航空機開発の最終段階で行われる飛行試験においては,飛行中の機体状態の記録および監視,試験条件の設定等を行うために計装システムと呼ばれる計測・試験装置が用いられる.計装システムについては明確な規定要求が存在しない一方で,適切な管理や安全への配慮のもと,民間機の型式証明取得に必要な多種多様な試験データを確実に取得できる必要がある.三菱航空機(株)では,近年の国内では類を見ない大規模な計装システムが必要となったSpaceJetの開発において,型式証明飛行試験の要求を満たし安全に運用可能な計装システムを構築し,飛行試験に供してきた.本稿では,今後の航空技術発展の一助となることを願い,その実績を紹介する.
JSASS宇宙ビジョン2050(令和3年度増補版)に示された「月縦孔・地下空洞に永住可能な有人月面基地を展開する構想」を実現するには,初期探査により基礎データを集め,宇宙ロボットを先鋭化して資源利用実験や月面地下基地のスケール実験を行って,最終的な基地建設・運用へと向かうことが想定される.各段階においてリスクとコストの低減のために宇宙ロボットを使用してゆくことになる.本稿では,期待される「次世代ロボットの技術課題とその開発戦略」を述べ,続いて「ロボット技術のロードマップ」と「具体的な技術開発構想の一案」を示した.