直径に比して厚さの小さい円盤の厚さzと半径γとの関係をz=Ar^h(1-λr^μ)^kで表し、回轉中の主應力と変化の算式を一般に求め、次に指数h, k, μに或る数を與へるとこれ等の算式が特に簡單になることを示し、且最も簡易化された應力式、変位式及びその形状式の数組を列擧した。

抄録全体を表示

先づLaplace式を必ずしも等間隔でない隣接5点間の関係式に依り近似的に表し、次に與へられた任意図形上に縦横の網目線を畫き、網目線の各交点に於て上記関係式を作り、これ等関係式を聯立方程式として解くならば、該図形における平面調和函数の近似解が得られることを論じ、更にその聯立方程式の実際的解法に就て一種の反覆置換法を提案し、且これが施行方に就て詳述し、尚本論文の理論並に方法は平面図形における(∂²u/∂x²+∂²u/∂y²)=定数及び立体図形における(∂²u/∂x²+∂²u/∂y²+∂²u/∂z²)=定数の解法に対し、殆どその儘適用され得ることを述べてゐる。

抄録全体を表示

勢力式を用ひて平板の横振動週期の近似値を求めるには、最初ノーマル函数を假定しなければならない。本文はこの様にして週期を求めた振動は如何なる性質のものかを調べ、同時にこの方法が與へる拘束を明かにした。上記の考への例題として、周辺支持及び周辺固定の矩形板並に周辺固定の円形板の振動に就て計算を行つた。

抄録全体を表示

任意の大きさの同心の円形孔を有する薄い円盤が放射方向の推力を受けて不安定となるときの推力を求めたものである。円盤は外縁に於ては固定或は支持され内縁に於ては全く自由なものとして推力は外縁にのみ作用し内縁に於ては作用せずとす且円盤は中心に対して対称なる変形をなすものとした。尚中心に対し対称ならざる様な変形をなす場合として、内縁に於ても同大の推力が作用した場合につき不安定荷重を求めた。

抄録全体を表示

燃燒後過不足なく水を生ずる様な割合の酸水素と酸素を内燃機関に供給してこれを動かした場合及び上の酸水素に種々の割合に水蒸気を混じたものを用ひた場合の、シリンダ内ガスの温度、理論的熱効率、單位行程容積當りの出力等の算式を導き、計算例に依てこれ等の値を算出し、これ等の値をガソリンと空気及び水素と空気とを用ひた場合のものと比較考察し、尚内燃機関の排気即ち水蒸気に依て蒸気タービンを動かすものとし、排気の熱を利用するには如何にすべきかに就て考察し、且内燃機関とタービンの組合せの熱効率の式を導き、計算例に依て熱効率が種々の條件に依り如何に変るかを明かにしたものである。

抄録全体を表示

本文は二サイクル機関の掃気作用におけるそらせ板の効果を実驗的に吟味したもので、そらせ板の形状と掃気性能の関係を求めると共に模形試驗そのものゝ有効度を調査したものである。

抄録全体を表示

これは既報第1報及び第2報に續くものであつて更に一歩進めてシリンダ内動作ガス温度の週期的変動は勿論表面熱傳達係数の週期的変動をも考慮に入れてピストン及びシリンダ蓋における温度分布の変動を算定し、又ピストンの往復運動に伴ふてシリンダ入れ子内側表面に接触する流体が動作ガスそれ自身であつたり、ピストンスカートとシリンダ入れ子内側表面との間に介在する潤滑油であつたり、又場所に依てはクランクケース内の空気であつたりするために、シリンダ入れ子全体としてはその内側表面に接触する流体温度及び熱傳達係数が何れも週期的変動をなし、而もその変動の有様が場所により漸次変化する事実を考慮に入れてシリンダ壁における温度分布の変動を算定する式を誘導した。尚これ等の式を應用して重油機関の実際に就て計算を試みその結果を図示した。

