高分子
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17 巻, 8 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 田中 武英
    1968 年 17 巻 8 号 p. 721
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • 長谷川 正木
    1968 年 17 巻 8 号 p. 722-726
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    現在の固相重合の研究はγ-線によるものがほとんどであるが,最近,工業技術院繊維工業試験所では,紫外~可視光線による固相重合の本質が広範囲に研究され始め,いままでに相当数の,主鎖中にシクロブタン環を有する新ポリマーが合成されている。光固相重合は,γ-線固相重合に比べ,単に反応を起こすための波長に相違があるということに止まらず,その結果,生成する化学結合様式,重合機構,生成ポリマーの結晶性や溶液挙動など,むしろ,どの一つをとってみても,それぞれの分野に重要な問題を提供している。典型的な例として,2,5-ジスチリルピラジンの結晶に太陽光を当てると,分子中の2個のオレフィン結合が開いて逐次的にシクロブタン環を形成しつつ整然とした線状ポリマーとなり,その分子量は時として50万を越える。生成ポリマーは,偏光顕微鏡視野下で美しく輝いた結晶として観察され,その結晶性は既存ポリマー中最高の部類に属する。まだほとんど未開拓のこの分野における研究の中間報告的展望をここに述べる。
  • 島内 武彦, 安部 康明
    1968 年 17 巻 8 号 p. 727-734
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    化学構造とゴム弾性との関連の問題は,分子内要因に関するものと分子間要因に関するものとにわけられる。ここでは分子内要因をとりあげ,天然ゴムおよびグッタペルカであるシス-およびトランス-1,4-ポリイソプレンについて,そのモデル化合物の回転異性から高分子鎖のコンフォメーションについて得られた知見を述べる。高分子鎖がゴム弾性を持つための分子内要因は,1軸平均の回転異性体数で表わすことができる。天然ゴム,実用されている合成ゴムはいずれも大きい回転異性体数を持っている。
  • 宮沢 辰雄
    1968 年 17 巻 8 号 p. 735-739
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    物質について,ミクロの分子レベルで調べるには,X線,赤外線などの波をあてたり,電子,中性子などの粒子をあててみる。もし分子とかかわりあいができると, 方向がそれたり, 波長とかエネルギーが変わったり, あるいは吸収されたりする。そこで,あてたものがどのように変わったかを調べると,分子の様子を探ることができる。この解説では,中性子を高分子にあててみると,なにを探りだせるかについて述べる。いまのところ,ポリエチレンの中性子散乱がもっとも詳く調べられているので, これを研究例にして解説する。この方法は,結晶領域に限らず,非晶領域について調べるのにも,かなり役立つようになることが期待できる。
  • 金丸 競
    1968 年 17 巻 8 号 p. 740-749
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    米連邦政府が1960年公式名として採用したいわゆるMaterials Scienceに対しては,物性を経緯とはするが,材料開発という本来の使命を考慮するにむしろ工学の一分野と考えて,邦語としては「物性工学」がその適当な称呼と考える。今後益々開発の予想される複合材料が端的に物語るように,物性工学における高分子の占める割合は今さらいうまでもない。Materials Scienceのとくにミクロな立場に立つ分野が,ときに分子工学(molecular engineering)となづけられることに照応し,高分子分野の物性工学に対し「高分子物性工学(molecular eng. of high polymers)」なる名称は,よく内容と体を表わす称呼として提唱したい。さて多孔質組織を対象とする高分子物性工学には,高分子技術を工学の体系としてながめるに(1)非ニュートン高分子液の多孔質組織(一般に凹凸の多い固体表面を含める)内への浸透定着を取り扱う分野(含浸,樹脂加工,接着,積層,複合,塗装,印刷など)と,(2)ポリマーを多孔質組織(繊維,紙,布)とし溶液(溶媒,主として水および溶質または分散質)のこれに関与する吸着,収着,拡散を取り扱う分野(染色,サイズ加工など)は重要であるが,(1)のうちポリマー液の組織界面でのぬれ,接着,固定過程の物性論に対し,非ニュートンポリマー液の流動性の問題は一般の成形加工(成形,紡糸,成膜)性に連なる重要な工学特性として別個に取り扱った方が,いっそうの体系化のためにより合理的と考える。以上の観点から本論はその表題とする問題を(I)流動(浸透),(II)接着,(III)収着,拡散の3篇に分け,諸家のデータをもとに著者がはじめて導いた取扱を適宜配して全体の脈絡ある体系化を意図し,とくに(II),(III)は著者の,邦文では全く未発表の,成果を中心に展開するなど,その独創性には十分留意したつもりである。
