日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
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21 巻 , 2 号
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巻頭言
原著
  • 高橋 佐和子, 荒木田 美香子
    21 巻 (2013) 2 号 p. 115-124
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
    目的:大学における薬物乱用防止教育について,大学側の視点から教育実施上の問題点やニーズを明らかにし,大学における薬物乱用防止対策の在り方を検討することである.
    方法:全国の大学486校の薬物乱用防止教育担当者を対象に,郵送の質問紙調査による横断研究を実施した.薬物乱用防止教育の実態(実施上の問題点,取り組み,専門的組織の有無,考え方),薬物乱用事件発生の有無,大学で取り入れたい薬物乱用防止教育について調査した.解析では,コンジョイント分析を行い,薬物乱用防止教育担当者が教育方法を選択するときに重視する条件の傾向を調べた.
    結果:薬物乱用防止教育担当者の89.5%が教育実施の必要性があると回答したが,教育実施上の問題点があると回答した大学は74.1%と多く,時間の制約や学生を集める困難さがあるという実態が明らかになった.大学が薬物乱用防止教育方法を選択する条件は,より多くの人数をより少ない回数で教育できることであった.しかし,自校で薬物乱用に関する事件があった大学では,薬物乱用防止を扱う専門組織があり,教育方法選択の条件では講師を重視し,授業時間内を選択する傾向があった.
    結論:制約がある中で実施されている薬物乱用防止教育は,事件が発生しななければ次第に簡便な方向に流され,薬物乱用防止教育が形骸化していくことが懸念される.事件がなくても意欲的に大学全体で取り組むような組織体制作りを含め,限られた時間の中でも実施しやすい教育プログラムの開発が急がれる.
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  • 金森 悟, 甲斐 裕子, 石山 和可子, 荒尾 孝
    21 巻 (2013) 2 号 p. 125-134
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
    目的:中年期地域住民を対象に,社会参加と首尾一貫感覚との関連を検討することを目的とした.
    方法:東京都あきる野市の旧秋川市地区に居住する40~64歳の男女2,000名を無作為抽出し,郵送法による質問紙調査を用いた横断研究を行った.有効回答者は男性200名,女性300名であった.調査項目は首尾一貫感覚,社会参加,基本属性とした.社会参加には,ボランティアや趣味,スポーツなどの12種類の地域組織や団体について,月に1回以上参加している組織の数を扱い,3分位にあたる0種類,1種類,2種類以上の3群に分類した.参加組織数と首尾一貫感覚との関連に対しては共分散分析を行った.
    結果:参加組織数別の割合は,男性で0種類が122名(61.0%),1種類が56名(28.0%),2種類以上が22名(11.0%),女性ではそれぞれ174名(58.0%),83名(27.7%),43名(14.3%)であった.月1回以上参加している組織別では,男女ともにスポーツ関係のグループが最も多かった.参加組織数と首尾一貫感覚との関連では,男性においては有意な関連はみられなかったものの(F=0.56,p=0.57),女性においては有意な関連がみられた(F=5.54,p<0.01).さらに,女性の首尾一貫感覚の推定平均値は参加組織数が0種類で14.7点,1種類で15.3点,2種類以上で16.3点と,多いほど首尾一貫感覚も高い傾向が示された.
    結論:中年期地域住民における参加組織数別の首尾一貫感覚は,女性のみ関連が示唆され,参加組織数が多いほど首尾一貫感覚が高い傾向が認められた.
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資料
  • 坂東 春美, 山川 正信, 吉田 亨
    21 巻 (2013) 2 号 p. 135-141
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
    目的:妊娠の喫煙継続に関連する要因を検討すること.
