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神戸市立病院紀要
Online ISSN : 2434-7590
Print ISSN : 0286-455X
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原発閉塞隅角病(PACD:Primary Angle Closure Disease)
栗本 康夫
2024 年 62 巻 p. 1-7
発行日: 2024年
公開日: 2024/04/22
DOI
https://doi.org/10.32301/kobecityhospital.62.0_1
研究報告書・技術報告書
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我が国における中途失明原因の第1位である緑内障は開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障に大別される。このうち原発性の開放隅角緑内障に対する根治的治療は存在せず治癒させることもできないので疾患管理が治療の基本となるが、原発閉塞隅角緑内障(PACG)については早期に診断して適切に治療すれば事実上の治癒にもちこむことができる。一方で、PACGは適切な診療が行われなければ視機能の予後は悪く、失明リスクは開放隅角緑内障の3~5倍とされる。PACGは正しく診断して適切な治療を行うことが特に重要な病型であり、医療者の責務は重い。本稿のタイトルである原発閉塞隅角病(PACD)はPACGの前駆病変を包含する新しい用語であるが、近年、国内外での緑内障の大規模疫学調査の知見や前眼部画像診断法の進歩によりPACDの病態への理解が進み疾患概念が大きく変更され、新たな用語の導入と共に分類や治療方針もアップデートされた。本稿では、今日におけるPACD診療のありかたについて概説する。
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(2573K)
ケースレポートからみえるA病院の看護の特徴
杉原 陽子, 荒木 敬雄, 新田 和子, 山本 和代, 別府 清香
2024 年 62 巻 p. 9-16
発行日: 2024年
公開日: 2024/04/22
DOI
https://doi.org/10.32301/kobecityhospital.62.0_9
研究報告書・技術報告書
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本研究は、A病院の看護師が著している看護を明らかにすることを目的にした。過去5年のケースレポートのうち13本を対象とし、質的に分析した。結果、看護師は【治療やケアへの拒否を患者の苦痛として捉え(る)】、【苦痛の少ない処置や方法を探求(する)】し、症状の軽減を図っていた。回復に時間を要する患者の場合は【患者の状況を目標達成過程であると肯定的に捉え(る)】、【セルフケアレベルを下げないことを重視する】ようにしていた。患者、家族の【素直な気持ちを受け止め(る)】、【患者のできることを見つけ続け(る)】ていた。そして、患者の特徴や背景に注目し【生活で大切にしていることと治療を継続することの折り合いを図(る)】り、個別性のある看護を行っていた。これらの特徴は、A病院の患者の特徴に合わせた看護として汎用性が高いことが示唆された。
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(2494K)
当院における終末期医療としての腹膜透析
髙田 風, 桂 健介, 林田 珠奈, 堀川 聖之輔, 三島 奈都美, 伊藤 誠二, 大﨑 啓介, 吉本 明弘
2024 年 62 巻 p. 17-24
発行日: 2024年
公開日: 2024/04/22
DOI
https://doi.org/10.32301/kobecityhospital.62.0_17
研究報告書・技術報告書
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【背景】我が国の透析導入年齢は高齢化の一途を辿り、終末期医療としての腹膜透析(Last PD)の需要が高まりつつある。当院の2022年度のPD導入件数は14例であり、うちLast PDは5例だった。このうち、特に参考になった2症例について報告する。<症例1>肝硬変のある73歳男性。膵頭十二指腸切除術後、3~5L/日の腹水排液が持続し、腎機能は増悪傾向となった。血液透析(HD)は頻回な血圧低下のため施行できなかったため、PDを導入した。腹水を含む排液量は1~2L/日に安定し、 自宅退院を達成した。<症例2>79歳男性。高次脳機能障害があり、妻と次男の介護を受け生活していた。末期腎不全に対し透析用カテーテルでHDを導入したが、透析中に安静が保てず、常時付き添いを要したため、家族がPDを希望した。PDカテーテルを自己抜去するリスクがあったため、左側腹部に出口部を作成してPD導入した。【考察】終末期の患者や日常生活行動(ADL)が低下した患者、HDが困難な患者にPDを導入することで、自宅退院を達成し得る可能性がある。
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