日本航空宇宙学会誌
Online ISSN : 2424-1369
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68 巻, 7 号
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解説
  • 槙原 幹十朗
    2020 年 68 巻 7 号 p. 205-209
    発行日: 2020/07/05
    公開日: 2020/07/05
    ジャーナル 認証あり

    本解説では,セルフパワード制振システムの研究開発を紹介する.この制振システムは,外部からのエネルギ供給を必要としないセルフパワード(自家発電)方式により駆動するシステムである.自家発電によって駆動するプロセッサにより準能動的制振を可能とする高度なシステムであるので,複雑な制御ロジックの実装と実行が容易である.宇宙構造物の複雑な複数モード振動を抑制するような,多入力多出力系の制振へも適用できる.また,外部制御オーソリティを必要としない自律系制御デバイスなので,ユビキタスシステムとしても活用できる.本解説では,まず宇宙構造物に必要とされる制振手法を俯瞰する.次に,セルフパワード制振の研究概要を述べ,システムを構成する機械部と電気・電子部と制御部を紹介する.多自由度振動構造物を用いたセルフパワード制振の実験結果を示し,最後に過渡振動においてもセルフパワード制振システムが正しく機能することを明らかにする.

特集 HTV搭載小型回収カプセルの挑戦 第2回
  • 渡邉 泰秀, 今田 高峰, 中村 涼, 升岡 正, 宮崎 和宏, 田邊 宏太
    2020 年 68 巻 7 号 p. 210-216
    発行日: 2020/07/05
    公開日: 2020/07/05
    ジャーナル 認証あり

    HTV搭載小型回収カプセルは,小型でありながらもこれまでの我が国の再突入機にはなかった新しい技術を有しており,アポロ11号から50年を経てようやく日本も有人帰還カプセル技術への一歩を踏み出すことができた再突入機である.この開発においては,JAXAがシステムの設計,システムの組立と環境試験を実施するJAXAインテグレーション方式という開発体制をとり,我が国初となる揚力誘導制御技術と軽量アブレータ技術の飛行実証,及び国際宇宙ステーションからの物資回収に挑んだ.本稿では,世界最小の揚力誘導回収カプセル開発におけるシステム設計とインテグレーションについて説明する.

特集 超小型衛星打上げ機:SS-520 5号機の開発 第6回
  • 志田 真樹, 中村 洋史, 荒川 聡, 加藤 洋一, 実生 浩久, 真弓 敦, 古賀 笑平, 田村 昌之, 木元 健一
    2020 年 68 巻 7 号 p. 217-222
    発行日: 2020/07/05
    公開日: 2020/07/05
    ジャーナル 認証あり

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は,超小型衛星打上げ機開発プロジェクトとして,観測ロケットSS-520を改修した超小型衛星打上げ用ロケットの試験機をIHIエアロスペース(IA),キャノン電子(CE)と開発を行い,2018年2月3日に試験機SS-5205号機をJAXA内之浦宇宙空間観測所(USC)から打上げ,搭載衛星を無事,地球周回軌道への投入に成功した.本ロケットは,1段目で高度を確保し分離した後,ラムライン制御というスピンしながらピッチ軸方向に機体を大きく傾けて,衛星軌道投入方向に姿勢変更を行ってから,2段目を着火して軌道投入を図る.本稿では,1段目と2段目の間に搭載されたラムライン制御用のガスジェット(GJ)について,その開発経緯から,打上げ結果までについて報告する.

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