北関東医学
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56 巻, 4 号
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原著
  • 常盤 洋子, 國清 恭子
    2006 年 56 巻 4 号 p. 295-302
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/26
    ジャーナル フリー
    【目 的】 文献研究により, 出産体験の自己評価に関する研究の現状と課題を明らかにし, 出産体験の自己評価に関する研究に有効な変数を得ることを目的とする. 【研究方法】 1960年~2001年までの論文を対象に, "childbirth experience", "self evaluation", "scale" をキーワードにして, CINAHL, MedLine, 医学中央雑誌を中心に検索した. 【結 果】 131論文が検出され, 出産体験の自己評価について記述がなされ, 学術論文の形式が整っている47論文を選んで概観した. 出産体験の臨床的意義が明らかにされ, 出産体験の自己評価のアセスメントに有効な産科的, 心理・社会的変数が抽出された. 【結 論】 今後の研究の課題と方向性について, 以下, 3つの視点を明らかにした. (1)分娩経過の正常・異常による出産体験のとらえ方の相違を比較できる大きいサンプルによる調査の必要性, (2)出産体験の自己評価と産後の心理的健康 (例えば, 産後うつ傾向, 自尊感情) との関連についての実証的研究の必要性, (3)出産体験の再構築と意味づけに関する実践的研究の必要性が示唆された.
  • 國清 恭子, 水野 治久, 渡辺 尚, 常盤 洋子
    2006 年 56 巻 4 号 p. 303-312
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/26
    ジャーナル フリー
    【目 的】 中絶を受ける女性の援助不安の実態を明らかにし, 中絶を受ける女性の心のケアのあり方を検討する資料を得ることを目的として調査を行った. 【対象と方法】 調査期間は平成15年9月~平成16年1月. 15施設において中絶を受ける女性に無記名式自記式質問紙調査を実施し, 中絶前後で同一対象者によって回答が得られた100例を分析対象とした. 調査内容は, 援助不安, 被援助志向性, もらったソーシャルサポート, 自尊感情であった. 【結 果】 医師, 看護師への呼応性, 汚名への心配が強い場合, もらったソーシャルサポートの量が少ないことが明らかになった. また, 「呼応性への心配」, 「汚名への心配」, 「被援助志向性」がもらったソーシャルサポートを規定する要因として抽出された. 【結 論】 中絶を受ける女性が医師や看護師からのサポートを受け易い状況を作り出すためには, 呼応性および汚名への心配の軽減を図るとともに, 被援助志向性を高めることが必要である.
  • 星野 綾美, 坂本 浩之助, 田村 遵一, 瀬戸 正子
    2006 年 56 巻 4 号 p. 313-319
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/26
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】 看護学生は, 短期間で幅広い専門的知識を習得しなければならず, 高い学習意欲が要求されている. 我々は実習に先立つ講義において, 試験出題部分をあらかじめ講義資料の中で明示することが, 看護学生の学習意欲に及ぼす影響を検討した. 【対象と方法】 2004年度入学の看護学科一年次の学生 (男性12名, 女性72名). 試験に出題する部分を講義資料のなかで明示し, 学習意欲について, Visual analogue scaleで定量化した. 【結 果】 試験出題部分を予告した今回の講義の方が, 予告をしない他の講義よりVisual Analogue Scaleを用いて定量した学習意欲が有意に高かった. 自由筆記の分析からは, 「実習で学習内容を実践するのが楽しみになった」など, 学習意欲に関する項目が抽出された. 【結 論】 試験出題部分の講義資料内での予告は, 看護学生の学習意欲を向上させる一手段として有用であると考えられた.
  • 齋藤 智子, 佐藤 由美
    2006 年 56 巻 4 号 p. 319-328
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/26
    ジャーナル フリー
    【目 的】 介護支援専門員が認識する対応困難事例の特徴を明らかにすることを目的とした. 【対象と方法】 N県内の居宅介護支援事業所に所属し, ケアマネジメントを行っている介護支援専門員16名を対象に, グループインタビューを実施した. 今までのケアマネジメントの中で, 対応困難を感じた状況・場面と具体的な困難内容について聴取し, 質的帰納的に分析した. 【結 果】 介護支援専門員の対応困難は, ケアマネジメントプロセスの「計画立案」「実施」の段階で多く認識されており, 困難内容は, 家族内の調整, サービス利用の説得, 専門的対応を必要とする課題に対する対応等, ケアマネジメントに十分な時間をかけることを必要とし, また専門的知識や適切な支援者との連携を必要とする内容であった. 【結 論】 介護保険制度下におけるケアマネジメントの質の向上のために, 介護支援専門員が認識する対応困難の特徴をふまえた支援を行っていく必要がある.
症例報告
流れ
抄録
編集後記
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