北関東医学
Online ISSN : 1883-6135
Print ISSN : 0023-1908
ISSN-L : 0023-1908
42 巻, 6 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 黒住 一昌
    1992 年 42 巻 6 号 p. 527-543
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 沢村 守夫
    1992 年 42 巻 6 号 p. 545-553
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    マウス形質細胞腫細胞株由来の細胞クローンMD90はマウス及びヒトのInterleukin (IL-) 6に反応して増殖するがIL-1β, IL-2, IL-3, IL-4, IL-7, Interferon (IFN) -γ, Tumor necrosis factor (TNF) -α, Granulocyte/macrophage-colony stimulating factor (GM-CSF), Lipopolysaccharide (LPS) には反応しないことを明らかにした.IL-5もまたIL-6に比べると弱いながらMD90細胞の増殖を促進する.各々のサイトカインに対する抗体を用いてMD90細胞のサイトカインに対する反応特異性を確認し, このクローン細胞がIL-5とIL-6に反応して他の因子の影響を受けることなく増殖することを示した.以上の結果から, MD90クローン細胞がIL-5とIL-6の簡単なバイオアッセイに用いることが可能であることと抗IL-5抗体と抗IL-6抗体をバイオアッセイに用いることによってIL-5とIL-6とを区別して生物活性を求め得ることを明らかにした.
  • ヒドララジンによる影響との対比
    安達 仁
    1992 年 42 巻 6 号 p. 555-564
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    慢性期心不全心のカテコラミンβ受容体系に対するアンギオテンシン変換酵素阻害薬の効果を, 後負荷軽減作用を持つヒドララジン (Hyd) の効果と比較検討した.心筋梗塞を作製したラットを用い, 心筋梗塞作製2週目から4週間, カプトプリル (Cap) あるいはヒドララジンを投与し (MI (Cap) 群, MI (Hyd) 群), 無投薬の心筋梗塞群 (MI (N) 群) と比較した.β受容体量はMI (N) 群に比較して, MI (Cap) 群では増加しなかったが, MI (Hyd) 群では有意な増加を示した.イソプロテレノール刺激による心筋細胞膜のcAMP産生能は, 両薬剤投与群共にMI (N) 群に比べて有意な増加を示した.フォルスコリン刺激によるcAMP産生能は, 両薬剤投与群共にMI (N) 群と比較して増加しなかった.以上より, カプトプリルはβ受容体以後, かつアデニレート・シクラーゼ以前, つまりG蛋白質に作用する可能性が考えられた.これは, 受容体量を増加させてカテコラミン応答性を維持するヒドララジンとは異なる機序である.
  • 舘野 円
    1992 年 42 巻 6 号 p. 565-575
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    201Tl (タリウム) は心筋の血流分布に応じて心筋に取り込まれるのに対し, ノルアドレナリンの誘導体metaiodo-benzylguanidine (MIBG) は, 交感神経の分布を反映すると期待される.そこで虚血性心疾患患者に201Tlと123I標識MIBGを投与し, single photon emission CT (SPECT) 像を撮影したところ, ともに正常心筋に集積し, 梗塞部には集積しなかった.ただ, 123I-MIBGの欠損域は201Tlの欠損域よりも広いことが認められた.心筋の血流と交感神経の分布の違いの意義を追究するため, ラットに実験的に作成した心筋梗塞モデルを用いて, 125I-MIBGと201Tlの心筋分布をオートラジオグラフィで確認するとともに, 交感神経線維の分布を, 蛍光顕微鏡と電子顕微鏡で観察した.心筋梗塞発症後18時間以上経過したラットでは, 125I-MIBGと201TlClの分布は一致し, MIBGは心筋組織内カテコラミン顆粒の分布を反映していた.しかし梗塞発症6時間後のラットでは, 125I-MIBGの欠損域は, 201Tlと一致しない部分が見られ, 同部では交感神経varicosity内のカテコラミン顆粒が消失しているものの, 心筋・神経細胞の変性は認められなかった.123I-MIBGによる心筋シンチグラフイは, 心筋梗塞病変のカテコラミンの分布を忠実に反映しているため, 急性期の梗塞心筋における201TlとMIBGの分布の違いを生じるものと考えられた.
