KOGANE
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2016 巻, 18 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 松本 武
    2016 年2016 巻18 号 p. 1-4
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    スマトラ島から記載されたHolotrichia 属のうち,H. behrensi Brenske, 1892 をMiridiba bidentata (Burmeister, 1855) の新参シノニムとした.またH. dohrni Brenske, 1894 をMiridiba 属へと移すとともに,近縁のM. gravida (Sharp, 1881) との区別点を記載した.
  • 松本 武
    2016 年2016 巻18 号 p. 5-14
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    Holotrichia 属の中の3 種群に対してPedinotrichia(ホソアシクロコガネ属),Nigrotrichia(オビクロコガネ属),Rufotrichia(アカクロコガネ属)の3 新属を提唱し,それぞれの構成種を表に示した.また前2 者については検索表を作成した.Holotrichia pilipyga Chang, 1965 をPedinotrichia yunnana (Moser, 1912) の新参シノニムとした.またH. hankowiensis Brenske, 1894, H. rubida Chang, 1965, H. szechuanensis Chang, 1965 をNigrotrichia gebleri (Faldermann, 1835) の新参シノニムとした.さらにHolotrichia wangerbaoensis Zhang, 1997 をRufotrichia rufescens (Moser, 1912) の新参シノニムとした.
  • 小林 裕和, 藤岡 昌介
    2016 年2016 巻18 号 p. 15-26
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    ヒゲコガネ属 (Polyphylla) は,Harris によって北アメリカ産の種をタイプとして1841 年に創設された属である.本属の種は全北区の温帯域を中心に分布し約80 種が知られているが,一部の種はアメリカ大陸では中米に,ユーラシア西部では北アフリカ,アジア東部では東南アジアに分布がみられる.旧大陸のPolyphylla 属の中では,2 つある各肢の爪の,基部下側にある歯状突起は♂♀ともに内側の爪と外側の爪とでほぼ同じ形状を示すものが多いが,一部の種の♂では内側の爪と外側の爪とでは明らかに形状が異なるグループがある.これは, Granida Motschulsky, 1861 及びGrananoxia Brenske, 1890という2 つの亜属の種の特徴である.
    Granida 亜属の種は,体上面には淡色の鱗毛からなる模様をもち,上翅には縦縞があるが,時にその縞模様が途切れたり,欠けたり,さらにヒゲコガネのようなまだら模様となることもある.それに対してGrananoxia 亜属の種では単色の淡い褐色に近い体色で,鱗毛による斑紋を欠き,頭部の全体および前胸背板には淡い色の長い直立毛を装うことで区別されている.筆者等が東南アジアを含むアジア大陸並びに極東地域に分布するGranida 亜属について調べた結果,今まで分布の記録がなかったベトナムから2 新種を見出したので新種記載をするとともに,あわせてGranida 亜属の既知種のリストと検索表を作成した.
    今回新種記載した,Polyphylla (Granida) vietnamica sp. nov. はオスの前脛節は一外歯(先端歯)であるという特徴をもち,日本や台湾産の大型種に似ているが体は小型で,♂の触角片状部は柄部の約2 倍と短いことなどで区別できる.一方、Polyphylla (Granida) kontumensis sp. nov. は近年ラオスから記載されたPolyphylla (Granida) phongsali Zídek, 2006 に近縁なものと思われるが,前胸背板後縁の形状が明らかに異なること,前脛節は♂♀ともに2 外歯であることなどから区別できる.
  • 小林 裕和
    2016 年2016 巻18 号 p. 27-33
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    現在までに,中国本土からは約10 種類のApogonia 属に含まれる種類が記録されている.今回,筆者は中国重慶市の西南大学の邱见玥 (Qiu Jian-Yue),许浩 (Xu Hao) 夫妻並びに,チェコの生物学センター昆虫研究所のAleš Bezděk 博士の協力を得て,中国本土各地で採集されたApogonia を検討する機会に恵まれた.その中から,3 種類をApogonia tumai sp. nov., A. xuorum sp. nov. およびA. jinpingensis sp. nov. という名前の元に記載した.
