日本航空宇宙学会誌
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71 巻, 4 号
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解説
  • 小泉 拓郎
    2023 年 71 巻 4 号 p. 91-98
    発行日: 2023/04/05
    公開日: 2023/04/05
    ジャーナル 認証あり

    民間航空機の運航会社は,機体の耐空性を維持するために必要な整備を規定する自社の整備プログラムを有する必要がある.安全性に加え,良好な運航性と経済性も両立できることが,民間航空運送事業を成立させるために求められる.一方,各運航会社は航空機メーカーが規定する整備プログラムに基づき,矛盾の無い自社の整備規程の承認を航空局から取得しなければならない.そのため,航空機メーカーは,世界中の顧客となる運航会社の運航環境を十分に考慮することが強く求められる.世界の民間航空業界では官民の半世紀にわたる標準化の取り組みにより,整備プログラム開発手法をMSG-3(Maintenance Steering Group-3)としてまとめ,顧客中心の意思決定の枠組みも各国で調整が進められてきた.本稿では,三菱航空機(株)が国内で初めて民間航空機の整備プログラム策定に用いたMSG-3の手法と枠組みについて,航空機メーカーの観点から解説する.さらに,新たに導入が合意されたAircraft Health Monitoringを用いた新しい整備方式等,最近の動向についても紹介する.

特集 デトネーション燃焼の航空宇宙推進への適用 第5回
  • 石井 一洋
    2023 年 71 巻 4 号 p. 99-103
    発行日: 2023/04/05
    公開日: 2023/04/05
    ジャーナル 認証あり

    本稿では,ディスク型回転デトネーションエンジンの作動特性を実験的に調べた結果について報告する.実験では,燃焼室断面積が流路方向に一定の構造となる燃焼器を用いて,水素–空気混合気の当量比と質量流量を変化させたときの,回転デトネーション波の伝播モード,燃焼室静圧,推力を求めた.可視化計測の結果,回転デトネーション波は,伝播モードによらず燃焼室外壁近傍を伝播することがわかった.また,水素–空気混合気の当量比に応じて,回転デトネーション波の波頭数が1つの場合と,2つの場合が観測されたが,CTAP法で計測した燃焼室静圧は,当量比によらず波頭数1の方が波頭数2よりも高くなった.燃焼室内の1次元流れモデルを用いて評価した圧力ゲインは負の値となったが,圧力ゲイン燃焼という観点からは,波頭数1の伝播モードの方が,波頭数2よりも優れることがわかった.

連載 地球/月圏での人間社会の構築に向けた人文・社会科学研究 第5回
  • 森脇 裕之
    2023 年 71 巻 4 号 p. 104-110
    発行日: 2023/04/05
    公開日: 2023/04/05
    ジャーナル 認証あり

    ハッブル宇宙望遠鏡によって,これまでとらえられなかった遥か彼方の星雲のイメージが続々と地上に送信されてきたとき,遠い宇宙の美しい姿が大きな感動を呼んだ.それはまさに芸術だ,と喉から声が出かけているはずなのに,その一言が天文学者や宇宙技術開発者からは直接的に聞こえてこないように思われる.科学が普遍性のある量的な認識世界に属さないものを,極力排除したうえで成立してきた背景によるものだろう.宗教・芸術に属する神秘的で抒情的なものは,科学の世界観に反するものとなり,科学と距離を取るようにされてきた.ハッブル写真のような心の琴線にふれる感動が呼び起こされたとき,科学と芸術の間を分け隔てる枠組みは,どれほど有効であり続けられるのだろうか.宇宙人文社会科学では,宇宙での人間の営みを考察するときに,そのわだかまりを明確化してゆく必要があるように思う.本稿では,宇宙に対する感動が,芸術文化表現のなかでどのようにとらえられてきたかを検証してゆく.そのなかで宇宙というテーマがいかに芸術的感動を生むのか,科学と芸術の融合分野は可能なのか.また科学と芸術の根底にある基本原理が宇宙と関わりあってどのように有効なのかを検証する.

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