本研究では, 三世代同居という家族形態が子どもに及ぼす影響について検討するために, 臨床心理 相談室における来談者の主訴と家族形態の関係, および同居する祖父母の認知症などの高齢者特有の問題の有無について調査した。 結果から, 子どもの問題を主訴として来談するケースの中で, その家族が三世代同居家族である割合は, 国勢調査における三世代世帯の割合に比較して低かった。 祖父母世代の同居が, 親子関係が進退窮まる状況に陥ることを防ぐ要因になっている可能性が示唆された。 また, 三世代同居家庭において, 祖父母世代に認知症がある場合に, この問題が直接的または間接的に子どもに影響し, それが子どもの不登校という形で顕在化しやすくなる可能性が示唆された。 しかし結果には地域による差も見られ, 距離的に核家族家庭でも相談室に来談し易いか否か, またどの程度の問題で来談が決意されるかという要因も介在している可能性が考えられた。
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