北関東医学
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原著
  • フォトボイスの活用
    堀田 かおり, 石川 麻衣, 佐藤 由美
    2025 年75 巻4 号 p. 337-344
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2026/01/14
    ジャーナル フリー

    目 的:自立した男性高齢者が認識する健康づくりとは何かを明らかにし,自立男性高齢者の健康づくりへの支援のあり方を検討する.

    方 法:A市在住の自立男性高齢者7名を対象にフォトボイスを用いてグループ討議を実施した.

    結 果:撮影写真は,ウォーキング,買い物,家庭菜園,仲間との卓球,朝食等を含む計21枚であった.分析の結果,12コードから5つの主要なテーマ【意識的に行う自分なりの健康維持】【健康と生活に対する自律心】【日常生活における至福のひとときの確立】【人とのつながりの形成】【他者からの刺激による体調管理】が生成された.

    考 察:自立男性高齢者が認識する健康づくりは,人とのつながりを大切にしながら,心身を整え,自律的に自分らしい豊かな生活を築いていく営みであった.自立男性高齢者の健康づくりの支援には,自立男性高齢者が日頃の健康づくりを振り返る機会や高齢者同士で話し合う場の設定が有効である.

  • A Pilot Study
    Shigeya Tanaka, Tetsuya Yamagami
    2025 年75 巻4 号 p. 345-350
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2026/01/14
    ジャーナル フリー

    Background & Aims: Cognitive decline can influence task performance and motor execution during neuropsychological assessments; data on pen-tip movement characteristics during the digital trail-making test-A (TMT-A) remain limited. This pilot study aimed to investigate the relationship between cognitive function and spatiotemporal parameters of pen-tip movements during digital TMT-A in older adults.

    Methods: Twenty-one adults (mean age: 80.4 ± 4.8 years) completed a digital TMT-A task using a stylus on a tablet and were classified as cognitively declined (≤ 23, n=16) or unimpaired (≥ 24, n=5) based on mini-mental state examination scores. Pen-tip velocity, acceleration, and jerk were recorded (sampling rate ≥ 100 Hz), and group differences and task-related changes from a low-cognitive-load practice trial were analyzed.

    Results: Compared with those in the unimpaired group, the cognitively declined participants showed significantly slower mean pen-tip velocity, lower velocity variability, and smaller increases in velocity from practice to test. In contrast, no significant inter-group differences in acceleration and jerk task time, errors, or pen lifts were observed.

    Conclusion: A lower and more stable pen-tip velocity in cognitively declined individuals may reflect greater attentional demands, suggesting pen-motion metrics as indicators of cognitive status in adults.

  • 大腿部バックグラウンド値を用いた個別化プロトコルの開発
    星野 洋満, 髙橋 稔, 佐藤 鈴絵
    2025 年75 巻4 号 p. 351-358
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2026/01/14
    ジャーナル フリー

    背景・目的:腎機能が低下した患者では99mTc-MDPの体内クリアランスが遅延し,診断に寄与しない不必要な放射線被ばくが生じる.本研究は,日常の骨シンチグラフィ撮像から簡便に得られる大腿部バックグラウンド値(以下,BG値と略す)を体内残存放射能の代替指標として用い,腎機能に基づいた実践的な投与量最適化プロトコルを開発することを目的とした.

    対象と方法:2023年1月から12月に前橋赤十字病院で骨シンチグラフィを施行した患者159例を後方視的に解析した.eGFRに基づき患者を慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)分類の5群に層別化し,投与量で正規化したBG値を群間比較した.統計解析にはShapiro-Wilk検定,Levene検定,Kruskal-Wallis検定,Dunnの多重比較検定を用いた.正常腎機能群(G1)を基準とし,各腎機能低下群のBG値比に基づく投与量低減モデルを構築した.

    結 果:対象は乳癌114例,前立腺癌45例.BG値はeGFRと有意な負の相関を示した(ρ=-0.557,p<0.001).G1群と比較し,BG値はG2群で12.7%,G3a群で45.4%,G3b群で101.6%,G4+G5群で129.0%有意に増加した.正規化投与量と骨集積カウント値/BG値比(以下,B/B比と略す)の相関分析では有意な関連性は認められず(ρ=0.118,p=0.138),B/B比は投与量ではなく腎機能によって決定されることが実証された.これに基づき提案する投与量低減率は,G2群で16.1%,G3a群で35.4%,G3b群で47.2%,G4+G5群で54.8%であった.