抄録全体を表示

動圧力と静圧力との関係、プランジャ速度に依て燃料管に送り込まれる圧力の大きさの定め方及び燃料管を一様な直径のものに換算する燃料管の相當長の3項に就て解く。

抄録全体を表示

等速カムを用ひた燃料ポンプに開放弁を備へて、カム軸の回轉速度、締切点、ノズル孔の大きさ、燃料管の寸法及び噴射室の圧力を変へて実驗を行つた結果の報告である。

抄録全体を表示

従耒の圧力計算法では実際の圧力と大分違つた結果となる。茲に燃料管内のエネルギ損失を入れて計算すると、かなり実際に近い値を得る。又低速度噴射に対する静的圧縮の近似的計算法を解く。

抄録全体を表示

開放弁の噴射圧力を求めるのに到耒波から反射波を求めて順次到耒波を求めて行く方法を行つたが、これと同様の方法を自動弁にも行ふには、到耒波からその時の圧力による弁の速度を引いたものを到耒波とし、又反射波を決定する抛物線はその圧力による揚程に対するものを用ふべきである。この方針で第3報の開放弁の方法を押し廣めて自動弁噴射圧力の図式計算法を求めた。

抄録全体を表示

粘性流体として水ガラスを用ひその粘性係数は3, 000∿50, 000pでガラスの溶融状態のそれと同程度であつた。オリフィスの直径は3.38∿6.40mm.その孔の直線部分は0.38∿11.9mmであつた。実験したレーノルド数の範囲は10^-3∿10^-7で、流量は粘性係数に逆比例し、オリフィス断面積の自乗に比例し、端末影響を考慮したオリフィスの長さに逆比例する。オリフィスの長さをl直径をdとすると恰もオリフィスの長さがl+0.8dの様な流れの抵抗を與へた。又清水流出の際に見られる短管の現象は遂に認められなかつた。

抄録全体を表示

二元サイクル冷凍装置の重要部分である蒸発凝結器内で遂げられる2冷媒の熱交換に就て論じ、蒸発凝結器の設計に當り、交換面積の算定に必要な熱貫流率の決定を左右する平均熱傳達率の計算式を求め、更にこれを簡易化し、実際的に正確で使用に簡便な形の新計算式を提供する。尚進んで熱貫流率の決定法を説くと同時に、これ等に関する諸線図を與へ、併せて熱交換面を構成する管の配置による貫流率の相違、油層の影響等に就て述べる。

抄録全体を表示

昭和10年から翌年へかけて私は大阪府工業奬勵館から委嘱をうけた一委員として當時我が国市場における自轉車用ころ入鎖の品質を調査した。又調査の都合上新らしい試驗機を考案する必要が起りこれを設計製作した。こゝに記すのは當時の市場自轉車鎖の機械的諸性質に関する調査報告と上記試驗機に関する詳細とである。

抄録全体を表示

筆者は数年前削り抵抗力並に刄先の振動を正確に測定する方法を考案し、旋盤バイトのびびりに就て実驗を行つたが、その當時は被削材の振動を測定することが出耒なかつたゝめ充分な結果を得ることが出耒なかつた。今度回轉してゐる被削材の撓振動を削り抵抗力と同時に慣性の影響なく正確に測定する方法を考察し、旋盤主軸の撓に起因するびびりに就て実驗を行ひ、びびりは削り抵抗力の変化の週期が旋盤一部の自己振動の週期と一致して共鳴を起し、被削材及び刄先の振幅が著しく増大するものであることを実驗的に明かにした。

抄録全体を表示

振動防止の方法として題目記載の様な材料を防振材料として用ひ振動の大きさを測る方法として鉄片及びコイルの相互関係による電圧変化を利用しこれを眞空管で擴大して讀取つた。その結果は次の通りである。(1) 砂は防振材料として一般に用ひられてゐるが余り良い材料ではない。大きい振幅の振動を吸収するが小さい振幅の振動を吸収することが少い。(2) ゴム、高粱板は良い防振材料である。(3) 防振材料に減衰作用があればある程、又防振材料上の單位面積あたりの荷重が大きくなればなる程、與へられた振動に共鳴する厚さが然らざる場合の厚さに比し小さくなる。故に共鳴する厚さは防振材料を完全彈性体とし又均一荷重のものとして取扱つて求め、これを設計資料とすれば安全である。

抄録全体を表示