北関東医学
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原著
  • 阿久澤 文彦, 山崎 敦子, 秋山 笑美, 小林 瑞枝, 金本 匡史, 高澤 知規
    2021 年 71 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/03/05
    ジャーナル フリー

    背景・目的:A病院の集中治療室(ICU)では2012年より胃残留量(GRV)経腸栄養プロトコールを導入した.2016年には測定回数や流速等の改訂を行った.本研究は改訂前後のプロトコール実施状況を調査・比較検討し,改訂後のプロトコールの有効性を検討することを目的とした.

    方 法:改訂前後の患者48名と71名を対象とし,後方視的にデータ収集した.

    結 果:改訂前後で,GRVが150 ml以上であった割合,有害事象でプロトコールを中止した割合,目標投与量に達した割合はいずれも有意差は認められなかった.また,目標投与量に達した時間は有意に増加し(p<0.01),血糖値の日内変動幅や逸脱した医師の指示変更は有意に減少した(p<0.01).

    結 論:改訂後プロトコールは有害ではなく,より統一した経腸栄養管理が行えるようになったことが示唆された.また,過度な血糖値の上昇を抑制できた可能性がある.今後もプロトコールを中心に,患者の身体的症状に合わせた経腸栄養管理を行っていきたい.

  • 鑓田 和真, 中村 潤平, 新井 啓祐, 関 優子, 入内島 明子, 茂木 直, 武井 宏行, 須藤 高行, 大竹 英則, 遠藤 啓吾, 対 ...
    2021 年 71 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/03/05
    ジャーナル フリー

    【目 的】群馬県における単純X線撮影の実態調査を行い,県民の受ける被ばく線量を推定する.

    【方 法】群馬県内主要14施設を対象として,2018年7月1日から7月31日の1か月間について単純X線撮影の実態調査を行った.調査項目は撮影部位ごとの検査件数と撮影回数とした.被ばく線量の推定は,撮影部位ごと1回の撮影における実効線量を推定し,検査件数と撮影回数から集団実効線量を求めた.

    【結 果】調査期間中1か月間の総検査件数は51,771件だった.部位別では胸部X線撮影が最も多く31,338件,次いで腹部X線撮影が多く8,523件となった.総集団実効線量は31.52人・Svであり,部位別では腹部X線撮影による線量が最も多く16.0人・Svであった.群馬県民ひとり当たりの年間被ばく線量は0.74 mSvと推定された.

    【結 論】群馬県における単純X線撮影による集団実効線量は31.52人・Svであり,群馬県民ひとり当たりの単純X線撮影による1年間の被ばく線量は,0.74 mSvと推定された.

  • 中村 潤平, 鑓田 和真, 新井 啓祐, 関 優子, 入内島 明子, 茂木 直, 武井 宏行, 須藤 高行, 大竹 英則, 遠藤 啓吾, 対 ...
    2021 年 71 巻 1 号 p. 15-18
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/03/05
    ジャーナル フリー

    【目 的】群馬県民のCT検査による平均実効線量を求めることによって,県民ひとりあたりの年間被ばく線量を推算する.

    【方 法】群馬県内95施設から,2016年7月の特定の2週間にCT検査を受けた患者の年齢,性別,撮影部位,dose-length product(DLP)のデータを収集した.

    【結 果】10歳以上のデータ12,878件(男性7,014;女性5,864件)を用いることとした(年齢66.9+/-17.5歳,10-104歳).実効線量は,頭部2.4 mSv(2,664件),胸部9.3 mSv(2,192件),胸腹部19.9 mSv(3,906件),腹部16.5 mSv(1,611件),冠動脈CT(retrospective)14.5 mSv(144件),冠動脈CT(prospective)8.6 mSv(129件),肝臓ダイナミック34.2 mSv(749件),全体の平均は13.5 mSvであった.厚労省からのNational Data Base(2016年4月から2017年3月まで)によれば,群馬県では年間約43万件のCT検査が行われているので,県民ひとり当たりのCT検査による年間の実効線量は2.95 mSvとなる.