  • 岡 小天
    1968 年 17 巻 8 号 p. 750-751
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • 林 晃一郎
    1968 年 17 巻 8 号 p. 752-757
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    放射線重合の特長の一つはγ線に見られるようなすぐれた貫通力である。これにより固相重合に関する研究が系統的になされた。トリオキサン,β-プロピオラクトンなどの環状モノマーの放射線固相重合はモノマーの結晶構造が反応の方向を規定する Topochemical Reaction であって, その結果高度に配向したポリマー結晶を得た。今一つの特長はより化学的な問題である。モノマーの放射線照射によリイオン,ラジカル,ラジカルイオンが生成するが,スチレンなどのモノマーを十分に脱水精製すれば放射線イオン重合が室温液相で起こる。この重合の生長イオンは対イオンのないフリー・イオンである。上記の各種活性種の直接測定が種々の物理的手段を用いてなされた。固相重合とフリー・イオン重合の二つの特徴ある研究を中心として放射線重合の進歩を述べた。
  • 田畑 米穂
    1968 年 17 巻 8 号 p. 758-767
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    放射線固相重合における反応条件を線源側と試料側の二つの条件に分け,それぞれの条件を組み合わせることによってきわめて広範囲に,重合を行なわせる条件が変えられることを示し,特殊な反応条件として得られるいくつかの例をあげて説明した。一方,固相重合反応の機構を解明するために,なるべく直接的な手段によって研究を行なったが,その例のいくつかを示した。特に,照射したモノマー固体中でのポジトロンの寿命測定によって,系に存在する活性種や格子欠陥,空孔を検出する方法は,固相重合を研究する上で全く新しい手段である。
  • 小畠 陽之助
    1968 年 17 巻 8 号 p. 768-773
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    電解質溶液が荷電膜によって隔てられているとき,膜の性質,電解質の種類,および与えられた外部条件によって多種多様な現象を呈する。これは考えている系が荷電系であること,および多相系であることの二つの特徴によって濃度差,温度差,圧力差などが複雑に観測量に寄与するからである。その事情を説明するために,最も簡単な条件,すなわち濃度だけ異なる1:1型電解質溶液が膜を通るときの浸透速度を例としてとりあげる。膜が電荷をもっていると溶液の浸透速度は常識とは全く異なり,異常浸透を起こす。この系をどのように考えるか,溶媒と溶質の相互拡散や電気浸透など各項の寄与をどうやって算定するか,そして,一見異常とみられるこの系の浸透速度をどのように解釈するかを解説する。
  • 温品 謙二, 青木 俊和, 中西 良治, 横内 澪, 竹久 善雄
    1968 年 17 巻 8 号 p. 774-777
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    開発研究や工業化研究は,その言葉から受けるはなぱなしいイメージにひきかえ,実体はまことにぢみで泥臭く強い忍耐と鬪志を必要とする。研究の途中,一見何でもない簡単なところで思わぬ苦労をし時間を費やすことがある反面,一つのことを解決するとこれがきっかけとなって複雑な問題が一気に解決することもある。要は着実に個々の技術を固めながらぢみちに前進していくことが必要なのである。本研究もこのようなぢみちな努力を積み重ね,幾多の困難を乗り越え工業化に成功した一例である。
  • 1968 年 17 巻 8 号 p. 778-781
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • 井本 立也
    1968 年 17 巻 8 号 p. 784-786
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • 1968 年 17 巻 8 号 p. 787-803
    発行日: 1968/08/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
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