日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
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20 巻 , 3 号
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巻頭言
原著
  • 星 旦二, 高城 智圭, 井上 直子, 中山 直子, 湯浅 資之, 櫻井 尚子
    20 巻 (2012) 3 号 p. 159-170
    公開日: 2014/01/17
    ジャーナル フリー
    目的:研究目的は,都市居住高齢者における社会経済的要因と健康三要因との因果構造を明確にすることである.
    方法:都市郊外A市に居住する65歳以上高齢者全員を調査対象とし,2001年9月に13,916人(回収率80.2%)を調査し,2004年にも同様に追跡調査を実施し,65~84歳までの8,162人を分析対象とした.探索的因子分析に基づいて,Basic Activities of Daily Living(BADL),Instrumental Activities of Daily Living(IADL),社会活動,治療疾病数,主観的健康感を観測変数とする潜在変数を“健康三要因”(“ ”は潜在変数を示す)とした.また,学歴と年間収入額と関連する潜在変数を“社会経済的要因”とした.因果構造は,共分散構造分析を用いた.分析ソフトはSPSS16.0,AMOS16.0 for Windowsを用いた.
    結果:学歴と年間収入額と関連する社会経済的要因から健康三要因への標準化推定値は,男性では0.002~0.096,女性では0.119~0.137という直接効果が得られた.一方,健康三要因から社会経済的要因への標準化推定値は,男女ともに小さい値であった.よって,健康三要因は,学歴と年間所得額と関連する社会経済的要因から規定される因果構造が示された.適合度指数は,NFI=0.924,RMSEA=0.043であり高い適合度が得られた.健康三要因の55~99%が説明できた.
    課題:都市在宅高齢者の健康三要因と社会経済的要因との因果構造は,社会経済的要因が3年後の健康三要因を規定する可能性が示唆された.本研究で得られた因果構造について,内的,外的妥当性を高めて検証することが研究課題である.
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  • 新保 みさ, 赤松 利恵, 玉浦 有紀, 武見 ゆかり
    20 巻 (2012) 3 号 p. 171-179
    公開日: 2014/01/17
    ジャーナル フリー
    目的:体重管理の誘惑場面ごとのセルフエフィカシー(SE)と対策の関連を調べること.
    方法:2008年7月,A社の健康保険組合員994名(解析対象者:622名,平均年齢:42.2歳,男性:419名,67.4%)を対象に体重管理の誘惑場面(入手可能性,社会的圧力,リラックス,報酬,否定的感情,空腹)におけるSEおよび対策(行動置換,食べ方,刺激統制,ソーシャルサポート,認知的対処),属性について自己記入式質問紙調査による横断的研究を行った.解析では,誘惑場面ごとのSEと対策について,Pearsonの相関係数を求めた.さらに,誘惑場面ごとのSEを従属変数,属性と対策を独立変数とした重回帰分析で,SEと属性および対策との関連を調べた.
    結果:単相関の結果,入手可能性および空腹のSEは,5つの対策のうち,食べ方,ソーシャルサポート,認知的対処の3つの対策と正の関連がみられた.重回帰分析の結果,入手可能性,リラックス,報酬,否定的感情,空腹のSEは,5つの対策のうち,認知的対処と正の関連があった.社会的圧力のSEには,年齢,性別,ソーシャルサポートが関連しており,性別は,他にも入手可能性,リラックス,否定的感情,空腹のSEと関連を示した.
    結論:単相関では,誘惑場面によってSEと関連している対策の種類が異なっていた.属性や対策間の影響を考慮すると,認知的対処は多くの誘惑場面と正の関連がみられた.さらに,本研究は,誘惑場面のSEには属性も関連していることを示唆した.
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  • 石井 香織, 柴田 愛, 佐藤 舞, 岡 浩一朗
    20 巻 (2012) 3 号 p. 180-191
    公開日: 2014/01/17
    ジャーナル フリー
    目的:子どもを取り巻く物理的環境要因は,子どもの身体活動に長期的に影響を与える.本研究の目的は,日本の小学生における近隣身体活動環境尺度を開発し,学外余暇身体活動および通学中の歩行との関連を検討することである.
