日本航空宇宙学会誌
Online ISSN : 2424-1369
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71 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
連載 TOP POINT ~学会賞受賞者の声~
特集 はやぶさ2の10年の軌跡-開発から拡張ミッションまで 第5回
  • 三桝 裕也
    2023 年 71 巻 2 号 p. 33-38
    発行日: 2023/02/05
    公開日: 2023/02/05
    ジャーナル 認証あり

    2020年12月6日,「はやぶさ2」は,小惑星リュウグウで採取したサンプルを地球に持ち帰り,新たな深宇宙の旅へと飛び立った.次の目的地は,1998 KY26という直径30m程度の非常に小さな天体である.地球帰還までに予定していたミッションすべてが順調に進み,余分に搭載していた燃料で到達可能となった.但し,到着は2031年と非常に長期の巡航となる.その間,省燃料の探査機運用技術の獲得や,巡航中の黄道光観測,系外惑星観測などの理学観測運用を行う.さらに2026年には別の小惑星2001 CC21へのフライバイを計画しており,近接画像を取得するための挑戦的な観測ミッションを行う.その後,2027年,2028年に2度の地球スイングバイを予定しており,サイエンス機器による地球・月の撮像や,地球からのはやぶさ2の観測も期待される.本稿では,はやぶさ2の拡張ミッションの全体計画について述べる.

特集 デトネーション燃焼の航空宇宙推進への適用 第4回
連載 地球/月圏での人間社会の構築に向けた人文・社会科学研究 第4回
  • 立花 正一
    2023 年 71 巻 2 号 p. 43-48
    発行日: 2023/02/05
    公開日: 2023/02/05
    ジャーナル 認証あり

    我が国の参加する国際有人宇宙活動は,国際宇宙ステーション(ISS)計画を経て,いよいよ月の有人探査(アルテミス計画)に移行しつつある.ISS計画により宇宙医学・心理学の多くの知見が蓄積され,少なくとも地球の軌道上では宇宙飛行士は健康を損ねることなく,半年程度の長期活動が行えることが実証された.しかし月の有人探査となると,飛行士の健康管理のハードルはかなり高くなり,特に放射線被ばく,健康管理の自立性,精神心理的ストレスへの対策などが課題となるであろう.本稿では特に心理的課題について論じるが,地球からの支援が容易でない月探査活動でのストレスや対策を考える時,最も参考とすべきは南極越冬隊の長年の経験であると考え,心理研究の文献をレビューした.南極特有の現象として,越冬症候群,第3四半期現象,ステージ理論などが報告されているが,月派遣隊への心理的対策にも応用できる知見が多く,隊員の選抜,教育・訓練,支援対策の企画・実施のために有力な参考となるであろう.

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