高分子物質として扱われているものは,分子量最大のものでも100万台のもので,この高分子が直線に並んだとしてもせいぜいμ オーダーのものである。もちろん直線には並んでいないので, どんな大きな高分子を持って来ても,一つの分子のかたまりは何十μ μ といった位の径をしているようにおもえる。粉体はいちばん小さいコロイド・オーダーのものが,そのへんの大きさを持っているが,それより大は1mm近くまでぐらいの範囲を扱っている。すなわち,大きさ的には連続した世界のできごとであると思われる。ところが,この二つの分野は, まるで異なった世界のごとく扱われていて, 近親というよりは全く他人であるというごとき観を呈していたのが今までの学問の姿である。もう少し高分子の世界の考え方を粉体の領域に,粉体の世界の話しを高分子の領域に反映させたら… と思っているのは,筆者ばかりではないようである。そういう意味で高分子の世界の方にも, 粉体の世界のおとぎばなしを聞いていただきたい。こんな意味で執筆しました。
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