    【結 論】CT1回当たりの実効線量は13.5 mSvと推算された.群馬県民ひとりあたりの年間実効線量は2.95 mSvと推算され,2000年の推算値2.3 mSvと比較して約28%の増加であった.

  • Shota Ogawa, Kunihiko Hayashi, Hiromitsu Shinozaki
    2021 年 71 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/03/05
    ジャーナル フリー

    Aim: This study investigated the use of the Mother and Child Health (MCH) Handbook and the association between the knowledge of disaster preparedness and utilization of the self-recording sections of the MCH Handbook.

    Methods: In this cross-sectional study, self-reporting questionnaires were distributed to 1,009 puerperal women, and 662 complete responses were analyzed.

    Results: Overall, 42.0% used the self-recording sections in the MCH Handbook during pregnancy, and 29.8% shared the MCH Handbook with family. Additionally, 78.1% participants recorded their weight changes during pregnancy, 54.5% recorded the development of their fetus in the MCH Handbook, and 66.6% had read information for pregnant women. Fisher’s exact test showed a significantly different rate of knowledge of disaster preparedness regarding Disaster Emergency Dengon Dial 171, the cellular phone disaster message board, and a hazard map among pregnant women who used the self-recording sections and those who did not.

    Conclusions: This study demonstrated the rate of each function in the MCH Handbook. Pregnant women who used the self-recording sections in the MCH Handbook had disaster preparedness knowledge about the recognition of the Disaster Emergency Dengon Dial 171, the cellular phone disaster message board, and a hazard map.

  • Lkhagvamaa Munkhbat, Shota Ogawa, Batgerel Oidov, Tungaamaa Davaakhuu, ...
    2021 年 71 巻 1 号 p. 27-35
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/03/05
    ジャーナル フリー

    Background & Aim: Road accident injuries and fatalities are an ongoing world-wide problem. Thus, this study examined the prevalence of front seatbelt use among Mongolian hospital workers and explored the factors associated with this behavior.

    Methods: Self-administered questionnaires were distributed to 750 people who worked in a tertiary hospital; 681 agreed to participate and, among them, 521 (76.5%) provided complete responses. Participants were asked about their personal seatbelt use in the front passenger seat and their demographic characteristics. SPSS version 26 was used for all statistical analyses. Chi-squared and Fisher’s exact tests were used to analyze categorical values, with Mann-Whitney U tests being used to analyze ordinal and numeric values.

    Results: Approximately five-sevenths (drivers: 73.3%, non-drivers: 71.9%) of participating passengers “always” used seatbelts while in a front passenger seat, according to the self-questionnaires. A multivariate analysis revealed that the timing of seatbelt use while one is in the driver’s seat before starting the engine and experiences of traffic accidents while riding in a car were associated with drivers using the front passenger seatbelt.

    Conclusions: We suggest that educational programs on seatbelt use should be developed and delivered for interventions concerning, and promoting seatbelt use before starting the engine.

  • 吉澤 真歩, 近藤 浩子, 井田 伸人
    2021 年 71 巻 1 号 p. 37-46
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/03/05
    ジャーナル フリー

    【背景・目的】 国際社会においては,多様な性のあり方への理解が広まっている.一方,わが国ではLGBTに対する理解不足が,医療従事者のケアの質の低下に影響している.本研究は,LGBTに対する看護学生の理解に関する調査を行い,理解促進のための課題を明らかにすることを目的とした.

    【方 法】 看護系大学の1年次から4年次の約320名に無記名質問紙調査を行った.内容は,LGBTに対する1)関心度,2)関わる機会,3)情報源,4)知識,5)医療場面における配慮,6)社会的距離であった.社会的距離については,Lesbian,Gay,Bisexual,Transgenderの4事例を示し,「同僚として働く,雇用する,教師になる,友人が交際する,自分の子どもが結婚する」の5項目についての賛否を尋ねた.

