北関東医学
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59 巻, 1 号
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原著
  • Masatake Ino, Takachika Shimizu, Keisuke Fueki, Naofumi Toda, Tetsu Ta ...
    2009 年 59 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/03/13
    ジャーナル フリー
    Study Design : Retrospective study. Objective : To report the clinical and radiological results of posterior lumbar interbody fusion (PLIF) using titanium intervertebral spacers in elderly patients over 70 years. Summary of Background Data : PLIF with intervertebral spacers has been introduced to treat degenerative lumbar disorders. However, in the elderly patients, it is concerned that there are several possible complications that can be associated with the use of interbody support in anterior column reconstruction under weak bone quality. There were few reports about the results of PLIF using titanium intervertebral spacers in elderly patients. Methods : Twenty-six patients with mean age of 73 years (range, 70-78) underwent one or two-level PLIF using titanium intervertebral blocks combined with posterior instrumentation, with minimum 2-year follow-up (average 49 months ; range, 25-88). Radiographic and clinical outcomes analysis was performed. Results : The sagittal alignment (regional lordosis) of the operative segments averaged 7.4° before surgery, 12.7° at discharge, 11.1° post-op 1-year, and 11.8° at the final follow-up. The percentage of posterior disc height was 14.1% before surgery, and was significantly improved after the surgery to 26.9% at discharge and 21.8% at the final follow-up. In 18 patients with spondylolisthesis, the percentage of slip averaged 18.9% before surgery, and was significantly improved after the surgery to 6.8% at discharge and maintained until the final follow-up. All patients had radiographic fusion at the follow-up. The average JOA score was 12.6 points before surgery, and increased significantly to 23.1 points at the final follow-up. Conclusion : Posterior lumbar interbody fusion using titanium spacers is valuable even in the elderly patients. The preservation of bony endplate of vertebral body, and the insertion of spacers as antero-lateraly as possible in the intervertebral space, are important for successful fusion.
  • - 問題の分類と対策 -
    岡田 慶一
    2009 年 59 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/03/13
    ジャーナル フリー
    【背 景】 介護老人保健施設で認知症高齢者が急増. 【目 的】 その摂食・嚥下障害の対策と結果を報告する. 【対象と方法】 当施設の摂食・嚥下障害は56例. 平均年齢84.2歳. 医師, STの所見の対策と効果を検討. 効果を4段階評価した. 【結 果】 (1)食思の問題(2)嗜好の問題(3)食物認知の問題(4)拙劣な摂食動作の問題(5)咀嚼から嚥下運動の問題5項目に分類. 更に14中項目, 23小項目で対策を立て, 実施評価した. 食思の発動性の低下, 異常な確信, 固執は効果があり. うつ状態や食事健忘, 食欲の異常な亢進・盗食は効果は小. 甘い物, 飲み物, 汁物のみ口にするは効果あり. とろみ, ミキサー食の拒否は効果は少ない. 食物認知で注意の問題は効果あり. 摂食スピードの異常は効果あり. 拙劣な摂食動作は一部効果あり. 咀嚼から嚥下への移動困難は効果少であった. 【結 語】 認知症高齢者摂食・嚥下障害の対策は約50%が有効であった.
  • 萩原 英子, 藤野 文代, 二渡 玉江
    2009 年 59 巻 1 号 p. 15-24
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/03/13
    ジャーナル フリー
    【目 的】 乳がん患者のボディ・イメージ及び感情状態の変化と, 両者の関連を明らかにすることである. 【対象と方法】 手術目的で入院し, 調査協力が得られた乳がん患者30名を対象とし, Body Image Assessment Tool及びProfile of Mood Statesを用いて質問紙調査を実施した. 【結 果】 乳がん患者のボディ・イメージは「身体コントロール」「身体尊重」が時間経過と共に低下していた. 感情状態は退院後に比較して術前, 「緊張―不安」が高かった. ボディ・イメージと感情状態の関連では, 術前・術後・退院後を通して「身体コントロール」「身体尊重」とネガティブな感情, 術後・退院後では「身体の離人化」とネガティブな感情, 退院後では「身体の離人化」「身体コントロール」「身体尊重」とポジティブな感情で有意な相関がみられた. 【結 語】 乳がん患者のボディ・イメージの変容には感情状態が大きく影響しており, 特に身体のコントロール感や自尊感情はネガティブな感情によって, 周手術期を通して, 影響を受けていた.
  • 内田 陽子, 梨木 恵実子, 小玉 幸佳, 河端 裕美, 鈴木 早智子, 高橋 陽子, 斉藤 喜恵子, 滝原 典子
    2009 年 59 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/03/13
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】 病院スタッフからみた老人看護専門看護師臨地実習の評価を明らかにすることである. 【対象と方法】 調査協力に同意が得られた病院スタッフ74名に対して, 自記式質問紙法を行った. 【結 果】 実習生の関わりとCNSの6つの役割に対する評価は「学生のケアプランは良かった」「スタッフに対する意見, アドバイスは良かった」等について高得点を示した. その他, 「根気よく関わる大切さがわかった」等のスタッフ自身への良い変化の回答もみられた. しかし, これらの得点は, 看護師とそれ以外のスタッフでは差がみられた. 【結 語】 学生はスタッフに実習や役割を理解してもらうことが必要であり, そのためには, 他職種に対する積極的な関わりが必要である.
