高知県作業療法
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最新号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 有光 一樹
    2021 年 1 巻 p. 1-5
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    高知県は高齢化率が全国水準を大きく上回り,全国予測から考えると 20 年先を歩んでいる高 齢化先進県である.その高知県は,中心市街地となる高知市に人口が集中するなど市町村によって高齢 化率は大きく異なる.高齢化率が高い市町村は,労働人口の減少に伴い,介護職なども減少するため高 齢者が住み慣れた地域で生活していくためには余儀なく自立支援という考え方が必要となる.その自立 支援を促す方法として地域ケア会議やC型サービス,一般介護予防事業などの地域支援事業が存在する. 今回,高知県の各市町村における地域支援事業において,地域住民や地域包括支援センター,行政職な どと関わっていく中で感じる作業療法士の役割について,私的な意見であるが紹介させていただきたい.
  • 対児感情とストレスへの効果
    片岡 聡子, 灰谷 孝
    2021 年 1 巻 p. 11-18
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    発達障害を持つ保護者は,定型発達児の保護者と比較して,育児に対するストレスは高いといわれている.また,そのストレスの背景として特に,子どもの障害や症状を受容できないことなどが挙げられている.そこで今回,育児中の保護者を対象として,発達過程に重要な要素を知ることで子どもの気になる行動を理解し,育児に対する困難感やストレスを軽減させる目的で子育て支援講座を実施した.講座前と講座1週間後に対児感情評定尺度と母親のストレス尺度を実施した結果,発達 障害児の保護者の対児感情における拮抗指数とストレス尺度に有意な低下がみられた.障害を持つ人のみならず,その家族へのサポートとして,作業療法士が地域の子育て支援に参画することの意義と有益性が示唆された.
  • CitRungs Tossa (シトラングストッサ)の歩み
    中越 太一, 佐野 秀平
    2021 年 1 巻 p. 19-24
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    ソーシャルフットボール(Social Football)はイタリアで行われているcalciosociale(英訳social football)に由来する.年齢・性別・人種・貧困・家庭環境・障がいなど,あらゆる違いを超えて社会連帯を目指したフットボール文化である.日本での精神障害者に対するフットサルを用いた取り組みは2007年に大阪府からスタートし,四国では翌2008年に愛媛県が活動を開始. 現在,ソーシャルフットボールの活動は全国で実施され,チーム数は200を超えると言われている.県内では2014年に精神科デイケア(以下:DC)に通所するメンバーを中心にチームを設立.CitRungs Tossa(シトラングストッサ)は県の特産物である柚子(シトラス)と強い(ストロング)を合わせた造語である.
  • みんなが幸せになる町づくり
    公文 一也
    2021 年 1 巻 p. 25-30
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    現在,高知県安芸地域では農福連携を活用し,あらゆる生きづらさを抱えた方の就労支援に取り組んでいる.その取り組みは,関係機関が連携して取り組んだ自殺対策が始まりであった.自殺対策は,あらゆる複合的な問題に対応する必要があり,一機関で担えるものではなく,関係機関が顔の見える関係となり連携をとることが重要である.その取り組みは進化し,自殺未遂者相談支援事業に発展し,同時に,農福連携に取り組みつつ,地域移行・地域定着支援事業も行うようになった.まさに,支援の入口は自殺対策から始まり,農福連携が支援の出口となった.安芸地域では,農福連携による地域包括ケアシステムが形成されている.
  • 〜経営の視点から地域を考える〜
    百田  貴洋
    2021 年 1 巻 p. 31-36
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    今回,事業主として経営的な視点での地域課題への対応について考察する.事業主として,地域課題に対応する場合,事業の継続性(ゴーイングコンサーン)が前提となり,経済的な要因を考えることは不可欠である.その上で,内部環境である強みと弱み,外部環境である機会と脅威を分析し,地域課題への対応を考える必要がある.地域への介入方法には,公的制度を利用する場合と利用しない場合があり,それぞれに特徴があり,それを踏まえた介入が必要で,弊社の例を挙げ紹介する.
  • 稲富 惇一, 桂 雅俊, 萩原 賢二, 箭野 豊, 畑田 早苗, 片岡 聡子
    2021 年 1 巻 p. 37-42
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    私たちの行為は環境との相互作用の中で成り立っており,その背景にある感覚 - 知覚と運動の機能に着目し介入することは重要である.しかし脳卒中や脳性麻痺疾患は,その半数が感覚障害を伴っており,信頼できる感覚フィードバックを得ることは難しい.そのため感覚障害に対する介入を行う必要があるものの,多くの作業療法士・理学療法士は経験的予測に基づき治療を実施していることが問題視されている.そこで,本稿では感覚 - 知覚と運動の重要性を述べた上で,脳卒中と脳性麻痺疾患の感覚障害に対する介入方法を先行研究より紹介する.