    【結 果】 有効回答225件(73.8%)を分析した.関心度は10点満点のVisual Analog Scaleで平均6.7±1.8点であった.関わる機会は「テレビやインターネット」が42.9%,また情報源は「学校」が66.2%と最も多かった.社会的距離については,「同僚」「雇用」「教師」の賛成率が95%以上と高く,一方,「交際」「結婚」は60~90%でやや低かった.また賛成率はLGBTに対する関心度の高さと関連していた(p<.001~p<.05).

    【考 察】 LGBTに対する看護学生の理解を深めるには,多様な性のあり方への関心を高めていくことが重要であることが示唆された.

症例報告
  • - 特に前立腺および周囲組織の病理学的評価 -
    黒川 公平, 高玉 真光, 福田 利夫, 鈴木 慶二, 河村 英将, 大野 達也, 松井 博, 伊藤 一人, 鈴木 和浩
    2021 年 71 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/03/05
    ジャーナル フリー

     症例は85歳,男性.老人保健施設に入所中に死亡し,病理解剖で誤嚥性肺炎による窒息が直接死因と判明した.既往の前立腺癌については,死亡の9年前にPSA高値から前立腺癌Gleason score 4+5,T3aN0M0と診断され,1年間のホルモン療法後に重粒子線治療を実施し,その後1.5年のホルモン療法を行ない,死亡1年前のPSAは0.04 ng/mlと生化学的再発はなく安定していた.病理解剖では,前立腺および周囲組織には前立腺癌細胞の残存はなく,直腸や膀胱頸部にも放射線による異常な組織学的変化はみられなかった.重粒子線治療は,限局~局所進行前立腺癌対する有効な根治療法であるが,病理学的に高い根治性と周囲臓器への低侵襲性が確認された初めての症例と思われたため報告した.

  • 曲 継超, 奥田 洋一, 橋本 真治, 原 明弘, 秋山 浩輝, 呉屋 朝幸
    2021 年 71 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/03/05
    ジャーナル フリー

     症例は77歳女性.3日前からの嘔気,上腹部痛を主訴に当院救急外来を受診された.腹部レントゲンにてニボー像を伴う腸閉塞の所見を呈しており,腹部造影CTにてclosed loop,whirl sign,腹水を認めたため,絞扼性イレウスの診断にて緊急開腹手術を施行した.手術所見では肝右側の横隔膜にヘルニア孔を認め,小腸が陥入している所見であったことから,右側Bochdalek孔ヘルニア嵌頓と診断した.可及的にヘルニア孔を単純閉鎖し,手術終了とした.術後10日間で自宅退院となり,その後再発なく経過している.成人の右側発症のBochdalek孔は稀であり,若干の文献を含めて考察する.

  • 高橋 克昌
    2021 年 71 巻 1 号 p. 59-63
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/03/05
    ジャーナル フリー

     メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患(methotrexate-associated lymphoproliferative disorders,MTX-LPD)は,関節リウマチのキードラッグであるメトトレキサート(MTX)内服で生じるが,MTXの休薬のみで,すみやかに腫瘍が消失することが多い.診断には病理検査が必要で,組織生検目的に耳鼻咽喉科に紹介されるが,生検前にMTXを休薬した結果,生検時には病変が消失し,診断を確定できなかった症例を経験した.MTX-LPDが疑われたら,休薬より先に生検するべきである.病変が消失し,確定診断が得られない疑い例として経過観察中に,悪性リンパ腫が発症した症例も経験した.MTX休薬のみで病変が消失しても安心せず,再発に備えた慎重な経過観察が必要である.

流れ
報告
北関東医学会奨励賞
北関東医学会The KITAKANTO Medical Journal優秀論文賞
訂正
編集後記
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