令和元年9月24日,交通科学研究会設立50周年記念事業「より安全な道路交通を目指して」が開催された.本稿は,その講演会・シンポジウムに先駆けて行った「交科研の50年を振り返って」と題する交通科学研究会の50年を紹介した報告の内容を文章化したものである.本報告に際しては,発刊済みの「交通科学」創刊号, 10, 15, 20, 30, 40周年記念号の記事,研究会の各種行事の活動データ,運営委員会・理事会の議事録など,多くの資料を整理し,次の4つの内容を中心に報告することにした.1)歴代役員の専門分野と所属から,学際的かつ研究者と実務者との連携による学会活動であることを示し,2)その源となった研究会の設立の経緯と3)歴代会長や主たる関係者のコメントを通して時代毎の課題と研究会の役割を再認識し,4)50年間の研究会の様々な活動をレビューしたうえで,これからの研究会の発展的課題として,新しい時代のニーズへの対応および研究会の特徴と本来の役割である関係機関との連携再構築の必要性を呼び掛けた.
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