こころの健康
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12 巻, 1 号
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  • 変化と不変の構造
    中村 雄二郎
    1997 年12 巻1 号 p. 3-14
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 吉川 武彦
    1997 年12 巻1 号 p. 15-28
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 1997 年12 巻1 号 p. 29-47
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 「個体能力論」と「関係」との二つの視点から
    浮田 徹嗣
    1997 年12 巻1 号 p. 49-57
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    本稿では, アメリカにおける司法心理学者の活動を紹介し, 司法におけるアセスメントに認められる「人間に関わる現象を能力に還元して説明する傾向」を指摘した。
    わが国では, 司法心理学は心理学の中でも特殊な領域で, 心の健康に関わる臨床家一般にとってはなじみの薄い分野という印象がある。一方, アメリカでは司法心理学は, 心の健康の専門家にとっては密接な関係のある分野となっている。たとえば, 処遇に対する子どもの同意能力, 治療に対する精神障害者の同意能力, 知的障害者の意思決定能力などに関わる判定について, 活発に議論されている。
    このような議論の多くは, いわゆる個人主義の価値観によって立つもので, 関係という視点から検討されることはほとんどなかった。しかし, 能力というものは関係を通してはじめて現れるものであるから, その社会的文脈が無視されるべきではない。個人主義を心理学に単純に当てはめることが一面的な把握にすぎないことを認識していることは, 重要である。たとえば, 臨床の場でおこなわれているアセスメントは個人の能力の判定であると同時に, 実は他者との関係のあり方の判定である。記号論的にいえば, 人間の行動の意味は, 個人に内在するものではなく, 関係の中に創られるからである。
    このような認識は, 司法心理学の分野だけではなく, 広く, 心の健康に関する領域全般についても重要なことである。人間に関する現象を理解するためには, 現象の原因を追究し個人の能力に還元するような視点だけではなく, 関係という視点から意味や目的を問うことが必要だからである。今後の心の健康の科学には, 「個体能力」と「関係」のふたつの視点を止揚する新たな視点が必要である。そして, その新たな視点をつくるのは, ある意味では, 西欧の価値観から比較的自由でいられるわが国の臨床家の使命ではないだろうか。
  • 斉藤 高雅
    1997 年12 巻1 号 p. 58-66
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    日本におけるサリドマイド胎芽病患者の精神衛生状態を把握するため, 認定患者296名に対してGHQ28項目版を用いて検討した。有効回答数は170名 (男85名, 女85名), 有効回収率は57.4%であり, 平均年齢は, 31.7±1.1歳であった。性別や総合的障害程度, 四肢障害群, 聴力障害群別によってGHQ得点には有意な差はみられなかった。配偶者の有無別では差はみられなかったが, GHQ下位尺度の「抑うつ状態」では差があり, 未婚群の方が高得点であった。職業の有無別では, 無職群の方がGHQ得点が高く, 精神衛生面での配慮の必要性が示唆された。
    一方, 昭和51年~昭和58年にサリドマイド健康管理委員会が精密検診を行った者は, 137名, 平均年齢17.0±2.3歳であった。検診では面接, 各種の検査を行ったが, そのうちのYG性格検査, 及び昭和58年に実施したMPI性格検査の結果を中心に, 今回のGHQ結果との関連を検討した。YG性格検査の受検者のうち, 今回GHQの回答が得られた者は, 76名であった。YG性格検査の類型別結果による群分けのGHQ得点では, B群, E群が高い得点を示しており, D群は最も低い得点を示していた。また, MPI性格検査の受検者のうち, 今回GHQの回答が得られた者は, 116名であった。MPIのN尺度でGHQ得点との間で関連がみられ, N+群のGHQ得点が高く, 逆にN-群のGHQ得点が低い値を示していた。すなわち, 青年期に「情緒的不安定」(YG性格検査でB型, E型を示した群), 及び「神経症的」傾向 (MPIでN+が高い群) を示した群が, 十数年後の成人期におけるGHQで高得点の傾向を示していた。
    これらより, サリドマイド自体によってひきおこされた身体的な障害が精神健康に及ぼす影響は, 比較的早期に克服され, その後の通常の社会的な状況の不利が精神健康に影響を及ぼすという一般的なパターンが残っているものと考えられた。
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