高分子
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17 巻, 9 号
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  • 宗像 英二
    1968 年 17 巻 9 号 p. 821
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • 高科 直光
    1968 年 17 巻 9 号 p. 822-827
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    粉体に高分子鎖を結合せしめる機構としては,生長反応と停止反応に寄与するものとの両者が考えられ,また分散性は単に表面に高分子鎖を結合し界面に変化を与えるのみでは向上しない場合もあるので他の因子もあわせ考える必要がある。さらにカーボンブラックのごとく二次的な凝集が大きい場合,機械的にその解離が容易でなくともおだやかな条件下での化学反応により解離できることがわかり,カーボンブラックの応用面,特にゴム関係でのストラクチャーの果す役割は大きいが,その本質につき,より詳細な検討が必要と考えられる。また粉体へのグラフト重合を研究するためにレオロジカルな手段が有用であることを示した。
  • 熊田 誠
    1968 年 17 巻 9 号 p. 828-837
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    シリコーンという言葉が人の口にのぼってからすでに25年になる。この有機・無機の混血ポリマーはデビュー当時,それまでの有機ポリマーにみられない数多くのユニークな性能をそなえたため,「魔法の砂」の異名をさえもって迎えられた。したがって有機ケイ素といえばシリコーンそのものであるかのごとく思われがちだが,シリコーンの出現と発展に刺激されて,シリコーン以外の有機ケイ素化合物の化学が,この間に飛躍的な進歩を遂げたことをも見逃してはならない。周期律表におけるケイ素と炭素の相対的位置に基く両元素の化合物の構造や性質の違い,これが20世紀初頭の化学者の興味をひいた素朴なテーマであるが,次元こそ高度化はしたものの,規在の有機ケイ素化学者は再びこれと取り組みつつある。本稿はこの現状の一端の紹介である。
  • 金丸 競
    1968 年 17 巻 9 号 p. 838-848
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    米連邦政府が1960年公式名として採用したいわゆるMaterials Scienceに対しては,物性を経緯とはするが,材料開発という本来の使命を考慮するにむしろ工学の一分野と考えて,邦語としては「物性工学」がその適当な称呼と考える。今後益々開発の予想される複合材料が端的に物語るように,物性工学における高分子の占める役割は今さらいうまでもない。Materials Scienceのとくにミクコな立場に立つ分野が,ときに分子工学(molecular engineering)となづけられることに照応し,高分子分野の物性工学に対し「高分子物性工学(molecular eng.of high polymers)」なる名称は,よく内容と体を表わす称呼として提唱したい。さて多孔質組織を対象とする高分子物性工学には,高分子技術を工学の体系としてながめるに(1)非ニュートン高分子液の多孔質組織(一般に凹凸の多い固体表面を含める)内への浸透定着を取り扱う分野(含浸, 樹脂加工, 接着, 積層, 複合, 塗装, 印刷など) と, (2) ポリマーを多孔質組織(繊維,紙,布)とし溶液(溶媒,主として水および溶質または分散質)のこれに関与する吸着,収着,拡散を取り扱う分野(染色,サイズ加工など),は重要であるが,(1)のうちポリマー液の組織界面でのぬれ,接着,固定過程の物性論に対し,非ニュートンポリマー液の流動性の問題は一般の成形加工(成形,紡糸,成膜)性に連なる重要な工学特性として別個に取り扱った方が,いっそうの体系化のためにより合理的と考える。以上の観点から本論はその表題とする問題を(I) 流動( 浸透) , (II) 接着, (III) 収着, 拡散の3 篇に分け,諸家のデータをもとに著者がはじめて導いた取扱を適宜配して全体の脈絡ある体系化を意図し,とくに(II),(III)は著者の邦文では全く未発表の成果を中心に展開するなど,その独創性には十分留意したつもりである。
  • 温品 謙二
    1968 年 17 巻 9 号 p. 850-856,862
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    ナイロンやポリエステルのような既存合成繊維のすぐれた繊維性能をそこなうことなく,さらに耐熱性が付与された繊維をつくることは,合成繊維の製造に携わるものの一つの夢であった。アメリカでの宇宙・軍事用途からの要求に基く耐熱素材の開発研究はこれまでフッ化エチレン系繊維があるにすぎなかった有機耐熱性繊維の分野にも多くの新繊維をもたらした。du Pont社の芳香族ポリアミド繊維“Nomex”がその先頭を切って企業化され,一般用途としては紙の形態で使われる電気絶縁材料の分野でその価値が認められつつある。このほか最近の耐熱性ポリマーのめざましい発展を足がかりにして,耐熱性ポリマー特有の性質に基く製造工程の困難さを乗り越えて,多くの複素環ポリマーの繊維化が試みられている。これらの繊維の出現によって有機合成繊維の使用可能温度上限は250℃(長時間),400℃(短時間)にまで広がり,無機繊維にはないすぐれた性能を生かした繊維製品その他の用途に広く使用されることが期待される。