    方法:この横断研究の母集団は,2004年4月1日から2006年3月31日までに,日本の一都市の保健センターを,妊娠届出のために訪れたすべての妊婦であった.該当した妊婦は2,536人であり,2,533人(99.9%)が研究に参加した.自記式調査票により,2,511人(99.0%)から有効回答を得た.届出時の喫煙継続に関連する要因は,最初にχ2検定で検討された.その後,χ 2検定で有意であった項目を独立変数とし,届出時の喫煙継続状況を従属変数として,強制投入法による多重ロジステック回帰分析を行った.
    結果:喫煙継続者は232人(9.2%),妊娠後の禁煙者は397人(15.8%)であった.届出時の喫煙継続は,「パートナーの喫煙」「経済的不安や相談の有無」「過去に妊娠経験がある者」「妊娠届出が妊娠12週以降」の4変数と有意に関連していた.
    結論:妊娠届出時まで喫煙を継続する妊婦を減らすためには,妊婦のパートナーの喫煙率を下げることや,経済不安の解消に向けた努力が,意味を持つ可能性が示唆された.
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特別報告
  • 岡 浩一朗, 杉山 岳巳, 井上 茂, 柴田 愛, 石井 香織, OWEN Neville
    21 巻 (2013) 2 号 p. 142-153
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
    背景:現代社会では,移動や職場,自宅などの様々な生活場面において長時間の座位行動が蔓延している.日常生活における座位時間の多寡が,心血管代謝性疾患のバイオマーカーや2型糖尿病,ある種のがん,早世のような健康アウトカムと関連があるという証拠が急速に蓄積されつつある.重要なのは,これらの関連が身体活動に費やす時間の影響を調整した後でも認められることである.本稿では,成人を対象にした座位行動研究に関する今後の方向性を明らかにするため,近年の研究動向を行動疫学の枠組みを応用することによって概観した.
    内容:このレビューには,座位行動(座り過ぎ)と健康リスク指標との関連についてのエビデンス,自己報告および機器を用いた座位行動の測度,鍵となる座位行動の分布およびトレンド,座位行動のエコロジカルモデルおよび環境的関連要因,座位時間を減らすための介入の有効性,座位時間を減らすことや中断することに関する公衆衛生勧告の概要を含めた.
    結論:今後行うべき座位行動研究として,座位時間が健康アウトカムに及ぼす影響を明確に理解するための機器を活用した測度による地域住民を対象にした前向き研究,様々な行動場面における長時間にわたる座位行動の多水準の決定要因を解明するための前向き研究,自宅や職場,移動環境における座位行動を減少および中断させる更なる介入研究,日常生活において座位時間を減らすことに関するメッセージを広めるためのトランスレーショナルリサーチ(マスメディアキャンペーンなど),発症機序および量反応関係を解明するための実験研究などが挙げられる.
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  • 荒尾 孝
    21 巻 (2013) 2 号 p. 154-164
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
    目的:近年,国際誌上で報告された系統的レビューを基に,身体活動・運動の促進に関する集団戦略的地域介入のモデルとその効果について現状を把握する.
    内容:身体活動促進を目的とした集団戦略的地域介入は,多様な関連領域から構成されるエコロジカル(生態学的)モデルに基づいて実施される.その代表的なモデルとして,環境と政策面からの介入を重要視したモデル,介入要因と評価要因から構成されたモデル,および戦略の開発段階と実施段階から構成されるモデルを取り上げた.次に,集団戦略として用いられる多様な介入手段を情報提供型,行動科学と社会的支援型,環境的・政策的整備型に分け,それぞれの効果と問題点について報告した.最後に,1995年から2009年までに発表された「身体活動促進のための集団戦略的地域介入研究」に関する系統的レビューの結果について,身体活動推奨値を基準とした場合,余暇時身体活動の推奨値を基準とした場合,および 連続データで評価した場合に分けて,それぞれ地域全体としての身体活動の促進効果について報告した.
    総括:集団戦略的介入による地域全体の身体活動に対する促進効果については,一致した結果が得られておらず,現時点では明確な結論付けはできない.このことに対する明確な結論を得るためには,今後さらなる研究成果の蓄積が必要である.
