北関東医学
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67 巻 , 1 号
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会告
原著
  • Masataka Horikoshi, Tamae Futawatari
    2017 年 67 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー
    Background and Aims: Male rectal cancer patients experience postoperative anxiety regarding bowel, urinary, and sexual function impairment. These patients must cope with various physical and psychosocial issues. The purpose of this study was to explain the process of accepting postoperative functional impairments among male rectal cancer patients.
    Methods: Fourteen male rectal cancer patients who had undergone surgery 6 or more months beforehand were assessed through semi-structured interviews. Data were analyzed using the grounded theory approach.
    Results: Simultaneous bowel, urinary, and sexual dysfunction mutually impeded male rectal cancer patients' activities and negatively affected their self-esteem alongside a feeling of lost masculinity. However, patients learned to understand their condition while exploring coping techniques for these three major impairments on their own terms. Patients adopted one of two coping methods, positive acceptance or acceptance with resignation, depending on support structures and the effectiveness of these established coping methods.
    Conclusion: Patients' acceptance of the impairment of three major bodily functions should be characterized as a single structure, rather than focusing on accepting bowel dysfunction alone. Support programs should be structured based on the processes characterized through this study along with patient readiness.
  • Kumiko Yoshida, Kiyoko Kanda
    2017 年 67 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー
    Purpose/Objectives: This study was aimed at developing a reliable scale for assessing the self-care agency of cancer patients under treatment.
    Design: A cross-sectional study was performed.
    Methods: The study involved patients with cancer who were receiving care on an outpatient basis at 4 hospitals in the Kanto/Shinetsu Districts of Japan. The items of the Self-care Agency Scale for Cancer Patients under Treatment (SAC) were developed using a qualitative study. The main research variables that were analyzed were obtained from a temporary questionnaire, the Self-Care Agency Questionnaire for Patients with Chronic Illness, and the Functional Assessment of Cancer Therapy General. After an item analysis, the construct validity was assessed using a confirmatory factor analysis, followed by an analysis of the scale's reliability and criterion validity.
    Findings: A convenience sample of 303 cancer patients was utilized. The fitness indices for the scale were as follows: Goodness of Fit Index (GFI)=0.911; Adjusted GFI=0.878. The Cronbach α coefficient was 0.900. The SAC was developed as a secondary factor model that included 3 factors and 15 items. The results of evaluation using this scale were significantly correlated with those of extermal standards.
    Conclusions: The SAC's construct validity, criterion validity, and reliability were all confirmed.
  • 吉住 正和, 小池 幹義, 高橋 奈緒美, 田仲 久人, 木暮 政惠, 岡田 正敏, 津久井 智, 猿木 信裕, 高橋 篤
    2017 年 67 巻 1 号 p. 23-31
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー
    背景と目的:アカツツガムシを媒介としたつつが虫病は旧来より知られていたが, 1950年代から新型 (タテツツガムシあるいはフトゲツツガムシが媒介) が出現して全国的に拡がり, 群馬県でも1980年代から北部山間部を中心に散見されるようになった. 一方, 最近の群馬県におけるつつが虫病の発生状況は明らかとは言えない. 本研究では, 群馬県, 特に利根沼田2次保健医療圏における最近のつつが虫病の発生動向とその変遷などの特徴を明らかにすることを目的とする.
    方 法:群馬県統計年鑑・Infectious Agent Surveillance Report報告・利根沼田と吾妻地域の4類感染症発生届を用い, (1) 全国/群馬県/県内各2次保健医療圏におけるつつが虫病発生数と頻度の推移, (2) 利根沼田と吾妻地域における地域総人口/農業人口/60歳以上人口とそれらの発生頻度の推移・月別平均気温の推移 (3) 利根沼田地域のつつが虫病患者の年齢/職業/発生月/推定感染場所/血清タイプを検討した.
    結 果:(1) 全国と群馬県のつつが虫病発生頻度は2002年まで減少傾向にあったが, 群馬県の発生頻度は2007年以後上昇した. (2) 県内各地域の発生頻度は検討全期間を通して吾妻地域の占める割合が高く, 利根沼田地域では1995年を境に発生数が増加し, 2007年以後の利根沼田地域の発生数は群馬県の発生数の20~50%を占めていた. (3) 農業人口に対する発生頻度は各地域とも地域総人口に対する発生頻度と比べ有意に高く, 経時的に上昇していた. 一方, 60歳以上人口に対する発生頻度は地域総人口に対する発生頻度と比べ差異がなかった. (4) 利根沼田地域では最近の10年間で平均気温の上昇が認められた. (5) 群馬県及び利根沼田地域の発生時期は10月~11月, 推定感染場所は河岸段丘の農地が大半であった. (6) 利根沼田地域では感染地域の拡大が認められ, 血清タイプは標準型 (Karp・Gilliam型など) が70%と多かったが, Kawasaki型などの新しいタイプも認められた.
    結 語:近年の群馬県ではつつが虫病の発生が増加しており, その主因に利根沼田地域の発生増加が考えられる. 利根沼田地域の発生増加には河岸段丘農業地域における感染の拡大と感染率 (発生頻度) の増加, 気温上昇の影響が示唆される. 群馬県の有毒ツツガムシは血清タイプや発生月の推移から, フトゲツツガムシ (Karp・Gilliam型) によるものが主体で, 関東南部や九州に多いKawasaki型などを含むタイプとの混在も示唆される. 今後, 好発地域, 好発時期における地域住民に対する感染予防啓発が重要と考える.