  • 小林 裕和
    2016 年2016 巻18 号 p. 34-40
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    台湾からはEctinohoplia 属に含まれる4 種がMoser (1919),Miwa (1931),Sawada (1939),Kobayashi (1995) によって記載・記録されている.その中で,Ectinohoplia arrowi Miwa はArrow (1921) がEctinohoplia formosana として記載した種類であるが,種小名のformosana は既にMoser によって1919年に先取されている名前であることからその置換名として与えられた.本種は更に,三宅 (1986) によってE. formosana の亜種とされてきた.これら4 種類の中で,Ectinohoplia yoi は他の種とは背面に鮮やかな青色の鱗毛による模様があることから容易に区別することが出来る.残る3 種については色彩や外部形態に変異が多く見られる.今回,多数の個体を検視できたことから,その変異の幅について紹介した.さらに,E. formosana の亜種として扱われてきたarrowi は外部形態的な特徴から独立した種であると,その位置づけを変更して種の扱いとした.
  • 小林 裕和
    2016 年2016 巻18 号 p. 41-44
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    沖縄県西表島から,ビロウドコガネ属Maladera に属する1 新種を,M. taiheii の名で記載した.現在までに西表島からは,狭義のMaladera 属に含まれる種として,Maladera oshimana Nomura, 1962, M. yaeyamana Nomura, 1963, M. opima Nomura, 1967, M. kawaii H. Kobayashi, 2010 の4 種が記録されている.今回の新種の発見により同島からは5 種目の記録となる.本種は,同島に分布する種類の中ではM. kawaii に最も近いが,頭楯はなだらかに中高で前縁後方に凹線がないこと,眼の付近を除く頭頂と前胸背板の前縁には直立毛を欠くこと,各腹節には横1 列の毛が中央付近ではやや不規則の並びとなることなどから区別できる.また,前脛節が2 外歯であることからM. yaeyamana とは異なり.また,腹節には1 列の毛が並ぶことからM. oshimana およびM. kawaii とも異なる.さらに,体長はM. opima より明らかに小さいことから,同島に産する種類とは簡単に区別することが出来る.加えて,♂交尾器の形状は国内に分布するMaladera 属のいずれの種類とも明らかに異なる独特の形状を持っている特異な種類と言える.なお,学名および和名は本種の採集者である松下泰平氏に献名したものである.
  • 小林 裕和
    2016 年2016 巻18 号 p. 45-47
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    台湾南部, 屏東県大漢山からビロウドコガネ属Maladera に属する1 新種を,M. dahanshana の名の下に発表した.後跗節の下面に短刺毛を持ち,特徴のある♂交尾器の形状などからMaladera shihzitouensis H. Kobayashi, 2002 に近縁の種と考えられるが,1) 頭頂には長い直立毛がある,2) 前胸背板の点刻が疎らで,側縁は後縁角付近で彎入する,3) 後腿節は後縁先端近くで明らかに彎入する,4) 各腹節には1 列の毛が並ぶ他,中央部には毛を散在させるなどの諸点から区別することが出来る.
  • 和田 薰
    2016 年2016 巻18 号 p. 48
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    従来, Parastasia melanocephaloides Ohaus, 1900 はスマトラ島のみから記録されており,マレー半島では未発見であった.今回,マレー半島の低地から記録され分布することが明らかになった.
