一般人(男性5名,女性27名,平均年齢39.6±2.2歳)を対象に,一過性のレクリエーション活動が感情プロフィール(POMS)に及ぼす影響について検討した。レクリエーション実施前(レク実施前)のPOMS得点では,「活気」得点が一番高い値(9.9±0.7点)を示し,他の5つの因子は2.3〜6.3の得点を示した。レク実施前と比較して,レクリエーション活動後(レク実施後)の「活気」得点は有意に高値を示した。レク実施後の他の5つの因子は,レク実施前より有意に低値(0.7〜3.9)を示した。レク実施後のtotal mood disturbance(TMD)値は,レク実施前より有意に低い値を示した。レク実施後のレクリエーション効果得点(レク効果得点)では,「楽しさ」,「気分」,「充実・満足」,「達成感」,「精神的な疲れ」,「睡眠」および「食事」に高い得点が得られた。レク実施後の「活気」得点の高さは,「気分」,「精神的疲労の回復」,「睡眠の深さ」および「食事」の各得点とそれぞれ有意な関連を示した。レク実施後のTMD値の低さは,「充実・満足」,「達成感」,「精神的疲労の回復」,「睡眠の深さ」および「食事」の得点の高さと有意な関連を示した。これらの結果から,今回の一過性のレクリエーション活動は,陰性感情を低下させ陽性感情を高揚させ,さらにレク効果得点を高める効果があることが明らかになった。
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