  • 牧 良三
    1968 年 17 巻 9 号 p. 857-862
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    アクリル系炭素繊維の生成の過程において,吸湿性が増大するので水酸基を持った環構造の形成が考えられる。耐炎繊維の段階では表面構造は粗雑であるが, しだいにち密になって行く。耐炎化時にあるいはそれ以後の段階で延伸すると引張強度および弾性率が大きくなり伸びが小さくなる。この高弾性繊維は複合材料の補強材として注目されている。黒鉛繊維では芳香族平面が積み重なって層をつくり,これが繊維軸方向に配列する。レーヨンの炭素化の際には,物理的脱水・化学的脱水についでセルロース環が開裂してC4個のラジカルができ,これが重合・芳香族化して行く。レーヨンを洗剤で処理して灰分や油剤を除いてしなやかさを増し収率を上げた。空気中で短時間アニールすることによってもしなやかさを増す。耐酸化性と強度を高めるために表面処理が試みられている。他にリグニン系, ビニロン系, ピッチ系, 熱硬化性樹脂系, 炭素繊維が研究されている。断熱材,シール材,複合材料などに応用されてきた。
  • 長野 正満
    1968 年 17 巻 9 号 p. 863-868,878
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    近時繊維材料の一種として金属繊維(直径10μ前後)が米ソで各種の用途に利用されつつある現状から,これらを安く製造する方法としていろいろの製造方式について述べ,特にアメリカBurunswick社のステンレス鋼の繊維を入手したため,これらについて調査研究した結果を次の順に総合的に述べた。特に溶融金属の紡糸法の研究は高分子の紡糸と対比して非常に興味深い問題である。a)金属繊維の製造法, b)同物性, c)同用途。
  • 標葉 二郎
    1968 年 17 巻 9 号 p. 869-878
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    天然の繊維,絹や羊毛のもつ優雅な美しさを合成繊維にももたせたい。それには天然繊維の複雑な断面形状に似たものを,合成繊維に与えることが一つの手段である。このようにして,異形断面糸の開発が行なわれた。天然繊維と普通の合成繊維の形態を比較し,天然繊維の複雑な形態が,いかに織物の風合に影響するかが考察された。従来の合成繊維が円形断面であるのに対し,異形断面糸がいかにして製造されるかについて述べた。今日では,種々な形の断面をもつ合成繊維の製造が行なわれている。これらの異形断面糸の織物は,光沢,摩擦,かさ高性,ドレープ性,しわ回復性,染色性などにおいて,これまでの合繊と違った特性をもち,より一歩天然繊維の性質に近ずいている。
  • 三原 正義
    1968 年 17 巻 9 号 p. 879-887
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    繊維のコンジュゲート化の目標は,三つ考えられる。第1は,繊維に羊毛状の巻縮を与えること,第2は,テキスチャード加工糸を,直接,紡糸工程でつくること,第3は,マクロブレンドによる繊維の改質である。開発も,この順序で進んでいる。第1,第2に共通する問題点は,巻縮力の強化ということである。巻縮力発生機構の,まったく違った素材の出現が望まれている。第3の目標は,これからの問題であるが,目的に合った新しい素材が,ここでも必要となるであろう。合成繊維界は,いわゆる三大合繊でシエアの大部分を占め,近い将来には, 新しい繊維は, 生れにくいようにいわれている。けれども, 合成繊維が,天然繊維に学ぶことは,まだまだ多く,新しい高分子材料をつくるための努力は,益々必要なのである。
  • 岡村 浩
    1968 年 17 巻 9 号 p. 888-895
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    コラーゲン繊維,クロム・コラーゲン繊維を生体高分子の開発および皮革産業の廃物あるいは有効に利用されていないものの再生という面から,この開発研究を行なってきた。この結果,コラーゲン繊維は,(1)繊維の中でも最も吸湿性が良い。(2)タール成分およびガス体の吸収能力にすぐれている。( 3 ) 保温性, 断熱性に富むなどの特性もしだいに判明してきた。これらの特性を利用して,合成皮革の基布,吸湿性フェルト,吸音および吸湿用の建材,エヤーフィルターなどに使用できるものと考えられる。特に日本は皮革製造に使用する原料皮の大部分を輸入にたよる状態であり,合成皮革の開発は国家経済の見地からも重要な問題である,この合成皮革の難点である吸湿性をコラーゲン繊維の基布への使用で改良することも可能である。しかし,開発されて日も浅く今後の検討により,コラーゲン繊維の特性に基いた新しい利用面も広がっていくものと考られる。
  • Noahnytk
    1968 年 17 巻 9 号 p. 896-899
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • 1968 年 17 巻 9 号 p. 908-909
    発行日: 1968/09/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
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