日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
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22 巻 , 3 号
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巻頭言
総説
  • 木田 春代, 長谷部 幸子, 酒井 治子
    22 巻 (2014) 3 号 p. 201-215
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    目的:2000年から2012年の幼児期における生活習慣病予防を目的とした栄養・健康教育に関する無作為化比較試験(RCT)研究をレビューし,その概要を示すこと.
    方法:検索にはPubMed,医学中央雑誌を用い,キーワードを「食事/栄養」,「健康教育」,「介入」とし,2000~2012年に発行された就学前児(2~5歳児)を対象とする英語または日本語で書かれた論文に限定した.173本が抽出され,そのうち採択基準(RCTなど)に合致した論文は10本であった.さらに,その引用文献等を用いてハンドサーチを行った.スクリーニング,ハンドサーチ,精読は主に研究者2名が別々に行い,互いの結果を付け合わせながら採択論文の決定や結果の解釈等を行った.
    結果:16論文(15研究)が採択された.研究実施国が日本の論文は採択されなかった.研究デザインは施設を介入単位とするクラスターRCTデザインが主であり,社会的認知理論等の行動科学理論の応用や親や教諭に対しても教育を行う環境的アプローチがなされていた.介入の効果としては野菜摂取量増加などの他,栄養と運動を組み合わせた介入においてはBMIや過体重者割合の減少が報告されていた.
    結論:1999年以前のレビューにおいて指摘されていた社会的認知理論や環境的アプローチの重要性が再確認された.また,BMIなどの身体的な評価指標を用いた研究が増加していた.
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短報
  • 小島 唯, 福岡 景奈, 赤松 利恵
    22 巻 (2014) 3 号 p. 216-224
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    目的:学校栄養士における,「赤黄緑の3色食品群」を用いた食品分類について,学校栄養士が普段用いている分類と栄養士自身が正しいと考える分類の相違点を特定し,さらに各群に含まれる栄養素の認識の相違点を知ることを目的とした.
    方法:2012年5~10月,東京都および愛知県の学校栄養士442人を対象に,無記名自記式横断的質問紙調査を実施した.調査内容は,属性の他,赤黄緑の3色食品群を用いた食品の分類,赤黄緑各群の定義,栄養素の赤黄緑3群への分類をたずねた.食品の分類では,21の食品について普段学校給食等で用いる分類と,栄養士自身が正しいと考える分類を,赤黄緑の3群からそれぞれ選択させた.また,両者の回答の一致率を算出した.
    結果:237人から回答を得た(有効回答率53.6%).栄養士が普段用いている分類と,自身が正しいと考える分類との回答の一致率(%)が高かった食品は,大豆99.5%,きのこ類99.0%,緑豆もやし98.0%であり,一致率が低かった食品は,こんにゃく57.5%,わかめ67.7%,こんぶ69.1%であった.例えばこんにゃくでは,普段用いている分類と,正しいと考える分類の回答が赤群で一致した者(一致率(%))2人(1.0%),黄群で一致した者27人(14.0%),緑群で一致した者82人(42.5%)であり,栄養士間でも回答に違いがみられた.
    結論:赤黄緑の3色食品群は,栄養士が普段用いる分類と正しいと考える分類に相違がみられ,また栄養士によっても分類の認識が異なる食品があった.赤黄緑の3色食品群には分類の根拠となる,量的指標が求められる.
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実践報告
  • 金森 悟, 中村 研吾, 甲斐 裕子, 川又 華代, 楠本 真理, 福田 洋
    22 巻 (2014) 3 号 p. 225-234
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    目的:企業内の健康推進員,産業看護職,外部の運動の専門職が連携した体操教室を実施し,教室のプロセス評価(参加者の募集,健康推進員・産業看護職・外部の運動の専門職による連携体制,体操教室の内容や参加者の満足度),および参加者の体操頻度や肩こり・腰痛の前後比較を行った.
    方法:サンデン株式会社東京本社にて,産業看護職と外部の運動の専門職からの支援を受けた健康推進員が,肩こり・腰痛改善のための体操教室を4週間にわたり週1回,対照群を設定しない前後比較デザインで行った.参加した48名のうち,教室後の調査にも協力の得られた35名(男性28名,女性7名)を解析対象者とした.教室の前後で質問票調査を行い,項目は性別,年齢,生活習慣,体操の実施頻度,肩こり・腰痛の程度,体操教室の感想等とした.
    結果:参加者の出席回数は1回30名,2回3名,不明2名であった.教室時間の長さ,指導方法,全体的な満足度に対して良いと回答した者は90%以上であった.自由記述では,「体操教室の感想」「健康推進員の活動」などに肯定的な評価がみられた.体操頻度は改善がみられなかったが,肩こりと腰痛は教室前に症状がなかった者を除外した解析で有意な改善が認められた.
    結論:体操教室に対する参加者の感想や教室前後での肩こり・腰痛の変化は概ね良好であった.しかし,参加者の募集や参加の継続,参加者の体操頻度を高める働きかけに課題が残された.
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  • 高橋 希, 江崎 潤子, 武見 ゆかり, 金子 恵子, 中村 恒穂
    22 巻 (2014) 3 号 p. 235-246
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    目的:多職種による意見交換の場で,参加を促す手法としてカードを活用したこと(以下「カード法」)の利点,問題点を検討する.
