および仕事に対する役割負担感はvisual analogue scales(VAS) を用いて介入前と3ヶ月後に行った.
    結果:介入群53名と対照群55名では介入による改善効果はなかった.しかし108名のうち抑うつ状態にある20名(介入群10名,対照群10名)では,健康関連QOL(SF-36)の「日常役割機能(身体)」で介入群が対照群に比べ有意な改善を示した(P=0.03).
    結論:中高年女性労働者に対するフィードバック型リーフレットを用いた健康教育プログラムは,抑うつ状態にある人々の健康関連QOLを改善する可能性がある.
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総説
  • 渡邊 能行, 三谷 智子, 横田 昇平
    18 巻 (2010) 3 号 p. 200-208
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル フリー
    WHO CSP協同センター(WHO Collaborating Center on Community Safety Promotion)が示しているセーフコミュニティ(Safe Community)の6つの指標の中には,「傷害が発生する頻度とその原因を記録するプログラムがある」ことが明示されている.わが国で初めて2008年3月に,WHO CSP協同センターによるセーフコミュニティの認証を得た亀岡市では,外傷サーベイランス研究委員会においてどのようなプログラムを実施するかの検討を行った.死亡統計,警察の統計,消防の統計等の既存の資料では軽微な傷害の頻度と原因を明らかにすることはできない.そこで,地域の4病院と17診療所において2007年5月から傷害患者を登録するサーベイランス事業を開始し2008年4月末まで続けた.この事業の開始によって,多くの組織横断的部門,すなわち,直接安全と安心に関わる警察や消防に加えて,保健所,医師会,歯科医師会といった健康関連団体がセーフコミュニティ活動へ積極的に参画することとなった.これは,WHO CSP協同センターが示しているセーフコミュニティの6つの指標のもう一つの指標である組織横断的な取り組みにも寄与するものであったといえる.
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  • 武藤 孝司
    18 巻 (2010) 3 号 p. 209-218
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル フリー
    職場の安全がセーフティプロモーションに関わる議論の中で出てくることは少ない.そこで,本稿ではセーフティプロモーションにおける職場の安全の位置付けとそこでのあり方について検討した.1998年に発表されたケベック文書では企業もセーフティプロモーションに関わることが明示されている.セーフコミュニティの定義でも,その活動のどの領域においても職場における活動が期待されている.わが国では毎年10万人以上の労働者が労働災害に被災している.労働災害発生数は事業場規模が小さくなるほど多くなっており,約7割が従業員50人未満の小規模事業場で発生している.セーフコミュニティにおける安全な職場の指標は,職場の安全衛生管理体制が整備されていれば,ほとんど満たされている.しかし,事業場全体の97%を占める小規模事業場では労働安全衛生法に規定されている安全管理者の任命や安全委員会の設置は義務化されておらず,自営業には適用されない.従って,小規模事業場や自営業における労働安全衛生対策の推進が重要な課題となってくる.小規模事業場や自営業は大企業に比べて地域とのつながりが強いという特徴がある.今後は安全担当者が職場の安全対策をセーフコミュニティの枠組みで捉えることと共に,セーフコミュニティを推進する立場の者も職場の安全を意識した活動をすることが求められる.
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  • 西岡 伸紀
    18 巻 (2010) 3 号 p. 219-229
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル フリー
    本報では,子どもの傷害について,海外および日本の実態と防止対策,及び日本の学校に関わる安全対策である学校安全について述べる.
    WHO(2008年)によれば,傷害と暴力は10-19歳の死因の1位を占めている.国内においても不慮の事故は1-14歳の死因の1位である(2008年).世界,国内とも,傷害は,交通事故,溺死・溺水,窒息,火傷,転倒・転落等により発生している.
    一方,学校管理下の傷害については,年間の負傷発生率は,小学生及び高校生では約7%,中学生では約12%であり,死亡も年間数10件発生している.また,学校管理下の傷害は,上記と同様,多様な事故等により発生している.それらに対する対策として,学校は,事前・発生時・事後の段階に応じて,物理的・社会的環境整備のための安全管理,及び子どもに対する安全教育を実施している.その際,安全管理は学校保健安全法を踏まえて,安全教育は学習指導要領を踏まえて行われる.また,学校管理下のある程度以上の負傷に対しては,災害共済給付が支給される.具体策としては,学校は,安全教育,安全管理について,具体的活動を月別に立案し,実施する.さらに,事故等発生時には,学校は,各校の危険等発生時対処要領に従って対処する.
    学校安全の課題は様々あるが,WHO推奨の傷害防止対策やセーフスクールの指標を参考にすると,傷害防止のためのデータや統計の改善,理論に基づく対策プログラムの開発,対策プログラムのプロセス及び結果の評価,具体策の拡大などが挙げられる.
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資料
  • 神田 浩路, 山品 博子, 神馬 征峰, 大塚 恵子, 玉城 英彦
    18 巻 (2010) 3 号 p. 230-243
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル フリー
    第7回世界ヘルスプロモーション会議「保健と開発の促進、実践格差の縮小」が2009年10月26~30日、ケニアの首都ナイロビで開催された。その成果として「ナイロビ行動要請」を発表した。今回、各国の保健や開発問題における実践格差の現状を踏まえ、ヘルスプロモーションを通して、その解消のための戦略や各国のコミットメント(責務)を明確にすることが本会議の主要テーマであった。そのため、ヘルスプロモーションを活用して緊急に対応のできる責任遂行課題5項目を掲げ、100ヶ国以上から600名を超える専門家およびオンラインによる参加者が本要請書の作成に協力した。ここにその全文と邦訳を併記し、本誌の読者に紹介する。
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