  • -座標を用いた全体解析-
    梅枝 愛郎
    2017 年 67 巻 1 号 p. 33-42
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー
    目 的:代謝性酸塩基異常のステップワイズ解析では, AGによる全体診断は出来ず, 混合性の判定は難解のため新法を考案した.
    方 法:AG, 重炭酸ギャップBGと二酸化炭素ギャップCGを評価に用い, ABC順に算出する基準値を0に揃え (ΔAGを使用), 夫々の正常/増加/減少3区分の組み合せによる解析をABC-Gap法とした. ΔAGを横軸, BGを縦軸に取り, 各々の正常上下限値に線を引いた直交座標上に3区分を重ね合わせて『BGはAGとは独立した元々のHCO3-の増減変化量』を見出し, 数理論理学による「代謝性病態区分図」を作成, この図に患者のΔAGとBGを座標としてplotし検証した.
    結果・結語:臨床診断と座標点が属する区分病態との一致が確認され, 理論的正当性と臨床的有用性が証明された. 呼吸性代償等の評価CGは代謝性に加味されるので, ABC-Gap法は手順が覚え易く結果判定が容易で, 3者の組み合せで代謝性酸塩基異常の全体診断ができる有用な診療手段と考える.
症例報告
  • 高橋 克昌, 高安 幸弘, 近松 一朗
    2017 年 67 巻 1 号 p. 43-47
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー
    擤鼻 (こうび, 鼻かみ) 後に生じた稀な外リンパ瘻の2症例を経験した. 外リンパ瘻とは, 急激な中耳圧の上昇によってアブミ骨が外れ, 外リンパが中耳に漏出する病態である. 変動する難聴が主訴の1症例はCoclin-tomoprotein (CTP) 検査が陽性で, 手術前に診断が確定し, 早期の鼓室形成術によって聴力は回復した. 激しいめまいと難聴の症例は, 内耳に空気塞栓を認め, 大量の外リンパ漏出による内耳障害は高度で, 鼓室形成術を施行するも診断の遅れのために聴力は回復しなかった. 術中のCTP検査は陰性で, すでに外リンパは枯渇するほど漏出したと推察した. CTP検査は外リンパ瘻の診断に有用だが, 検査のタイミングによって, 結果を解釈する必要があった. 外リンパ瘻は早期に診断して手術すれば回復する疾患なので, 迅速診断法の確立と, 疾患概念の医療関係者への周知が望まれる.
  • 福沢 淳也, 山本 祐二, 齋藤 保, 山田 圭一, 文 由美, 竹島 徹
    2017 年 67 巻 1 号 p. 49-53
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー
    症例は73歳, 女性. 16年前に左腎細胞癌に対して左腎摘出術の既往がある. 亜腸閉塞による腹部膨満で受診した際の腹部CTで膵尾部腫瘍を指摘された. 画像所見上腫瘍は血流豊富であり, 既往歴とあわせて腎細胞癌の膵転移を最も疑った. その他の臓器に転移を認めないことから膵尾部, 脾合併切除術を施行した. 術後病理検査で腫瘍は淡明細胞にて構成されており腎細胞癌の膵転移と診断した. 本症例のような腎細胞癌の遅発性膵転移は稀であるが, 長期的な経過観察が重要であると考えられた. また腎細胞癌の膵転移に対しては積極的な外科的治療を行うべきと思われた.
文献レビュー
  • 牛久保 美津子, 飯田 苗恵, 鈴木 美雪, 佐々木 馨子
    2017 年 67 巻 1 号 p. 55-62
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー
    目 的:NPPV管理下でTPPVを希望しないALS療養者の終末期の緩和処置方法やケアの動向や現状を明らかにすること.
    方 法:国内外の文献検討を行った. 医学中央雑誌とPubMedをデータベースとして, 2001~2015年までの原著論文を検索した. 検索語は, ALS and/or NPPVとした. 次に, Yahoo!JAPANとグーグルスカラーの検索エンジンを用いて, ALSのNPPV管理下の終末期の事例が掲載されている論文, ガイドライン, 一般書籍, 関連記事をさまざまな関連用語を使って可能な限りの検索を行った. 検索語は, ALS, NPPV, withdrawing NPPV to death, terminal care, end-of-life care などの用語とし, 単独, あるいはいくつかの用語を組み合わせて, 2016年1月~2016年10月までの間の2週間に1 ~ 2回の検索を試みた.
    結 果:分析対象とした文献34編のうち, 終末期の緩和ケアに関するものは2編であった. 一方, 収集できた事例は20件で, そのうち緩和ケアに触れたものは7件であった. ガイドラインやそれに類する書物においてはNPPV管理下の終末期の緩和ケアの記載があるものは8件であり, うちALSについては2件のみであった.
    結 論:NPPV管理下のALS療養者の終末期ケアについては, ほとんど注目がされていない状況であった. NPPV利用は増加している. そのため, NPPVの導入の際に, 終末期の緩和ケアを含めて説明を行う必要があることと, 維持困難期の緩和ケアの開発が必要である.
流れ
抄録
報告
北関東医学会奨励賞
北関東医学会The KITAKANTO Medical Journal優秀論文賞
編集後記
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