北関東医学
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41 巻, 6 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 小林 節雄
    1991 年 41 巻 6 号 p. 799-805
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 山崎 恒夫
    1991 年 41 巻 6 号 p. 807-819
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    瀰漫性老人斑の超微形態を明らかにする目的で4例のアルツハイマー型痴呆の剖検脳の前頭葉と小脳皮質分子層を (1) 抗β/A4蛋白抗体を用いた免疫電顕法, (2) 抗β/A4蛋白染色を施行した準超薄切片と隣接超薄切片の対比観察法, (3) Methenamine 銀染色を応用した透過電顕法を用いて検討した.前頭葉の瀰漫性老人斑は細胞突起間に疎に散在する少量のアミロイド線維と非線維性のβ/A4蛋白沈着からなっており, β/A4蛋白陽性反応は一部の細胞膜上にも認められた.大型の斑ではアミロイド線維の近傍に少数の変性神経突起が観察された.小脳では前頭葉の瀰漫性老人斑に比べて, 非線維性の沈着が主体をなし, 変性神経突起も高率に存在した.以上の結果よりβ/A4蛋白はまず細胞膜及び突起間に非線維性の形で沈着した後, アミロイド線維を形成し, 小脳では線維形成以前に, また前頭葉では形成後に, 変性神経突起が出現するものと考えられた.
  • 稲葉 繁樹
    1991 年 41 巻 6 号 p. 821-831
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    最近の日本人の前立腺ラテント癌および前立腺肥大結節について病理組織学的に検討した.
    1986年6月より1987年11月までに群馬大学医学部で剖検された40歳以上の男性51例を対象に, 発生率, 年齢分布, 前立腺内での発生部位, 病理組織像についてstep-section法を用いて検討した.
    ラテント癌は10例 (19.6%) に認められた.年齢階層別に比較すると, 高齢者になるほど発生率は増加し80歳以上では50%に認められた.
    ラテント癌の発生部位はすべて外側領域で, 前後, 左右, 上下差はなかった.上下方向の分布では, 精丘付近に多く発生していた.
    病理組織学的には高分化腺癌が多く, すべて癌の体積は0.5ml以下であった.
    肥大結節はすべて内側領域に発生し, 膀胱頸部と精丘の中間部を中心に, 大部分前部に発生していた.
    前立腺肥大結節はラテント癌発生の危険因子とは考えられなかった.
  • 北原 徳之, 田村 遵一, 沢村 守夫, 小林 充, 川田 悦夫, 矢野 新太郎, 大久保 泰宏, 村上 博和, 久保田 一雄, 小峰 光博 ...
    1991 年 41 巻 6 号 p. 833-836
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    症例は74歳の女性で, 1990年8月貧血と血小板減少の再精査目的で入院した.既に, 10か月前に鉄芽球性貧血と診断され, 繰り返し輸血を受けていた.診断を確認し, ビタミンB6, 蛋白同化ホルモン, 及びビタミンD3を投与したが効果はなかった.この入院中, 抗サイログロブリン・マイクロゾーム抗体陽性, 血清free T3低値から, 慢性甲状腺炎の併発と診断した.抗グロブリン試験陽性と血小板関連IgG増加所見は繰り返しの輸血による結果と考えられた.Natural killer活性は低下, CD16, CD56, CD57陽性細胞も減少していた.さらに, CD4/CD8比は著明に上昇し, また, 抗セントロメア抗体も認められた.これらの成績から, 骨髄異形成症候群の本例には免疫異常がある可能性が示唆される.
  • 田中 卓, 山崎 博子, 中里 洋一
    1991 年 41 巻 6 号 p. 837-843
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    頭蓋内の血管性腫瘍14例 (血管芽腫5例, 血管周皮腫7例, 血管芽腫型髄膜腫2例) につき免疫組織化学的検索を行った.血管芽腫型髄膜腫はEMAが陽性であったが, その他の腫瘍はすべて陰性であり, EMA免疫染色は血管芽腫型髄膜腫と, その他の血管性腫瘍の鑑別に有用である.血管周皮細胞はα-smooth muscle actinが陽性であるが, 血管周皮腫の腫瘍細胞はこのマーカーが陰性であり, 腫瘍細胞の由来を血管周皮細胞に求める根拠は得られなかった.血管芽腫のstromal cellはtubulinが陽性であったが, actinやfactor VIII関連抗原は陰性であり, 血管周皮細胞や内皮細胞からの由来とは考え難い.
  • 石埼 恵二, 荒井 賢一, 藤田 達士
    1991 年 41 巻 6 号 p. 845-851
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    腫瘍壊死因子 (TNF) をウィスター系ラットに投与しLD50を求めた.LD50は1.47mg・kg-1であった.LD80のTNFを投与すると著明な代謝性アシドーシス, ヘマトクリットの上昇, 逸脱酵素の上昇, 血清kの上昇がみられた.TNFによるショックに対しシクロオキシゲナーゼ合成阻害薬インドメサシンおよび血小板活性化因子拮抗薬CV-3988を前投与したところ5時間後の死亡率が有意に改善した.また代謝性アシドーシス, 逸脱酵素の遊離, 血清Kの上昇が抑制された.以上の結果よりTNFによるショックでは, プロスタグランディン系と血小板活性化因子が深く関与しているものと考えられた.
