北関東医学
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62 巻 , 4 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
原著
  • 竹吉 泉, 須納瀬 豊, 宮前 洋平, 平井 圭太郎, 吉成 大介, 小川 博臣, 塚越 浩志, 高橋 研吾, 五十嵐 隆通, 高橋 憲史, ...
    2012 年 62 巻 4 号 p. 389-393
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2012/11/21
    ジャーナル フリー
    【背景と目的】 教室では, 悪性度が低い尾側膵の腫瘍に対しては, 脾温存尾側膵切除 (SPDP) を行ってきた. 最近, 肝・胆・膵領域で腹腔鏡下手術を導入し, SPDPを用手補助腹腔鏡下 (HALS) で2症例行ったので, それ以前の開腹下でのSPDP 5症例の成績と対比して報告する. 【対象と方法】 対象は膵体尾部に発生した膵腫瘍である. HALS SPDPを行った2症例について手術の適応と手術手技について述べ, 手術時間, 出血量, 合併症, 在院日数等について以前の開腹SPDP症例と比較検討した. 【結 果】 手術時間はHALS, 開腹とも3時間弱で差はなかった. 出血量の平均はHALSで97ml, 開腹で190mlであった. 術後の合併症としては各群1例ずつ膵液漏がみられた. 術後在院日数はHALSで10.0日, 開腹で13.6日であった. 【結 語】 HALS SPDPは開腹手術に比べて低侵襲であり, 完全腹腔鏡下手術に比べて操作性の自由度は高く, 術者の負担は少ないため, 手術時間の短縮や安全性の確保に寄与する術式である. 特に今後腹腔鏡手術の導入を検討している施設にとっては有用な選択肢の一つとなりうる.
症例報告
  • Takashi Ogino, Tamiyuki Ohbayashi, Tatsuo Kaneko, Yasushi Satoh, Yutak ...
    2012 年 62 巻 4 号 p. 395-397
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2012/11/21
    ジャーナル フリー
    A 61-year-old man with an aneurysm of the common and deep femoral arteries underwent successful vascular reconstruction. The patient presented with localized pain and a rapidly enlarging pulsatile mass in the femoral triangle. A graft was placed from the left common femoral artery to the left superficial and deep femoral arteries. No ischemic symptoms or thrombosis developed postoperatively. Successful reconstruction with a graft is rare in this situation, with less than 30 cases reported in Japan to date. This type of aneurysm is characterized by rapid enlargement and severe atherosclerotic changes. Ischemic complications may occur after surgical treatment of a ruptured deep femoral artery aneurysm. We recommend reconstruction using the saphenous vein or a vascular prosthesis, as there have been some reports of patients requiring leg amputation following ligation of the deep femoral artery.
  • 山崎 穂高, 清水 尚, 佐藤 弘晃, 戸谷 裕之, 茂木 陽子, 坂元 一郎, 饗場 正明, 田中 俊行, 小川 哲史, 須納瀬 豊, 竹 ...
    2012 年 62 巻 4 号 p. 399-403
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2012/11/21
    ジャーナル フリー
    Bochdalek孔ヘルニアは先天性横隔膜ヘルニアの中で最も頻度の高い疾患であるが, その大部分は新生児期に発症し, それ以降の発症はまれである. 今回, 高度肥満高校生のBochdalek孔ヘルニアの一手術例を経験したので報告する. 症例は15歳の高度肥満男性 (BMI 35), 2011年10月, 嘔吐, 腹痛が出現し近医を受診した. CTで胸腔内に胃, 横行結腸, 大網の脱出が確認され当院紹介受診となった. Bochdalek孔ヘルニア嵌頓の診断で, 緊急手術を施行した. 腹腔鏡下に手術を開始し嵌頓解除を試みたが, 高度な肥満の為, ワーキングスペースや視野の確保が難しく, 還納は困難であった. 開腹手術に移行しヘルニア孔を縫合閉鎖し手術を終了した. 術後経過は良好で術後13病日に退院した. 現在まで再発は認めていない. 本例は高度肥満による, 慢性腹圧上昇が発症の要因と思われた.
    成人Bochdalek孔ヘルニアは稀な疾患とされてきたが 無症状例を含めると潜在的には高頻度に存在する可能性がある. 急変時の死亡率は決して低くなく, 速やかに適切な治療を行う必要があると思われる.
