日本航空宇宙学会誌
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連載 航空宇宙関連学校の紹介 第6回
解説
  • 大林 茂, 堀之内 茂, 柳 良二, 鵜飼 崇志
    2024 年 72 巻 9 号 p. 319-326
    発行日: 2024/09/05
    公開日: 2024/09/05
    ジャーナル 認証あり

    現在,海外の超音速ビジネスジェット機の開発計画は主に超富裕層や大企業をターゲットとする豪華な大型機であり,環境影響や経済性の課題に明確な解決策が提示されていないように思われる.世界の潮流は温暖化防止が主題であり,超音速機もこれに沿った社会に受け入れやすい方向性を備えることが重要である.特に,航空機が超音速で飛行した場合に生ずるソニックブームの騒音問題は解決すべき大きな技術課題である.本稿では,この状況を踏まえて,ソニックブーム低減技術を生かして陸上を超音速巡航ができることを念頭に,かつ環境適合性・経済性の課題に対処でき,我が国で開発するに相応しい実用的な小型の超音速機の概念計画について検討した結果を紹介する.

特集 航空宇宙技術遺産第二号 第1回
連載 宇宙とSDGs 第3回
  • 植本 有海, 秋山 祐貴, 中村 信一
    2024 年 72 巻 9 号 p. 330-335
    発行日: 2024/09/05
    公開日: 2024/09/05
    ジャーナル 認証あり

    天気予報,カーナビ,災害把握,作物栽培状況監視,衛星放送,通信等,私たちの日常は人工衛星によって支えられ,宇宙開発・利用は生活に密接に結びついておりSDGsの目標達成に人工衛星の活躍は欠かせない.一方で,地上と同様に宇宙もゴミ問題に直面している.宇宙活動の拡大に伴い宇宙ゴミは増加の一途を辿り一刻の猶予もない状況にある.事実,人工衛星運用現場において宇宙ゴミ衝突回避は最優先業務である.人工衛星運用機関は,米国からの接近通知により宇宙ゴミとの衝突リスクを把握する.しかし,自力で宇宙ゴミとの衝突回避策を考える必要がある.ここが難しい.JAXAは宇宙ゴミ回避運用で得た技術と経験をツール化し世界に無償で提供した.それがRABBITである.RABBITにより,すべての衛星運用機関が宇宙ゴミとの衝突回避を適切に実施し,衛星を守りサービスを継続,宇宙ゴミの増加を防ぎ宇宙環境を保全できる.JAXAはRABBITを通して宇宙利用のSDGsに貢献したいと考えている.

連載 地球/月圏での人間社会の構築に向けた人文・社会科学研究 第8回
  • 立花 幸司
    2024 年 72 巻 9 号 p. 336-343
    発行日: 2024/09/05
    公開日: 2024/09/05
    ジャーナル 認証あり

    「宇宙倫理学(space ethics)」とは,宇宙開発がいっそう人類のためになるよう,宇宙開発に伴い生じる可能性のある倫理的・社会的な影響を事前に予測し,それへの対処を行う「宇宙開発の倫理(ethics of space exploration)」と,宇宙進出に伴い生じる可能性のある人間観・価値観・世界観の変化を検討することで「人間とは何か」を考察する「宇宙開発を通じた倫理(ethics through space exploration)」の二つからなる,応用倫理学のなかでも比較的新興の領域の一つである.しかし,宇宙倫理学研究としてみると,海外の研究活動の動向と日本での進展の間には強調点の違いがある.本稿では,海外の動向として米国と欧州からそれぞれ一つ事例を取り上げ,それを検討することを通じて,日本の宇宙開発がより「倫理的に望ましい」ものとなるためには倫理的な議論をする場が必要だと指摘する.

連載 空と宇宙に学ぶ/学生の挑戦
連載 ソフト・リジッド
その他
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