  • 細見 修, 竹屋 章
    1991 年 41 巻 6 号 p. 853-859
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    ヒト血漿に含まれるUDP-GlcNAc : Gal β1-4Glc (NAc) β1-3N-acetylglucosaminyltransferaseには陽イオン交換体, CM-Sepharose, に結合するもの (Hosomi et al. 1989, JPn. J. Med. Sci. Biol., 42, 77.) 以外に, このゲルに結合しないN-acetylglucosaminyltransferase (GlcNAc-transferase) が含まれることを明らかにした.そして, この酵素の活性画分は陰イオン交換体のDEAE-sepharoseによって更に二つの活性画分に分離された (GNA-TIII, GNA-TIV).これらのGlcNAc-transferaseの反応には2価金属のMn2+を必要とし, 反応の至適pHは7.5-8.5の範囲にあった.N-acetyllactosamine (Gal β1-4GlcNAc) とlactose (Gal β 1-4Glc) に対するKm値は, それぞれ8.8-9.2と12.3mMであった.これらの酵素で生成された14C又は3H標識のGlcNAc-Gal β 1-4Glcを分解酵素やメチル化によって調べると, 共にGlcNAc β 1-3Gal β 1-4Glcであることが判明した.また, それらGlcNAc-transferaseの分子量を測定すると, 共に約130,000であった.
    これらから, 今回部分精製した二つのGlcNAc-transferaseは, 共に, lactoseのgalactoseにβ1-3でN-acetylglucosamineを転移する酵素であることが明らかになった.
  • 相崎 雅弘, 安東 立正, 石川 仁, 浅海 秀一郎, 宮本 幸男
    1991 年 41 巻 6 号 p. 861-865
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    S状結腸及び直腸疾患の手術の際, 高齢者や全身状態の悪い患者においても, 人工肛門造設を伴う術式よりも可能な限り吻合術式が選択される様になってきた.以前はこれらの際に経鼻用airwayを用いて肛門管内減圧を行っていたが, これは内腔の閉塞を来し易く, 閉塞や脱落の日以降ドレーンの汚染をしばしばみ, 以後の治療に難渋した症例を多く経験した.
    このため我々は麻酔器接続用蛇管を用いた肛門管内減圧法を採用し, 平成元年中14例に対し本法を行い, 良好な結果を得たので若干の考察を加え報告する.
    本法は廃物利用であり, また術前にイレウス状態であった症例では特に有用と考えられ, 軽度の縫合不全を見た例でも内腔の閉塞を全くみず, 十分な減圧効果を得られるため, 術後の縫合不全対策としても有効な方法であると考えられる.
  • 富沢 直樹, 田中 純, 鯉渕 幸生, 石川 仁, 浅海 秀一郎, 宮本 幸男
    1991 年 41 巻 6 号 p. 867-878
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    希な成人型腸間膜嚢胞の2症例を経験したので, 2症例をふくめて本邦の1983年以降の21症例について, 年齢, 嚢胞内容, 嚢胞壁の病理所見について文献検討をした.年齢20-40歳台が最も多く, 60歳以上が5例みられ, 最年長は81歳の女性であった.嚢胞は単胞性9例, 多胞性5例, その内容液の性状は乳ビ性12例, 漿液性5例, 記載なし4例であった.嚢胞壁の病理所見は平滑筋をもった上皮細胞9例, 上皮細胞だけのもの1例, 結合織のもの4例, 記載無し4例であった.嚢胞は約半数はリンパ系由来であった.嚢胞成因の診断は嚢胞壁の病理所見のみならず, 内容液の生化学的検査が重要である.また, 超音波, CT所見も有用である.
  • 田村 芳美, 中沢 康夫, 村上 正己, 小野 芳啓, 中田 誠司, 黒川 公平, 鈴木 孝憲, 山中 英寿
    1991 年 41 巻 6 号 p. 879-884
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    患者は67歳, 男性.1990年7月30日, 高血糖を伴った悪寒, 発熱, 左側腹部痛にて緊急入院となった.CTにて左腎にガス像を認めたため気腫性腎盂腎炎と診断した.保存的に経過観察したが解熱傾向なく, 8月6日左腎摘出術を施行した.術後経過良好のため8月30日 (第32病日) に退院となった.摘出標本では膿瘍壁は一部で穿破寸前に稀薄化しており, 内容は黄褐色の膿とガスで満たされていた.本症は難治性の重傷感染症であり, 自験例のように機を逸することなく腎摘出術に踏み切ることが重要と思われた.
  • 設楽 利二, 岡田 恭典, 斎川 紀子, 由上 伸一郎, 外松 学, 井嶋 裕子, 黒梅 恭芳, 山川 通隆, 三橋 紀夫, 新部 英男
    1991 年 41 巻 6 号 p. 885-891
    発行日: 1991/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    急性骨髄性白血病 (AML) の小児に行った同種骨髄移植の一例を報告した.患児は初発時13歳の男児で, FAB分類M2のAMLと診断された.化学療法により完全寛解が得られたが, 骨髄再発ならびに中枢神経系再発を合併した.そこでHLA一致の妹からの同種骨髄移植を行った.前処置としては全身照射3Gyを4日間, 計12Gyとetoposide (60mg/kg) およびcytosine arabinoside (3g/m28回) の投与を行った.照射終了後から白血球は急激に減少し, 無菌室に収容して完全無菌管理を行った.移植後は順調に経過し, 移植後25日目の染色体分析にて女性型の核型が認められ生着が確認された.現在は維持療法は行わず経過観察中である.骨髄移植は最先端の先進医療として注目されている治療法で, 本症例も従来の治療では再発を繰り返し, 治癒の見込みは無いと思われたが, 骨髄移植後順調な経過を辿っている.
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