  • 急性胃粘膜病変発生成因の観点からの検討
    小板橋 宏
    1992 年 42 巻 6 号 p. 577-595
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    シンコフェン (cinchophen) 誘発ストレスが赤血球表面形態に及ぼす影響を走査電子顕微鏡にて調べ, とくに急性胃粘膜病変発生成因の面から検討を加えた.ストレス量 (400mg/kg) のシンコフェンを腹腔内投与すると, 投与後60分で赤血球変形が最も強くなることを証明した.In vitroのステロイド (dexamethasone) 高濃度 (5mg/ml) 処理実験で, 赤血球はシンコフェン大量 (400mg/kg) 腹腔内投与後の変化と全く同様の形態変化を示した.さらに, ビタミンEは赤血球の変形に抑制的に働くことを形態学的に証明した.以上より, AGML (acute gastric mucosal lesion) 発生機序における血液レオロジー変化説の概念を形態学的に証明し得た.血液レオロジーの面から, ビタミンEはストレス時のAGML発生の抑止力になる可能性が示唆された.
  • 福田 敬宏
    1992 年 42 巻 6 号 p. 597-604
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    ヒト胃癌組織においては, 嫌気的解糖亢進を示すLDH4, 5の上昇や腸上皮化生に関連するalkaline phosphatase (以下ALP) 活性の増強が特徴的酵素変化として報告されている.そこで, MNNG (以下NG) 誘発ラット胃癌を用い, これ等の酵素について1) 胃腫瘍と腫瘍周辺の健常胃粘膜との差異, および2) NG投与過程におけるNG投与と非投与群間で胃粘膜での経時的変化を比較することにより, ヒト胃癌組織に見られる酵素変化がNG胃発癌の過程ではどのような時期に相当して発現するかを検索し, 以下の結果を得た.1) 発生胃腫瘍は周辺健常胃粘膜に対し, ALPとLDH5が有意に高く, LDH1が有意に低かった.2) NG投与群の経時的酵素活性変化は, 非投与群に比し, ALPが生後20週以後に, LDH5が胃底腺領域で生後40週以後に有意に高値となった.3) 腫瘍発生は生後40週以後であり, 胃粘膜の酵素活性は腫瘍発生に先行して亢進しており, 胃粘膜には代謝面で早い時期から発癌環境が準備され, さらに促進されていることがわかった.
  • 新木 正隆
    1992 年 42 巻 6 号 p. 605-615
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    胃底腺粘膜のヒスタミンやポリアミンが, 胃潰瘍発生および修復に関与していると考えられる. 胃潰瘍を引き起こすデキサメサゾン (DX) や他のグルココルチコイドのヒスタミンおよびポリアミン代謝への効果をラットにて検討した.胃底腺粘膜のヒスチジン脱炭酸酵素 (HDC) 活性は, DXを0.4mg/kg以上皮下投与後4時間で有意に上昇した (P<0.01).一方, オルニチン脱炭酸酵素 (ODC) 活性は, 4時間で上昇し, 16時間まで高値を保った.血清ガストリン値は, DX投与後4時間では, 有意な上昇を示さず, 8時間及び16時間後にはじめて有意な上昇を示した.ベータメサゾンもほぼ同様な効果を示したが, prednisoloneやtriamcinolone投与後には有意の変化がみられなかった.以上より, DXはラット胃底腺粘膜でのヒスタミンおよびポリアミンの代謝に直接あるいはガストリンを介して間接に, 影響を及ぼすと考えられる.
  • 武 仁, 田村 遵一, 松島 孝文, 沢村 守夫, 村上 博和, 成清 卓二, 土屋 純
    1992 年 42 巻 6 号 p. 617-621
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    著明なCD4/CD8比低下を認めた多発性骨髄腫の一例を報告し, 本症の液性免疫不全に対する細胞性免疫の関与について文献的考察を加えた.症例は57歳, 女性.経過中, CD4陽性細胞 (以下CD4+) 減少, CD8陽性細胞 (以下CD8+) 増加に伴うCD4/CD8比の著明な低下を示し, two-color flow cytometryを用いた検索では, CD8+およびCD57+の増加が認められた.本症でみられる液性免疫不全には, 一部にCD4+減少が関与することも示唆されており, 本症例はその説を支持する結果であった.今後はNK細胞系を含むCD8+の亜分画の検索も併せて行う必要があると思われた.
