【目 的】 文献研究により, 出産体験の自己評価に関する研究の現状と課題を明らかにし, 出産体験の自己評価に関する研究に有効な変数を得ることを目的とする.
【研究方法】 1960年~2001年までの論文を対象に, "childbirth experience", "self evaluation", "scale" をキーワードにして, CINAHL, MedLine, 医学中央雑誌を中心に検索した.
【結 果】 131論文が検出され, 出産体験の自己評価について記述がなされ, 学術論文の形式が整っている47論文を選んで概観した. 出産体験の臨床的意義が明らかにされ, 出産体験の自己評価のアセスメントに有効な産科的, 心理・社会的変数が抽出された.
【結 論】 今後の研究の課題と方向性について, 以下, 3つの視点を明らかにした. (1)分娩経過の正常・異常による出産体験のとらえ方の相違を比較できる大きいサンプルによる調査の必要性, (2)出産体験の自己評価と産後の心理的健康 (例えば, 産後うつ傾向, 自尊感情) との関連についての実証的研究の必要性, (3)出産体験の再構築と意味づけに関する実践的研究の必要性が示唆された.
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