スカパーJSAT 株式会社(SJC)は,技術試験衛星9号機(ETS-9)用の宇宙ベースの光学望遠鏡ミッションシステムとその地上処理システムを調達している.これは静止軌道光学モニタ(GSOM)システムと呼ばれている.本稿ではGSOMシステムとその運用の概要について説明する.
JAXAのCRD2フェーズIプログラムでは,(株)アストロスケールが開発・運用したADRAS-J衛星を使用して,軌道上に15年以上存在するH-ⅡAロケット上段機体に接近しその画像撮像に成功した.取得された画像から,ロケット上段機体の基本的な形状は軌道上に15年滞在した後も設計データから大きな変化がなかったこと,推薬タンク周囲のPIF断熱材の着色は地上での紫外線照射試験で想定されていた通り濃褐色であったこと,ロケット上段機体の姿勢運動は重力傾斜安定姿勢でほぼ静止していたこと,アルベド光を用いた撮像が詳細な画像確認において太陽光直射よりも有利であったこと,などの有益な情報が得られた.フェーズIで取得した画像データは,将来の大型デブリ除去システム,特にCRD2フェーズⅡの衛星(デブリを捕獲・軌道降下させる)の設計・開発に必要な対象デブリの軌道,機械特性,姿勢運動,表面光学特性などの事前情報として非常に有用であった.
FJR710エンジンは1971年に通商産業省工業技術院の大型プロジェクト「航空機用ジェットエンジンの研究開発」の下で開発された,わが国初の高バイパス比ターボファンエンジンである.イギリス国立ガスタービン研究所擬似高度エンジン試験設備を使用した高空性能試験において,極めて性能が良いことが確認され,かつ,試験中のエンジン不具合が皆無であった.このことにより,国際的にも高性能であることが示され,この成果が,以後の日英でのRJ500の共同開発,日英米独伊の国際共同によるV2500の開発などのエンジン開発に引き継がれている.また,FJR710の発展形であるFJR710/600Sは航空宇宙技術研究所(現:JAXA)のSTOL実験機「飛鳥」に搭載され,100回近くの飛行試験に供された.以上により,日本の民間ジェットエンジン技術および事業に大きく寄与したものであるとして,航空宇宙技術遺産に認定する.