  • 冨岡 邦昭, 鈴木 英樹, 井上 登美夫, 松本 満臣, 長谷川 昭, 遠藤 啓吾
    1992 年 42 巻 6 号 p. 623-634
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    PACS (Picture archiving communication system) に付随して, 画像診断, 生理機能検査の報告書システムが病院情報システムに導入される.そこで, 群大病院に勤務する18診療科の医師100名を対象に, 画像診断及び生理機能検査報告書の利用・保存状況及び評価をアンケート方式で調査した.回収率は83%であった.単純X線, 造影X線, 超音波, CT, MRI, 核医学検査及び, 心電図, 脳波, 心エコー, 筋電図・神経伝達速度の生理機能検査の報告書は, 依頼した医師の80%以上で利用されている.比較的ルーチンワークとして施行される検査でも報告書は必要であり, 報告書の内容は臨床問題に呼応したものでなくてはならない, また, フィルムや記録データとの対応を良好にするために, 適当なシェーマの付記が必要であるという点では多くの医師の意見が一致していた.しかし, 表記言語や記載内容の範囲, 重点的に読まれる内容等については, 医師の経験年数, 専門によって差異が認められた.報告書システムには医療施設の特質に加えて, 医師・診療科の多様性に対応する必要がある.
  • 小暮 公孝, 都築 靖, 村谷 貢, 小川 晃夫, 石崎 正利, 根本 雅明, 飯島 俊秀
    1992 年 42 巻 6 号 p. 635-642
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    屍体肝5例の左外側区域の門脈, 肝動脈, 胆管, 肝静脈の分岐形式について検討した.門脈, 肝静脈の分岐形式には基本的に大きな差異が見られなかったが肝動脈, 胆管の分岐形式にはvariationが認められた.臨床例では左外側区域切除が行われた肝内結石症2例, 転移性肝癌1例, 原発性肝癌3例に検討を加えた.左外側区域切除手技では経肝円索法が5例に, 経鎌靱法が1例に行われた.経肝円索法は左外側枝を根部で切離できたが経鎌靱法では1cmほど左外側枝が遺残してしまい前者のほうが根治的手術が可能であった.しかし, 肝動脈と胆管の走行にはvariationが多いいので経肝円索法を行う場合には内側区域に入る脈管を損傷しないよう注意が必要である.なお, 悪性腫瘍における左外側区域切除術の適応は内側区域への門脈腫瘍栓の進展を念頭にいれて決定されるべきである.
  • 吉田 一郎, 石川 進, 大滝 章男, 大谷 嘉巳, 坂田 一宏, 相崎 雅弘, 佐藤 泰史, 森下 靖雄
    1992 年 42 巻 6 号 p. 643-646
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    1987年から1992年の6年間に当科で手術した両側気腫性肺嚢胞について, 術式を中心に検討した.10例中8例に, 胸骨正中切開による両側同時開胸を行い, 両側の嚢胞切除を行った.特に合併症はなく, 全例に自覚症状の改善を見た.横隔膜上にある下葉の巨大嚢胞を除いては, 胸骨正中切開による手術が可能であり, 両側気腫性肺嚢胞に対しては胸骨正中切開による両側同時手術が望ましいと考えられた.
  • 佐藤 泰史, 津田 京一郎, 浜田 芳郎, 石川 進, 大滝 章男, 大谷 嘉巳, 坂田 一宏, 市川 秀昭, 高橋 徹, 森下 靖雄
    1992 年 42 巻 6 号 p. 647-653
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    3例の慢性期Stanford A型解離性大動脈瘤に対し, 超低体温循環停止法に持続的逆行性脳灌流を併用し, 上行及び上行・弓部大動脈人工血管置換術を行なった.手術は, 体外循環下に上行大動脈中枢側吻合を開始し, 食道温が14~15℃に達した時点で循環を停止, 末梢側または弓部大動脈置換を行なった.循環停止後30~40分で持続的逆行性脳灌流を開始, 上大静脈圧を15~20mmHgに維持するように送血量 (120~550ml/min) を設定した.循環停止時間は56~101分であった.3例とも, 簡便かつ安全に上行及び弓部大動脈再建を行い得, 逆行性脳灌流時間が長いものに覚醒が遅延する傾向があったが, 神経学的欠損症状は残さず, 本法により満足すべき脳保護が得られた.
