ケトーシスを伴って緊急入院したNIDDM3例を経験した。これら3例は就労後の肥満、運動不足なとが糖尿病発症の原因と考えられたが、いづれも職場の定期健康診断では糖尿病は一度も指摘されたことがなかった。同時期に入院したケトーシスを伴わないNIDDM18例を対照にして、自覚症状、体重、糖尿病のコントロール状態、合併症などについて比較検討した。ケトーシスを伴った群では過去最大のBMI、ならびに入院直前の自覚症状(口渇、多尿)の出現、著明な体重減少の出現、入院期間などが有意に大であった。定期健康診断で糖尿病が指摘されなくても、過去最大BMIが30以上で、著明な口渇、多尿が出現すれば、ケトーシスを伴う糖尿病の発症の前兆である可能性がありにの,点を踏まえた職場の健康教育が重要であることが示唆された。
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