日本航空宇宙学会誌
Online ISSN : 2424-1369
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ISSN-L : 0021-4663
70 巻, 11 号
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連載 温「個」知新
特集 デトネーション燃焼の航空宇宙推進への適用 第1回
  • 松岡 健, 後藤 啓介, ブヤコフ バレンティン, 松山 行一, 川﨑 央, 伊東山 登, 渡部 広吾輝, 石原 一輝, 野田 朋之, 笠原 ...
    2022 年 70 巻 11 号 p. 224-233
    発行日: 2022/11/05
    公開日: 2022/11/05
    ジャーナル 認証あり

    2021年7月27日早朝5:30,JAXA内之浦宇宙空間観測所からデトネーションエンジンシステムを搭載した観測ロケットS-520-31号機が打ち上げられた.高度約200kmにてメタン–酸素推進剤による回転デトネーションエンジン(RDE)の6秒間作動およびパルスデトネーションエンジン(PDE)の2Hz作動を実施した.取得されたフライトデータから,RDE作動で時間平均推力518N,比推力290±18sおよび速度増速量8.0m/sを達成した.PDE作動では1サイクル当たりの圧力時間積分値が5%以内の高精度での繰り返しインパルス生成およびロケット機軸周りのスピンレート減少が確認された.本結果は,地上燃焼試験データとよく一致し,宇宙空間でのデトネーションエンジン作動が実証された.デトネーション波の判定に用いた圧力・加速度センサの高速サンプリングデータおよびRDEプルーム撮影用のデジタルカメラ画像は,JAXA/ISASで開発された再突入データ回収システムRATSにて回収することに成功した.

特集 JSASS宇宙ビジョン2050 2021年度増補版 第5回
  • 山崎 直子
    2022 年 70 巻 11 号 p. 234-238
    発行日: 2022/11/05
    公開日: 2022/11/05
    ジャーナル 認証あり

    有人宇宙活動は,今大きな転換期を迎えようとしている.一つ目の観点は,民間活動の活発化,及び参入国の増加によるプレイヤーの多様化.二つ目の観点は,月や将来的に火星を目指すアルテミス計画により,人類の活動領域が拡がろうとしていること.そして,三つ目の観点は,地上の地政学の影響を受け,国際宇宙ステーション(ISS)における五極体制にも変化が生じつつあることである.これらを踏まえ,日本の有人宇宙活動への期待を述べていきたい.これまで培ってきた宇宙先進国としての地位を維持発展させていくためにも,有人宇宙活動に対してもビジョンとロードマップを持ち,自立性を持ちつつ,国際協力でその利用の幅を広げていけることに期待したい.そうした活動が,地球上の課題解決にも貢献していくことを願う.

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