  • 大石 大, 上羽 宏明, 井津 直哉
    2021 年 1 巻 p. 43-47
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    母指 CM 関節症のスプリント療法において,MP 関節固定の是非は意見が分かれるところである. 本研究では,本症のスプリント療法における MP 関節固定の意義を明らかにすることを目的とした.母指 CM 関節症 24 手に対し,スプリントなし・MP 関節固定スプリント装着・MP 関節非固定スプリント装着 の 3 条件でピンチ力・運動時痛・巧緻性テスト・X 線透視下不安定性評価を行った.ピンチ力と運動時痛 は双方のスプリント装着によって有意に改善した(p<0.01)が,巧緻性テストには有意差を認めなかった. X 線透視下不安定性評価は MP 関節固定スプリント装着時のみ有意に改善した(p<0.05).MP 関節固定 スプリントは CM 関節の不安定性改善に優れていることが示された.
  • –地域活動実施評価尺度を用いた比較・検討–
    桂  雅俊, 稲富 惇一, 萩原 賢二, 箭野 豊, 畑田 早苗, 片岡 聡子
    2021 年 1 巻 p. 49-54
    発行日: 2021/08/13
    公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    地域包括ケアシステムの構築に向けた地域活動には,幅広い視点が必要であるとされているが, 具体的に必要な能力を作業療法士(以下,OT)がどのように認識しているかの報告は少ない.そこで 今回,地域活動実践評価尺度を用いて,OT の生涯教育及び職域拡大への一助とすることを目的に, アンケート調査にて生活行為向上マネジメントの研修修了度及び行政勤務の OT の有無による地域別 での比較を行った.結果,「生活者の課題からの地域課題導出」,「地域の伝統,風土に応じた支援」といった 因子に有意な差を認めた.今後,個別課題への取り組みのみでなく,俯瞰した視点をもって地域課題 の解決へとつなげていく視点の重要性を再認識した.
  • –自己感と静的立位時および歩行時の足底圧力量割合の関連性-
    萩原 賢二, 桂 雅俊, 稲富 惇一, 箭野 豊, 畑田 早苗, 片岡 聡子
    2021 年 1 巻 p. 55-60
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,精神科病院入院の統合失調症患者の歩行時の転倒事故の頻度に関する報告が見られるよう になってきた1).様々な運動の種類がある中で「歩行運動」もその例外ではなく,この運動に関係する「肢運動制御」と「姿勢制御」の解析が必要である.しかし,統合失調症患者は,様々な場面において,姿勢の硬さ,動作の緩慢,ぎこちなさが観測されている3).本研究において,静止時の足底圧力量割合や静的身体平衡に関する評価である重心動揺計による評価は,両群間に差はなかった.このことは,静止状態での姿勢制御では,健常群と統合失調症群の間には違いが少ないことが推測された.一方,歩行時の,踵部 と足趾部にかかる圧力量の割合圧力は,健常群と比較すると,統合失調症群において有意に高値となった.しかし,静的バランス(重心動揺)については,健常人との違いは認められなかった.静止立位時および 歩行時の足底圧力量割合における左右差の偏りは,自己感と関係していることが示唆された.
  • 〜急性期からの食事動作獲得を目指して〜
    吉村 大輔, 西内 直子, 井上 剛志, 西本 剛久, 林 優子, 河野 令佳
    2021 年 1 巻 p. 61-64
    発行日: 2021/08/13
    公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    中心性頸髄損傷は高齢者の転倒など軽微な外傷を契機に,上肢を中心とした麻痺や神経障害性 疼痛を生じ,ADL・QOL 低下を生じる.神経障害性疼痛を伴う中心性頸髄損傷例に対し,近年有効性 が報告されている TENS を併用した上肢機能訓練を継続し,疼痛緩和と心理的ストレス,上肢機能の改善, ADL 向上を認めた.本例では TENS の刺激強度に関し筋収縮レベルの TENS が有効であったが,脊髄 内での pain gating に加え上位中枢からの下降性痛抑制といった作用機序が推定された.頚髄損傷例へ の介入に際し,急性期においては従来の早期離床に加え日常生活動作を通じた課題志向型訓練や,治療 的電気刺激の併用といった包括的な介入が重要と考えられる.
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