日本航空宇宙学会誌
Online ISSN : 2424-1369
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72 巻, 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
連載 航空宇宙関連学校の紹介 第8回
連載 温「個」知新
特集 月探査活動のための測位・通信の総合システム構築に向けた日本の取り組みと国際連携 第3回
  • 渋川 季裕, 柿原 浩太
    2024 年 72 巻 11 号 p. 389-395
    発行日: 2024/11/05
    公開日: 2024/11/05
    ジャーナル 認証あり

    近年,Artemis計画に代表される月近傍や月表面,そして火星圏における持続的な人類の活動に関する検討や計画が国際的に活発になっている.現在このような活動を行うにあたって,通信及び位置情報取得のためには地球上の大型のアンテナを持つ地上局を利用する必要があるが,世界的にもこのような地上局の数は少ない.よって持続的な活動のためには,月通信及び月測位のインフラストラクチャーの整備が必要となる.現在JAXAを中心に検討されている月測位衛星システム(LNSS: Lunar Navigation Satellite System)では,GNSSの漏れ電波を用いて測位衛星の軌道時刻決定を行う構成になっている.この月圏でのGNSSによる軌道時刻決定をはじめとして,LNSSの実現には実環境上でなければ評価できない誤差要因や,未実証の技術が複数存在するため,実用システムの構築の前に実証ミッションによる検証が必要である.本稿では超小型衛星を用いて,この月測位実証ミッションを実現するための検討結果を紹介する.

特集 技術試験衛星9号機(ETS-9)の開発 第2回
  • 久本 泰慶, 深津 敦, 萩原 達将
    2024 年 72 巻 11 号 p. 396-402
    発行日: 2024/11/05
    公開日: 2024/11/05
    ジャーナル 認証あり

    電気推進系は,ミッション機器の搭載量を増加させる観点から,次世代静止通信衛星に求められる衛星バス技術の中でも主要な開発項目と位置付けられている.電気推進系の新規開発技術を大別すると,①軌道上実績を有する電気推進機を採用したサブシステム開発,②高推力(大電力)な国産ホールスラスタ及び国産電気推進用電源開発の2項目である.前者のサブシステム開発は,ホールスラスタを如何に使い熟すかが重要になる.ホールスラスタの噴射時は姿勢軌道制御系と協調的に機能することが求められるため,電気推進系を理解する上で欠かせない軌道制御を概説し,またホールスラスタを搭載した衛星システムとして機能性能を発揮するために重要な試験検証についても解説する.後者の国産ホールスラスタシステムは,実証機器として位置付けており,ETS-9での開発実証成果を踏まえて次世代静止通信衛星に搭載を目指す計画である.本稿においてはサブシステムを構成する一部として紹介し,詳細に関しては他の特集記事にて細述する.

特集 宇宙エレベーターの最新研究動向 第7回
  • 井上 文宏, 寺田 百恵, 石川 洋二
    2024 年 72 巻 11 号 p. 403-410
    発行日: 2024/11/05
    公開日: 2024/11/05
    ジャーナル 認証あり

    近未来の宇宙エレベーターの運用では,駆動性能や安全性,耐久性能に優れたクライマー駆動機構や制御系の開発が重要である.クライマーの駆動機構にはローラの幾何学的配置やテザーとの接触方法の違いにより,ピンチ式とキャプスタン式があり,実験用クライマーによるデータ解析から,ピンチ式は機構が簡易であるが大きなローラ押込み力が必要であり,キャプスタン式は機構がやや複雑であるが,ローラ押込み力は小さいことが確認できた.両方式を組み合わせたハイブリッド機構を提案することでより効率的な機構が期待できる.クライマー開発では設計・製作した機構の検証が必要であり,国内外で実施されているクライマー実験・チャレンジの開催経緯や参加状況を示し,参加の有効性を確認した.

連載 宇宙とSDGs 第5回
  • 長谷川 翔紀
    2024 年 72 巻 11 号 p. 411-414
    発行日: 2024/11/05
    公開日: 2024/11/05
    ジャーナル 認証あり

    近年,政府主導の宇宙開発から民間主導のビジネスへと宇宙産業が移り変わる過渡期にあると言える.こうした産業の過渡期には,外部からの資本参入が欠かせない.他方,宇宙産業は他産業と比較しても巨額な初期投資と開発期間を要する産業と言える.このような宇宙産業が過渡期から発展を遂げるためには,投資側面から宇宙産業を俯瞰し,適当な資本注入を行っていくことが不可欠である.本稿では,米国を中心に盛り上がったニュースペースにおける足元の市場動向などを参照しながら,本邦における市場動向を考察した.加えて,近年の外的なESG/SDGs側面の影響と照らしながら,宇宙産業がどのように資本市場と対話を継続していく必要があるかを考察した.

連載 ソフト・リジッド
その他
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