  • 小林 裕和, 佐々木 望
    2016 年2016 巻18 号 p. 49-66
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    カタビロホソハナムグリ属 (Callynomes) は,現在までにフィリピンから6 種類が記載されている.今回,フィリピンのルソン島 (Luzon Is.),カミグイン島 (Camiguin Is.),カタンデュアネス島(Catanduanes Is.),レイテ島 (Leyte Is.),ネグロス島 (Negros Is.),ミンダナオ島 (Mindanao Is.),及び今まで本属の分布記録がなかったインドネシアのスラウェシ島 (Sulawesi Is.)から,9 新種1 新亜種,Callynomes borealis sp. nov., C. brevispinus sp. nov., C. camiguinana sp. nov., C. meridionalis sp. nov., C. nishiguroi sp. nov., C. parva sp. nov., C. sakaii sp. nov., C. sulawesiana sp. nov., C. variabilis sp. nov., C. variabilis negrosensis subsp. nov. を記載するとともに既知の6 種を含めたリストと検索表を作成した.また,未知であったC. niveoguttata Sakai, 1997 の雄及びC. palawanicus Jákl, 2011 の雌個体の記載を行うとともに,C. niveosparsa Mohnike 1873 をレイテ島から,C. luzonica (Schultze, 1916) をミンドロ島(Mindoro Is.) とサマール島 (Samar Is.) から,C. fujiokai Sakai, 1997 をルソン島とレイテ島から初めて記録した.なお,ボルネオから記載されたC. minettii Antoine, 2001 は,フィリピンから知られている種類と比べると,1) 触角第1 節の先端が大きく拡がり,第2 節は完全にその下に隠れる,2) 前・中跗節は細く,ほとんど点刻されない,3) 後脛節は細長く円筒形に近く,横にほとんど拡がらない,4) ♂交尾器の形状は単純で,中央先端に突起状の構造を持たないなどの諸点から,真のCallynomes ではないと判断し本報告からは除外した.
  • 楠井 善久
    2016 年2016 巻18 号 p. 67-72
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    In the present paper, 12 species of Scarabaeoidea are recorded from Minnajima Island lying between Miyakojima and Ishigakijima islands, the South Ryukyus. Of these, 7 species are newly recorded from this island: Phaeochrous emarginatus, Aphodius postpilosus, Ataenius picinus, Anomala albopilosa sakishimana, Anomala miyakona, Anomala cpustulata cpustulata, Maladera oshimana. Of the species recorded from Minnajima, one species and three subspecies (Anomara miyakona, Protaetia ishigakia miyakona, P. pryeri nitidicosta and Gametis forticula miyakona) have also been recorded from Miyakojima but not from Ishigakijima. This suggests that the fauna of Minnajima is more closely related to that of Miyakojima. Anomala cpustulata cpustulata were very abundant and observed to eat Vitex rotundiflia near the seashore.
  • 奥田 則雄, 前田 健
    2016 年2016 巻18 号 p. 73-75
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    筆者らは,インド北東部アルナーチャル・プラデーシュ州からもたらされたNigidius sukkiti に近似の種の標本を検する機会を得た.これらの標本を,N. sukkiti のホロタイプ標本と比較検討を行った.その結果,アルナーチャル・プラデーシュ州産の個体群にはN. sukkiti とは明瞭に区別できる形態的特徴が認められたため,N. hemantai sp. nov. として記載した.この新種は,N. sukkiti とは以下の諸形質状態により識別できる:♂では,1) 体はより小型;2) 眼縁突起は強く外側に張り出し台状(後者は,後方に突き出る);3) 頭楯は前縁が基部より長い台状(後者は,横長の四角形);4) 前胸背板は,中央とその両側でくぼみ大きめの点刻を備える(後者は,平滑);5) 前胸背板側縁の前部の張り出しは弱い.♀では,1) – 5) は♂と同様;6) 交尾器の陰具片基板はより小さい.
  • 近 雅博, 荒谷 邦雄, 常喜 豊
    2016 年2016 巻18 号 p. 76-78
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    ヒラタクロツヤムシ属の一種 Leptaulax niaeL. bicolor の新参異名とされてきていた)を有効な種とみなし,レクトタイプにもとづき再記載した.また,本種の雄交尾器をトポタイプにもとづき初めて記載した.さらに,本種をメンタウェイ諸島のシベルト島より初めて記録した.
