日本脳神経漢方医学会誌
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最新号
日本脳神経漢方医学会誌
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
総説
原著
症例報告
  • 中江 啓晴, 草鹿砥 宗隆, 小菅 孝明
    2025 年10 巻1 号 p. 52-55
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/20
    ジャーナル フリー

    患者は43歳,男性。激しい頭痛,左眼瞼下垂,左三叉神経第1枝,第2枝領域の感覚障害を認め,脳MRIを施行された。左前頭洞の急性副鼻腔炎,急性鼻副鼻腔炎による頭痛,急性副鼻腔炎による不全型Raeder症候群と診断した。クラリスロマイシンと葛根湯の2週間投与で頭痛,左眼瞼下垂は改善傾向となったが,左三叉神経領域の感覚障害は残存した。十味敗毒湯を4週間投与したところ感覚障害は改善し,画像所見の改善も得られた。十味敗毒湯は副鼻腔炎の治療選択肢になりうる。

  • 倉本 尚美, 松下 明, 松村 明
    2025 年10 巻1 号 p. 56-60
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/20
    ジャーナル フリー

    半夏厚朴湯は,サブスタンスPを増加させることで嚥下反射が改善すると考えられているが,その効果に対する科学的エビデンスは十分ではない。本研究は,簡易に嚥下音データが取得可能なデバイスを活用し,定量的分析を用いて半夏厚朴湯が嚥下反射に与える影響を検証した。入院中の小脳出血既往患者 (26歳・女性) を対象とし,半夏厚朴湯の内服開始前後の嚥下音データを分析に用いた。結果,嚥下反射時間の短縮傾向がみられ,半夏厚朴湯が嚥下反射に有用である可能性が示唆された。

  • 山田 哲久, 名取 良弘, 甲斐 康稔
    2025 年10 巻1 号 p. 61-66
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/20
    ジャーナル フリー

    69歳女性で特記すべき既往歴なし,頭部CTでくも膜下出血があり,コイル塞栓術を施行しクラゾセンタンナトリウム投与を開始した。肺水腫に対してフロセミド,ニトログリセリンを投与した。漢方薬として五苓散,木防已湯を併用した。肺水腫は徐々に改善した。五苓散は肺水腫が生じてからは効果が乏しいと考えられた。たこつぼ心筋症を併発した場合にはニトログリセリンと木防已湯の併用で効果を期待できる可能性が考えられた。

  • 竹内 浩明, 伊藤 義幸, 山田 真輔, 山田 慎太郎, 菊田 健一郎
    原稿種別: 症例報告
    2025 年10 巻1 号 p. 67-70
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/20
    ジャーナル フリー

    今回,我々は,五苓散内服中に 「しぶり腹」 が悪化した症例と,柴苓湯内服中に 「間質性肺炎」 を発症した症例を報告し,脳神経外科領域で汎用される五苓散と柴苓湯の副作用に関して検討した。五苓散は重大な副作用がなく,比較的安全な漢方薬ではあるが,しぶり腹 (tenesmus) の時には,内服不可となっており,大腸炎での投与は控えることが望ましい。柴苓湯は五苓散と小柴胡湯の合剤であるが,しぶり腹でも使用可能である。しかしながら,間質性肺炎や偽アルドステロン症などの重大な副作用があり,高齢者および肝疾患既往,サイアザイド系およびループ利尿薬,インスリン,副腎皮質ステロイド,甲状腺ホルモン薬,アスピリンなどの併用薬内服の患者には,投与を控えることが望ましい。また投与後も発熱,呼吸器症状および肝機能障害のチェックが必要である。

  • 玉野 雅裕, 高橋 元, 大城 信之, 岡村 麻子, 加藤 士郎, 中村 優子, 小倉 絹子
    2025 年10 巻1 号 p. 71-77
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/20
    ジャーナル フリー

    便秘症の悪化 (痙攣性便秘) とともに,アルツハイマー病 (Alzheimer disease: AD) の諸症状が急激に悪化した症例に,大建中湯を投与したところ,便秘の回復とともに諸症状の顕著な改善を認めた症例を経験した。近年,認知症の発症,進行には脳腸相関の関与が指摘されている。便秘症により,腸内細菌叢の多様性が障害され,増加した悪玉菌 (有害菌) により,腸管粘膜バリア機能の劣化から,腸管壁透過性の促進を生じ,腸管内の物質 (悪玉菌の代謝産物など) が腸管神経~迷走神経,血液循環,免疫系を介して,脳神経に作用し,認知機能障害を引き起こす可能性が考えられる。本症例の著効要因としては,大建中湯の便秘改善作用 (腸管運動を的確に調節) と配合生薬;膠飴による腸内細菌叢是正効果により,悪玉菌の代謝産物が減少し,さらに腸壁のバリア機能が正常化し,脳腸相関の悪循環が断ち切られた可能性が考えられる。認知症治療における大建中湯の有用性が示唆された。

  • 中村 丈洋, 菱川 朋人, 塩田 敦子, 甲斐 里沙, 中村‒丸山 恵美, 氷見 直之
    2025 年10 巻1 号 p. 78-82
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/20
    ジャーナル フリー

    牛車腎気丸は主に加齢による腎虚が関係した冷えや下肢痛に対して使用され,脳神経系領域においても大変有用な漢方製剤である。比較的若年女性の両下肢痛 (原因不明) の症例で,小腹不仁がみられたことから腎虚と判断し牛車腎気丸を投与し奏功したので,若年の腎虚に関する考察も含めて報告する。

編集後記
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