    結 語:BG値に基づく腎機能別の投与量最適化により,診断に必要な画質を維持しつつ,腎機能低下患者の放射線被ばくを合理的に低減できることが示された.投与量増加は生物学的飽和現象により無効であることが理論的に示され,本プロトコルは追加コストを必要とせず臨床実装が容易で,核医学診療における放射線防護と個別化医療の推進に貢献するものである.

資料
  • 斉藤 瑛梨, 山口 忍
    2025 年75 巻4 号 p. 359-366
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2026/01/14
    ジャーナル フリー

    目 的:本研究は,新任保健師育成に際して中堅保健師が行う相談とその頻度に着目し,実践能力との関連を明らかにすることを目的とした.

    対象と方法:新任保健師の指導経験を有する中堅保健師を対象に,無記名質問紙調査を実施した.調査項目の回答を単純集計した上で,実践能力尺度を従属変数,相談内容別の相談頻度を独立変数とし「高群」「低群」の2群に分類してt検定を行った.

    結 果:新任保健師育成に関する主な相談相手は先輩保健師,直属の上司保健師であった.18項目の相談内容のうち15項目において,相談頻度が高群は低群に比べて実践能力得点が有意に高かった.

    結 語:中堅保健師は,新任保健師の能力や状況に応じた支援を行うために,経験豊富な他者に相談していた.相談頻度が高いと保健師に必要な実践能力も向上する可能性がある.相談しやすい職場風土の醸成が重要である.

  • 国内文献レビュー
    穴沢 みう, 京田 亜由美, 瀬沼 麻衣子, 塚越 徳子, 近藤 由香
    2025 年75 巻4 号 p. 367-374
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2026/01/14
    ジャーナル フリー

    【背景・目的】 終末期を施設で暮らすがん患者は増加しているが,がん終末期の対応に不安がある介護職も多く,医療と介護の連携強化が課題である.本研究は,先行研究から介護事業所や高齢者向け住まいで生活を送るがん終末期患者やその家族を取り巻く関係職種が,どのような目的でどのような連携を実践しているかを明らかにすることを目的とした. 【対象と方法】 医中誌Webを用いて,がん,終末期と施設等のキーワードで検索し,多職種連携が記載されている論文を対象とした. 【結 果】 13文献から29の連携場面を抽出し,看取りに向けた体制の整備,治療方針の検討,関わり方の統一,アセスメント/ケアの保証の4つの方略が導き出された. 【結 語】 多職種連携は,介護職や看護師の不安解消,方針決定,医療的知識の共有による基盤作りなどを目的としていた.一方,介護職が捉えた患者の希望が連携に活かせているかは不明であった.今後は,施設の介護職のアセスメントの視点を明らかにし,医療職との連携促進に向けた支援を検討する必要がある.

  • 小野 芳啓
    2025 年75 巻4 号 p. 375-381
    発行日: 2025/11/01
    公開日: 2026/01/14
    ジャーナル フリー

    目 的:オフィスユロロジーの現場における精管結紮術の標準的手技を提示し,単独術者による周術期成績と習熟過程(ラーニングカーブ)を検証する.

    対象と方法:2010年1月~2025年7月に当院で施行した精管結紮術234例を後方視的に解析した.手技の要点は,正中1か所切開,non-scalpelアプローチ,精管近位端二重結紮,遠位端二重結紮と折返し集簇結紮,内腔粘膜焼灼,1.5 cmの精管切除,創部無縫合である.症例を施行順に5期(各50例,最終期34例)に区分し,手術時間・有害事象・無精子化到達率を比較した.

    結 果:平均手術時間(95% CI)は第1期27.0分(25.8-28.2),第2期25.5分(23.9-27.1),第3期23.0分(21.7-24.3),第4期22.7分(21.5-23.9),第5期21.5分(19.7-23.3)で,第3期以降で有意に短縮した(p=0.00166).有害事象は軽度創部感染0.9%,精巣上体炎3.4%,創部出血・陰嚢血腫2.6%(保存的治療1.7%,要処置0.9%)であった.術後精液検査による無精子化確認率は1回目(術後1か月以降)で93.2%,2回目(術後2か月以降)までで94.9%であった.再手術を要したのは第2期の1例(0.4%)のみで,第3期以降はなかった.精液検査未施行例は11例(4.7%)であったが術前術後の説明強化により175例目以降では術後精液検査の施行率は100%であった.

    結 論:外来環境で単独術者により行う「正中1か所切開・無縫合・二重結紮と遠位折り返し結紮・粘膜焼灼・精管切除」の組み合わせによる精管結紮術は,合併症率が低く,無精子化の到達が早く,無精子化率も高く,オフィスユロロジーに適した再現性の高い手技と考えられる.

流れ
抄録
編集後記
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