    方法:小学生の子どもを持つ1,074人の20歳から59歳の保護者を対象に,ウェブ調査による横断調査を実施した.社会人口統計学的要因(保護者の性,年齢,子どもの性,年齢,身長,体重)と全16項目から成る近隣身体活動環境尺度,学外余暇身体活動および通学時における身体活動実施時間を調査した.
    結果:探索的因子分析を行った結果,安全性因子5項目,魅力的な景観因子4項目,治安因子2項目,不快な景観因子2項目の計4因子13項目が抽出された.構成概念妥当性を検討するため,確認的因子分析を行った結果,適合度指標は満足な値を示した(GFI=0.969, AGFI=0.949, RMSEA=0.052, AIC=288.360).また,各因子の内部一貫性は良好な値(r=0.67~0.79)が,安定性の次元の信頼性は中等度の値(r=0.55~0.68)が得られた.さらに,近隣身体活動環境の安全性が高い,魅力的な景観である,あるいは不快な景観ではないと認知している者は,学外余暇身体活動および通学中の歩行時間が有意に長かった.
    結論:本研究で開発した近隣身体活動環境尺度は,信頼性および妥当性が認められた.本尺度は,身体活動に関連する近隣環境認知を評価するために信頼でき,日本の小学生に適用可能である.
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  • 衛藤 久美, 武見 ゆかり, 中西 明美, 足立 己幸
    20 巻 (2012) 3 号 p. 192-206
    公開日: 2014/01/17
    ジャーナル フリー
    目的:小学5年生児童の家族との共食頻度及び食事中の自発的コミュニケーションと食態度,食行動,QOLとの関連を明らかにすること.
    方法:埼玉県坂戸市内全13小学校5年生男女1,752名を対象に,2006年11月及び2007年9月に集合法で自記式質問紙調査を実施した横断的研究である.解析対象1,445名(男子770名,女子675名)を,家族との夕食の共食頻度(以下,共食)と食事中の自発的コミュニケーションにより4群に分け,食行動,食態度,QOLを比較した.
    結果:共食週4日以上で自発的コミュニケーションが多いA群は,男子242名(31.4%),女子288名(42.7%)であった.A群の児童は,B群(共食週4日以上で自発的コミュニケーション少ない)やD群(共食週3日以下で自発的コミュニケーション少ない)の児童に比べ,栄養を考えて食事をすることの重要性等の食態度が積極的で,食事中の家族との栄養や健康に関する会話等の食行動の実践頻度が高く,毎日の楽しさや食事の楽しさ等のQOLが良好であった.A群とC群(共食週3日以下で自発的コミュニケーション多い)の間で有意な群間差が認められた項目は少なかった.B群とD群の間にもほとんど有意差が認められなかった.
    結論:日常的に家族一緒に夕食を食べる機会と食事中に児童自身から話す機会の両方が多いことが,児童の食態度,食行動,QOLの良好さに関連することが示唆された.
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  • 中西 明美, 衛藤 久美, 武見 ゆかり
    20 巻 (2012) 3 号 p. 207-220
    公開日: 2014/01/17
    ジャーナル フリー
    目的:中学生を対象に「食に関するメディアリテラシー尺度」を作成し,その信頼性と妥当性を検討することを目的とした.
    方法:2011年6~7月に,東京都及び埼玉県の公立中学校の生徒2,064名を対象に質問紙を用いた横断研究を実施した.項目案は,一般的なメディアリテラシーや食行動の要因に関する先行研究を参考に,「批判的思考」と「自律的判断」の2側面で構成されると仮定し,29項目作成した.尺度の信頼性は,内的整合性のクロンバックαと再検査法により確認した.妥当性は,「間食選択動機」調査票,一般的なメディアリテラシー尺度,メディア利用状況との関連性によって検討した.