  • 村田 滋喜, 小谷野 哲也, 狩野 基, 岸 成一郎, 安斎 徹男, 森下 靖雄
    1992 年 42 巻 6 号 p. 655-659
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    肩に発生した隆起性皮膚線維肉種の1例を経験した.症例は24歳の女性で, 約10年前より右肩腫瘤に気付いていたが, 昨年より急速に増大したため来院した.右肩に8.4×6.8cm大, 弾性軟, 表面に毛細血管の拡張をみる楕円形の腫瘤を認めた.超音波検査で, 周囲組織とは明確に境界された内部均一な低エコー像を認めた.手術所見は境界比較的明瞭だが, 皮膚に半ば固定しており, 表面は血管が豊富で, 筋膜との固定はなかった.組織学的には典型的な隆起性皮膚線維肉種像を示した.切除後再発防止のためLinac照射を行い, 経過観察中であるが再発の徴はない.本症は皮膚に生じる腫瘍であり, 本邦報告例は比較的稀なことから報告した.
  • 大和田 進, 柳澤 昭夫, 柳沢 孝之, 竹吉 泉, 棚橋 美文, 蒔田 富士雄, 宮本 幸男, 森下 靖雄
    1992 年 42 巻 6 号 p. 661-666
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    患者は54歳の女性で発熱, 粘血便, 下腿潰瘍, 肘関節の腫張と疼痛で入院した.下腿潰瘍は細菌培養が陰性の膿疱であり, 関節炎はリウマチ反応陰性で, 大腸内視鏡検査とその生検組織は潰瘍性大腸炎の活動期の所見であった.関節炎と壊疽性膿皮症を合併した初回発作型, 重症活動期の潰瘍性大腸炎と診断した.salazosulfapyridine (3.0g) の経口投与とprednisolone (30mg) の注腸投与による治療を開始し, その後, prednisolone (30mg) を経口投与に変えた.関節炎は赤沈やCRPの正常化と大腸炎の軽快とともに2週間で変形を残さず治癒したが, 壊疽性膿皮症はPovidone-Iodine sugarの局所処置を行い約3ヶ月で軽快した.
    潰瘍性大腸炎の腸管外合併症には, 皮膚病変, 関節炎, 虹彩炎, 肝障害や硬化性胆管炎などがある.関節炎と壊疽性膿皮症を合併した本邦報告は6例と少なく, 集計して報告する.
  • 田村 雄次, 井上 敏克, 富塚 正
    1992 年 42 巻 6 号 p. 667-673
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    特発性間質性肺炎は, 原因不明の予後不良の疾患である.今回我々は, 不明熱を呈し, ステロイドパルス療法の奏効した急性型特発性間質性肺炎の一例を経験したので報告する.症例は71歳, 女性.発熱, 全身倦怠感, 多発関節痛を主訴に当院外来を受診し, 精査加療目的で入院となった.当初肺炎を疑い, 抗生剤治療をおこなったが効果なく, 不明熱としての検索をおこなった.入院後, 呼吸状態の悪化が進み, 胸部X線所見や肺機能検査の結果から急性型特発性間質性肺炎と診断した.治療はステロイドパルス療法 (メチルプレドニゾロン総量6,000mg) をおこない, 病状の著明な改善をみた.さらに免疫抑制剤サイクロフォスファマイドとの併用により, ステロイド剤の減量をおこなっている.急性型特発性間質性肺炎としてまとめられる疾患には, ステロイドパルス療法に効果をしめす群としめさない群があることが明らかになってきた.そのため, 病態に応じた新しい分類と, 治療法の選択の必要性がある.
  • 小川 晃, 杉原 志朗, 久保田 幸夫, 本間 学
    1992 年 42 巻 6 号 p. 675-681
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    剖検時に潜伏腫瘍としてみとめられた膀胱原発の傍神経節腫の一例を報告する.症例は心室中隔欠損症の経過中に心不全により死亡した46歳の女性で, 膀胱に7個の腫瘍からなる傍神経節腫がみとめられた.最大の腫瘍は直径3mmで, 筋層浅部にあり, その周囲の筋層に顕微鏡的な腫瘍が6個みとめられた.多発性内分泌腫瘍には多中心性腫瘍の症例があり, またMarfan様体型を伴うものが報告されているが, 本例は多発性内分泌腫瘍ではなかった.膀胱原発の多中心性の傍神経節腫としては7番目の報告症例である.
  • 1992 年 42 巻 6 号 p. 683-686
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 42 巻 6 号 p. 687-693
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top