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  • 種田 行男, 井上 茂, 武田 典子
    21 巻 (2013) 2 号 p. 165-170
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
    背景:生涯を通じて身体活動を促進することは,我が国の重要な保健政策のひとつである.
    内容:身体活動の促進を目的とした国家政策を監査するためのツールであるPolicy Audit Tool(PAT)が2011年に開発された.PATを用いた監査はその実施過程において,身体活動による健康増進に興味を持つさまざまな分野の省庁や組織の連携を強めることができる.また,多分野や組織間のコミュニケーションを高め,それぞれの計画や行動を戦略的に統合させるための触媒のような働きを持つ.
    2010年5月カナダ・トロントで開催された第3回国際身体活動公衆衛生会議(International Congress of Physical Activity and Public Health)において,「身体活動のトロント憲章:世界規模での行動の呼びかけ」が採択された.トロント憲章は行動の呼びかけであると同時に,すべての人々が活動的なライフスタイルを送ることができる機会を作り出すための支援ツールである.
    結論:PATおよびトロント憲章は身体活動促進のための国家政策と行動計画の策定,およびその実施を支援するためのツールと考えられる.健康日本21(第2次)の地方計画の策定に際して,これら2つのツールが我が国の健康教育関連の研究者,実践者および政策決定者に有効に活用されることが期待される.
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  • 神馬 征峰
    21 巻 (2013) 2 号 p. 171-176
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
    背景:論文査読は論文の質を上げるために有効な手段である.査読をめぐるやり取りのポイントをあらかじめ知ることによって,投稿者は投稿原稿の小さなミスを避けることができる.本稿では本誌への投稿者のために,査読をめぐる主要な疑問や指摘を示すことを目的とする.
    内容:タイトルとキーワードは,自分の論文を他の研究者に読んでもらうための入り口である.投稿者は読者の目をひきつけるような魅力的なタイトルをつけ,自分の論文が共通のキーワード検索によって見つかりやすくなるように出来る限りMeSHキーワードを使用すべきである.和文抄録に関しては執筆要領にある小見出しをつけ,方法には研究デザインを示すこと,結果にはできるだけ主要データを示すこと,そして最後に結論ではその内容が引用されることを意識して記載することが重要である.また英文抄録は文法の修正だけでなく読みやすさにも気をつけて仕上げるべきである.最後に本文に関しては,諸言では総論から各論へ,考察では各論から総論へというストーリー展開をするとよい.また方法は専門家に読まれることを意識すること,結果に関しては図表の数を増やしすぎないようにし,結論につながるデータを明快に示すべきである.
    結論:基本的なミスを事前に防ぐことによって,論文の本質に関わる査読が可能になる.そのような査読をしてもらえるように,ぜひ基本的なルールをマスターし,明快で説得力のある論文作成にとりかかっていただきたい.
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  • 戸ヶ里 泰典, 中山 直子
    21 巻 (2013) 2 号 p. 177-186
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
    背景:査読プロセスにおける査読者と投稿者のコミュニケーションの質の向上を図ることを狙いとして2013年1月27日に論文査読セミナーが開催された.その中で実施された執筆者によるグループワークにおける議論内容を報告する.
    内容:セミナーには77名の参加があった.参加者は「アブストラクト・緒言」「方法」「結果・図表」「考察」「実践報告」の5つのテーマで各々2グループ,全10グループに分かれ,編集委員のファシリテートの元1時間のグループワークを実施,発表した.発表に対しては編集委員よりコメントがあった.
    結論:グループワークを通じて,執筆者における査読システムや編集委員会側の姿勢に対する理解が進んだ一方で,編集委員会としても質的研究の論文執筆ガイドラインの制作や,実践報告論文を原著論文扱いにできるか等の課題も明確となった.本セミナーを通じて参加者・編集委員会の相互理解が進み,査読コミュニケーションの向上が期待される.
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