航空機内からインターネット接続するサービスの普及が進み,また航空機需要も増加しており,航空機衛星通信の高速化が期待されている.情報通信研究機構(NICT)では超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)のKa帯衛星回線を使用して3.2Gbps伝送実験等高速衛星通信実験を実施してきた.また,小型車載地球局や船舶搭載地球局を開発し,陸上及び洋上移動通信実験も実施し成果を上げてきた.さらに航空機に搭載可能な地球局も開発し,航空機衛星通信実験を実施した.航空機搭載地球局及び実施してきた伝搬データ測定や大容量ファイル伝送実験について報告する.
最新の民間航空機において空港進入時の主たる騒音源になっている機体騒音に対し,FQUROHプロジェクトでは低騒音化の設計技術確立を目標に研究開発を進めた.その中で実施したJAXA実験用航空機「飛翔」を用いた能登空港での飛行実証試験について,2012年以降の準備段階から2017年の飛行実証試験まで,実証方法を構築していく過程と,実証試験によって得られた主な成果について紹介する.飛翔を改造するための実施体制と手順の構築や,能登空港での騒音源計測方法の確立など,段階的に技術実証に必要な試験方法を確立していった結果,本格的な低騒音化設計に基づく2017年の飛行実証試験において,大幅な低騒音化を実証するとともに,定量的な分析に供することができる高精度なデータの取得に成功した.