    方法:2011年1月,保育所職員対象の研修会で,施設長,保育士,栄養士,調理員計41名に対し,「カード法」による意見交換を1グループ4~5名で実施した.2012年5月,郵送法による質問紙調査を実施し,意見交換への参加状況として自分の考えを伝えられたか,相手の考えを知ることができたかを尋ね,「カード法」の利用希望及び自由記述による意見を求めた.自分の考えを伝えられ,かつ相手の考えを知った者を参加状況「高群」それ以外を「低群」とし,今後の利用希望をFisherの正確検定により比較した.自由記述は,類似内容をカテゴリー化し2群間で比較した.
    結果:解析対象30名(有効回答率73.2%)は高群7名,低群23名であった.高群で今後の利用希望割合が高かった(p=0.025).自由記述では「カード法」の良い点に,両群で〈自分の考えを整理できる〉,〈相手の考えがわかる〉,高群で〈意見交換の内容をまとめやすい〉のカテゴリー,問題点には両群で〈時間が足りない〉,低群で〈カードに考えを表現できない〉のカテゴリーを得た.
    結論:「カード法」は自分の考えを整理すること,相手の考えを知ることに活用できる.一方,カードに考えを表現できない場合,参加を促さない要因となることが示唆された.
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コメンタリー
特別報告
  • 冨士原 紀絵
    22 巻 (2014) 3 号 p. 249-253
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    目的:本稿では,学校教育における教育評価の目的,評価の方法と評価に用いる情報の概要を報告する.さらに,現在,我が国で用いられている観点別学習状況の評価について,概説する.
    内容:学校教育における教育評価は,教師の指導改善のためである.代表的な教育評価は,絶対評価,相対評価,個人内評価,到達度評価,目標準拠評価,自己評価の考え方であり,現在,教育評価のスタンダードとして用いられているのは「目標準拠評価」である. 評価に用いる子どもの学習情報には,機能の種類,手法の種類,観点(規準)の種類があり,我が国では観点別学習状況の評価には,「関心・意欲・態度」「思考・判断・表現」「技能」「知識・理解」という4つの観点が設定されている.目標準拠評価には,規準(のりじゅん)とともに,基準(もとじゅん)が設定される.規準は達成すべき目標である一方,基準は,各々の規準をどの程度達成しているかを測定する指標である.しかし,本来,観点は教科によって異なるものであるが,この4つの観点は,教科に関係なく,一律である.
    結論:近年,ルーブリックという評価方法の導入が始まっている.ルーブリックとは,教科の特性を考慮した規準と,各々の規準に対する基準がされた評価方法である.しかしながら,学校教育の評価には,まだまだ改善や工夫の余地がある.今後さらに,教師の指導改善のための評価の手法の研究が求められる.
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  • 武見 ゆかり
    22 巻 (2014) 3 号 p. 254-259
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    背景:健康教育のねらいは「健康につながる自主的な行動」の実現であり,「健康の管理と向上」である.したがって,教育が最終的にこれらの改善につながったのか,あるいはこれらにつながるという科学的根拠のある要因に変化がみられたかを評価する必要がある.一方,ヘルスプロモーションの目的は,個人レベルでは生活の質の向上であり,環境レベルでは,健康の決定要因を含む社会環境などの改善が目的とされる.したがって,評価もこれらを含めた包括的な評価が必要である.ヘルスプロモーションはより広範囲で非常に多様な要素を含むことから,評価が難しい.
    内容:評価の種類や方法論は,いつ何を評価するかにのかによって異なる.評価の種類は,企画評価,経過(プロセス)評価,影響評価,結果評価に整理できる.ただし,食育の場合に,同じ評価の種類・流れで良いのか,別の枠組みを作るべきかなど,議論すべき点が多々ある.方法論は,疫学の介入研究の方法論に依るところが大きい.介入研究では,前後比較デザイン,準実験デザイン,対照群を設定した比較試験などの研究デザインが重要である.無作為化比較試験(RCT)がエビデンスレベルの高い研究デザインであるが,学校現場ではRCTは受け入れられにくい.
    結論:学校現場は研究の場ではなく,実践の場である.教育の場としてどのように評価するかという課題がある.両者の整合性をとって連携していくにはどうすべきなのか,さらなる議論が必要である.
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  • 福岡 景奈 , 赤松 利恵
    22 巻 (2014) 3 号 p. 260-263
    公開日: 2015/01/13
    ジャーナル フリー
    背景:平成25年度日本健康教育学会栄養教育研究会は,「学校における食育の評価~学校における学習評価と健康教育・ヘルスプロモーションの評価は何が同じで何が違うのか~」と題した公開学習会を開催した.学習会の前半では,学校教育と健康教育・ヘルスプロモーションという異なる立場の評価について学び,後半では参加者とのディスカッションを行った.本稿では,学習会後半に実施されたディスカッションの概要および参加者アンケートの概要を報告する.
    内容:ディスカッションは2部構成であった.まず,12のグループにわかれたディスカッションでは,様々な職種・領域の参加者による議論が行われた.ディスカッションのポイントは2つあり,1つは前半で聞いた異なる2つの立場の評価の共通点と相違点であり,もう1つは食育の評価のあり方であった.その後,総合討論で,各グループからの意見発表と演者を交えた意見交換が行われた.
    結論:本学習会では,学校における食育の評価のあり方を示すまで議論は至らなかった.しかしながら,本学習会により,学校教育と健康教育・ヘルスプロモーションの評価について,共通点と相違点が整理され,今後やるべき課題が見えてきた.今後の学校における食育の評価のあり方の提案に向けて,さらに,学習と議論を重ねていきたい.
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コメンタリー
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