  • 二渡 玉江, 樋口 友紀, 中西 陽子, 廣瀬 規代美, 砂賀 道子, 堀越 政孝, 神田 清子
    2009 年 59 巻 1 号 p. 33-42
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/03/13
    ジャーナル フリー
    【目 的】 がん手術治療に伴うリンパ浮腫ケアの現状と問題点を明らかにする. 【対象と方法】 調査協力の得られた全国136施設でリンパ浮腫ケアに最も関わっている看護師を対象に, 浮腫予防及び浮腫発症患者のケア, ケア上の問題について質問紙調査を行った. 【結 果】 予防ケアは, 全ての術後患者. 家族に実施している施設は4.3%で, リスクの高い患者のみに実施が43.5%であった. 浮腫発症患者に対するケアは, 専門外来での実施は8.6%であった. ケア実施上の困難は, 専門家の不足, ケア体制が不十分, 診療報酬に結びつかない等であった. また, 必要性が高いと認識しているのは, セルフケア支援, 専門部署による支援体制, 浮腫に関する情報提供等であった. 【結 語】 術後がん患者に対するリンパ浮腫ケアは, 専門家の不足, ケア体制未確立という困難な状況の中で, 医療者の自助努力によって実施されており, 早急に体系的な取り組みの必要性が示唆された.
  • 樋口 友紀, 中西 陽子, 廣瀬 規代美, 櫻井 通恵, 堀越 政孝, 神田 清子, 二渡 玉江
    2009 年 59 巻 1 号 p. 43-50
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/03/13
    ジャーナル フリー
    【目 的】 手術療法を受けたがん患者のリンパ浮腫ケアに対して看護師が認識している課題を明らかにする. 【対象と方法】 全国136施設でリンパ浮腫ケアに最も関係する看護師が回答したケアに関する質問紙のうち, 自由記述項目に記載のあった77名の記述内容を分析の対象とした. 分析は, 内容分析の手法を参考に質的記述的に行った. 【結 果】 手術療法を受けたがん患者のリンパ浮腫ケアにおける課題は『ケア提供者および当事者に対する教育的支援の不足』, 『施設におけるケア環境整備の不足』, 『地域におけるケアを推進する社会資源・地域連携の不足』, 『予防から発症後のケア方法の未確立』の4カテゴリーが形成された. 【結 語】 看護師が認識しているリンパ浮腫ケアの課題から, 施設, 地域, 社会が相互に連携し, ケア環境整備に向けて協働する必要性が示唆された.
  • - 中国で活動した青年海外協力隊員への面接と報告書の分析 -
    辻村 弘美, 森 淑江, 高田 恵子, 宮越 幸代
    2009 年 59 巻 1 号 p. 51-58
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/03/13
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】 看護は各国の様々な背景や状態により異なると考えられる. 中国で活動した青年海外協力隊員の面接調査と国際協力機構への報告書を分析し, その差異を明らかにすることで, 国際看護協力における示唆を得る. 【対象と方法】 看護師隊員4名の報告書計20冊と本人への面接結果を対象とし, 日本の看護と異なる点を抽出した. 【結 果】 「臨地実習において学生が行う基本的な看護技術」の80項目中, 日本と異なる看護に関する記述は41項目で, 対象者全員が差異があると述べた看護は, 「創傷管理技術」, 「与薬の技術」, 「身の回りの援助は家族が行う」, 「看護記録」であった. 4名中3名が差異があると述べた看護は, 「膀胱内留置カテーテル法」, 「点滴静脈内注射・中心静脈栄養管理」, 「手洗い」などであった. 【結 論】 日本と中国の違いが示唆されたので, 中国での看護技術の教育や臨床での状況について把握していく.
  • 内田 陽子, 清水 さゆり, 杉山 学, 高橋 陽子, 加藤 綾子
    2009 年 59 巻 1 号 p. 59-66
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/03/13
    ジャーナル フリー
    【目 的】 認知症ケアのアウトカム評価票の項目別にみた重み付け得点と影響する評価者の因子を明らかにすることである. 【方 法】 第1段階の調査ではA県で行われたケアマネジャー研修とA県看護協会の研修に参加した計542人を対象に評価票の大カテゴリーの重み付け得点化を行った. 第2段階の調査では, 脳神経疾患を専門に扱う美原記念病院とその関連施設で働く認知症経験をもつ職員22人を対象に, 大・中カテゴリーに対する重み付け得点化を行った. 分析はAHP理論を活用した. 【結 果】 第1調査では重み付け得点に関連する評価者の因子は職種, 所属機関, 経験年数であった. 第2調査では背景条件との関連はみられなかった. 両調査とも「その人らしい生き方」に対する得点は高かった. 【結 論】 これらの評価者の因子の調整を行い, 重み付け得点化を行う必要がある.
流れ
抄録
報告
北関東医学会奨励賞
編集後記
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