    結果:有効回答数は1,456名(70.5%)であった.探索的因子分析の結果,「食品表示活用」,「食品広告・販売促進からの影響」,「食に関するメディアからの情報の批判的認識」,「栄養バランスの判断」の4因子16項目が得られた.さらに,確証的因子分析の結果,高い適合度(GFI=0.96,AGFI=0.95,CFI=0.96,RMSEA=0.05)が得られた.各因子の信頼性では,クロンバックα係数(α=0.76~0.83)と再検査法による信頼性(r=0.48~0.67,いずれも,p<0.01)を確認し,良好な結果が得られた.妥当性では,重回帰分析の結果,「食品広告・販売促進からの影響」は,平日のテレビ視聴時間,テレビに対する保護者の肯定的意見と負の関連が見られた.一方,他の3つの因子は,テレビに対する保護者の批判的意見と正の関連が見られた.
    結論:中学生の「食に関するメディアリテラシー尺度」の信頼性と妥当性が確認された.
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資料
  • 光武 誠吾, 柴田 愛, 石井 香織, 岡 浩一朗
    20 巻 (2012) 3 号 p. 221-232
    公開日: 2014/01/17
    ジャーナル フリー
    目的:インターネット上の健康情報を適切に活用する能力であるeヘルスリテラシーを対象とした研究を概観することで,先行研究で用いられているeヘルスリテラシーの概念を明らかにし,eヘルスリテラシーを対象とした研究課題を特定すること.
    方法:キーワードを英語“eHealth literacy”と“e-Health literacy”,“e-literacy”,“eHEALS”,“Health Literacy”& “Internet”とし,日本語「eヘルスリテラシー」,「eHEALS」,「ヘルスリテラシー ANDインターネット」とした.MedlineとCINAHL,ERIC,医中誌で文献を検索し,161件を得た.
    結果:採択基準を満たした18件のうち12件でLilyモデルに基づくeヘルスリテラシーの概念が引用されていた.12件のうちeヘルスリテラシーを主な研究対象としていた論文は9件あり,概念の提唱に関した論文が1件,評価尺度に関した論文が3件,実践的研究に関した論文が5件だった.
    結論:多くの先行研究はeヘルスリテラシーをLily モデルに基づく概念で用いていた.今後の研究課題はLilyモデルにインターネット上で相互に情報交流ができる概念であるWeb 2.0を扱う能力も考慮したeヘルスリテラシーの概念となるように改良し,適切な尺度を用いて多様な属性における研究の蓄積が求められる.
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短報
  • 山本 久美子, 赤松 利恵, 溝下 万里恵, 武見 ゆかり
    20 巻 (2012) 3 号 p. 233-240
    公開日: 2014/01/17
    ジャーナル フリー
    目的:既婚男性を対象に,妻の健診・検診受診に対し,夫からの健康に関するソーシャルサポートが関連しているか,機能別に検討した.
    方法:2010年8~9月,A社の全国の健康保険組合員4,861人を対象に,横断的質問紙調査を行った.調査項目は,配偶者が被扶養者か否か,配偶者の最近1年間の健診・検診受診状況,配偶者への健康に関するソーシャルサポート(情動的・情報的・評価的・道具的,各1項目),性別,年齢であった.本研究では,既婚男性966人(有効回答率19.9%)を解析対象者とした.妻が被扶養者か否かで層別し,妻の受診状況を従属変数,ソーシャルサポートを独立変数,年齢を調整変数とした単変量・多変量ロジスティック回帰分析(強制投入法)を行った.
    結果:単変量解析の結果,妻が被扶養者の場合(n=626),夫からの情動的および道具的サポートが高い方が,妻は健診・検診を受診していた(情動的オッズ比(OR):1.60,95%信頼区間(CI):1.04-2.46,道具的OR:2.27,95%CI:1.56-3.32).また,多変量解析の結果では,道具的サポートが妻の健診・検診に関連していた(OR:2.23,95%CI:1.50-3.32).しかし,妻が被扶養者でない場合(n=340),どのサポートも有意な関連はみられなかった.
    結論:妻が夫の被扶養者の場合,夫から妻への道具的な健康に関するソーシャルサポートが,健診・検診受診を促す可能性を示唆した.
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