目的:主食・主菜・副菜の組み合わせからなる学生食堂(以下,学食)の定食価格と量の調整,販売促進を行うことによる定食利用者数の変化を明らかにすること.
事業/活動内容:熊本県立大学学食で実施した.2019年10月から定食の主食(ご飯)を50 g減らし,通常の定食(400円)より50円割引した定食小盛(350円)をメニューに加えた.販売促進として,他のメニューと比べた定食の優位性等を発信した.調査期間は2019年10月から翌年1月までとした.評価は,調査期間中の1日あたりの学食利用者数,定食利用者数,学食利用者数に占める定食利用者数の割合(以下,定食利用者数の割合)を前年度同時期との比較により行った.
事業/活動評価:調査期間の学食営業日は74日であった(前年73日).1日あたりの学食利用者数の中央値(25, 75%タイル値)は120.0(113.0, 131.0)人であり,前年(101.5(92.8, 113.3)人)より多かった(P<0.001).定食利用者数の中央値は57.0(47.0, 66.0)人で,前年(36.5(32.0, 45.0)人)よりも多かった(P<0.001).定食利用者数の割合は46.8 (41.1, 53.6) %で,前年(37.3(31.7, 43.4) %)より高かった(P<0.001).
結論:定食価格と量の調整と販売促進により,定食利用者を増加させる可能性が示唆された.
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