  • 新井 正明, 落合 亮, 増田 淳, 山内 栄五郎, 須納瀬 豊, 竹吉 泉
    2012 年 62 巻 4 号 p. 405-410
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2012/11/21
    ジャーナル フリー
    症例は89歳, 女性. 平成22年2月横行結腸癌, 肝転移に対し右半結腸切除郭清, マイクロ波凝固療法を施行した. 高分化管状腺癌, pSS, pN0, pH1, Stage IVであった. 術後は年齢を考慮し, 化学療法は行わず経過観察していた. 平成23年12月, 食思不振, 腹痛, 腹部膨満感が出現したため当科を受診し, イレウスの診断で入院した. イレウス管を挿入したところ症状の改善を認めたが, 再びイレウス症状が出現した. イレウス管造影, CT, 下部消化管内視鏡検査ならびにその際行った造影検査で, 右上腹部に腫瘤性病変がみつかり, 内視鏡検査中の吸引組織から癌が判明した. 腹膜播種の小腸浸潤と診断した. ステント挿入は困難で, 年齢を考慮すると, 手術のリスクも高いため, 磁石圧迫吻合術を行った. 術後経過は良好で, 全粥が食べられるようになり, 外泊もしたが, 退院間近の第42病日に誤嚥性肺炎で急変して亡くなった. 大腸癌腹膜再発によるイレウスの超高齢者に, 磁石圧迫吻合術を行った1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
  • Takashi Ogino, Tetsushi Ogawa, Tetsuya Ishikawa, Toshiyuki Tanaka, Mas ...
    2012 年 62 巻 4 号 p. 411-414
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2012/11/21
    ジャーナル フリー
    A 62-year-old man was transported to the emergency medical center because of blunt chest trauma combined with multiple trauma after a car accident. He complained of severe back pain. Contrast-enhanced computed tomography revealed left hemopneumothorax with multiple left rib fractures, a scapular fracture, lung contusion, liver injury, right renal injury, and acute aortic dissection. Although open surgical repair and endovascular stent grafting were considered, primarily nonoperative management of the thoracic aortic injury under blood pressure control was selected because of the multiple trauma, type B aortic dissection, and oral administration of two antiplatelet drugs. The patient's hemodynamic and respiratory conditions remained stable in the intensive care unit, and the aortic dissection improved. We herein report a rare case of blunt thoracic aortic injury with oral administration of antiplatelet drugs resulting in multiple trauma and acute aortic dissection treated nonoperatively.
  • 小林 克巳, 小川 哲史, 安東 立正, 富沢 直樹, 田中 俊行, 荒川 和久, 須藤 雄仁, 五十嵐 隆通, 荻野 美里, 須納瀬 豊, ...
    2012 年 62 巻 4 号 p. 415-418
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2012/11/21
    ジャーナル フリー
    59歳男性. 4日前からの腹痛で近医を受診した. 臍部左側に圧痛と腫瘤を認め, 腹直筋膿瘍を疑い, 同日当院に紹介された. 前医CTでは左腹直筋直下に8 × 5 cm大の多房性嚢胞性腫瘤を認め, その内部に高輝度の線状影を認めた. 膿瘍腔と腸管壁に連続性なかったが, 形態からは魚骨穿通による膿瘍と考え, 緊急開腹手術を行った. 開腹時, 左腹直筋後鞘と腹膜は膿瘍のため損傷し, 腹腔内と交通し膿瘍腔を形成していた. この膿瘍腔内から約4 cmの魚骨を認めた. 更に腹腔内で膿瘍を被覆し一塊となった大網が腹膜に癒着していた. 小腸及び観察可能範囲の結腸を検索したが穿孔部を認めなかった. 術後本人から発症数日前に焼鮭を食べたことを聴取した. 術後経過は全身状態良好であったが, 創感染を合併したため術後21日で退院した.
  • 外山 耕太郎, 佐藤 成, 田原 研一, 神保 貴宏, 村上 博和, 野島 美久, 塚本 憲史
    2012 年 62 巻 4 号 p. 419-422
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2012/11/21
    ジャーナル フリー
    ヒ素は腹部症状, 多発神経炎, ときに中枢神経症状などの急性中毒をきたす重金属として知られている. Arsenic trioxide (ATO) 療法は再発・難治性の急性前骨髄球性白血病 (APL) に対して有効な治療法で, その副作用の多くはコントロール可能である. 我々はAPL再発に対してATO単独療法施行後に昏睡状態となった症例を経験した. ATO投与の副作用として中枢神経症状は非常にまれで, これまでに意識変容を呈した症例は4例報告されているが, いずれもその背景に原因となり得る基礎疾患を有していた. 我々の経験した症例は諸検査で深昏睡を来す他の原因が証明されず, 24時間後に回復したのちに深昏睡の再燃を認めていないことから, ATO 投与により深昏睡を呈したものと思われた.
  • 高橋 憲史, 須納瀬 豊, 吉成 大介, 小川 博臣, 塚越 浩志, 平井 圭太郎, 宮前 洋平, 田中 和美, 五十嵐 隆通, 高橋 研吾 ...
    2012 年 62 巻 4 号 p. 423-428
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2012/11/21
    ジャーナル フリー
    症例は56歳男性. 下血を主訴に近医を受診し直腸癌肝転移と診断され低位前方切除を施行された. 当院のセカンドオピニオン後, 当院での化学療法を希望した. 肝転移 (後に出現した肺転移を含む) に対し, 計11ラインの化学療法, 肝経皮的ラジオ波焼灼療法 (radiofrequency ablation : RFA), 手術 (肝局所切除) を行った. 骨転移による疼痛緩和目的の放射線治療も行った. これら集学的治療により術後5年7か月の長期生存を得た.
流れ
抄録
編集後記
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