  • 益本 仁雄, 木内 信
    2016 年2016 巻18 号 p. 79-82
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    北タイからマグソコガネ族の新種Orammoecius thailandicus を記載した.Orammoecius は,最近,Král ら (2016) によって創設された新属で,インド北東部から中国南西部にかけて分布する4 種を含み,本種は5 種目となる.本種はFIT でのみ採集され,糞やピットフォールトラップからは得られていない.本属の他の種も糞ではなく, FIT あるいは腐植中から採集されていることから,食糞性ではないことが示唆される.
  • 益本 仁雄, Yen-chiu Lan, 木内 信
    2016 年2016 巻18 号 p. 83-88
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    台湾南端の墾丁公園地区の海岸において,Odochilus 属の未記載種を発見し,Odochilus (Odochilus) taiwanus sp. nov. と命名した.隣接する日本の先島諸島には,O. (Paraodochilus) convexus Nomura, 1971 が分布しているが,後者は前胸背の第4 横隆起が分断される別亜属に属する.また,墾丁公園から記載されたAphodius (Pharacronothus) pseudoavunculus Masumoto, 1972 を,中国山東省より記載されたA. (Trichonotulus) shantungensis Balthasar, 1941 のホロタイプと比較検討した結果,前者を後者のシノニムとした.Stebnicka (1989) は本種をParadidactylia 亜属に移したが,上咽頭の形態等はこの扱いが妥当なものであることを示している.以前のマグソコガネ属 (Aphodius) の亜属は,現在,独立の属とされていることから,本種もParadidactylia shantungensis (Balthasar, 1941) となる.
  • 細谷 忠嗣
    2016 年2016 巻18 号 p. 89-93
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    2008 年にトカラ列島宝島で初記録された外来糞虫ヤエヤマニセツツマグソコガネAtaenius picinus の定着状況の継続調査として,2015 年10 月に2 カ所の牧場に存在する各種状態の牛糞における発生状況,および2 カ所の牧場他におけるライトトラップによる調査を行った.その結果,各種状態の牛糞中およびライトトラップで採集された糞虫類はマグソコガネ亜科Aphodiinae の5 種とダイコクコガネ亜科Scarabaeinae の2 種の合計7 種であった。ヤエヤマニセツツマグソコガネは採集された662 個体中 108 個体(16.3%)を占めていた.特に大原放牧場において糞虫の種多様性が低く,本種の占める個体の割合が高かった(33.2%).これらのことから,本種はいぜんとして牧場において高い個体数の割合を占めており,宝島において定着状態にあることが確認された.
  • 三島 達也, 荒谷 邦雄
    2016 年2016 巻18 号 p. 94-100
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2026/01/16
    ジャーナル フリー
    コクワガタDorcus rectus rectus 幼虫は白色腐朽材をもっぱら餌としているが,腐朽材には木材と木材腐朽菌の両成分が含まれているため,コクワガタ幼虫は両成分を利用している可能性がある.そこでコクワガタ幼虫消化管のグリコシダーゼ活性と多糖類分解酵素活性を解析した結果,木材細胞壁を構成する非結晶性セルロースとβ-1,4-キシラン,および木材腐朽菌の細胞壁を構成するβ-1,3-グルカンの分解酵素活性が検出されたが,非結晶性セルロースに対する分解酵素活性は非常に低く,β-1,3-グルカンに対する分解酵素(β-グルコシダーゼとβ-1,3-グルカナーゼ)活性はβ-1,4-キシランに対する分解酵素(β-キシロシダーゼとβ-1,4-キシラナーゼ)活性より明らかに高かった.したがって,コクワガタの幼虫は木材成分(セルロースとβ-1,4-キシラン)と木材腐朽菌(β-1,3-グルカン)の両成分を利用することができるが,主に後者を利用していることが考えられた.
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