大阪府下の印刷会社に勤務する60人を対象に生活習慣,健康に関する意識および疲労感について調査を行った。その結果,疲労度と生活習慣に関連はみられなかったが,疲労度の低いや好ましい生活習慣が多い人は,健康自覚意識を有する人,すなわち自ら健康だと思っている人が有意に多かった。年齢,性別にみると,また,好ましい生活習慣数の多い人は,40歳以上,女性に多かった。喫煙者は男性に多く,飲酒回数は40歳以上に多かった。食事に関しては,塩分摂取量が多い人,間食の摂取習慣がある人は40歳未満に多かった。以上から,健康づくりには,個人の生活習慣を十分にふまえ,健康の維持,増進につながる知識の提供や意識向上のための支援が不可欠で,さらに社会の構成単位の一つである職場組織に共通の健康問題,課題に対する取り組み,健康維持,増進の実現に向けた体制の整備が重要であると考える。
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