島根大学こころとそだちの相談センター紀要
Online ISSN : 2759-999X
Print ISSN : 2433-9970
7 巻
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • ―平和維持活動 (PKO) とインフラ整備のアナロジーから―
    高見 友理
    2023 年7 巻 p. 1-3
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • ―島根大学生活協同組合における調査から―
    石原 宏, 高橋 悟, 野口 寿一
    2023 年7 巻 p. 5-16
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本稿では, 働く人のメンタルヘルスの向上と維持のためのアセスメントツールとして用いられる島大式労働態度尺度 (Scale for Working Attitude Test, 以下ScWAT) と, 仕事に関して肯定的で充実した感情および態度であるワーク・エンゲイジメントとの関連を検討した。 本研究の目的は, (1)大学生におけるScWATの特徴を記述すること, (2) ScWATの働き方の各タイプ, および各下位尺度と日本版ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度 (短縮版) の関連を検討することであった。調査は, 島根大学生活協同組合の学生スタッフ66名を対象に行われた。 その結果, 働き方タイプの割合では, 『評価不安タイプ』 が非常に多く, 『関係志向タイプ』, 『ミッション遂行タイプ』 が非常に少なく, いわゆる社会人になる以前の大学生ならではと思われる特徴が見られた。 また, 組合の運営業務に従事するスタッフのワーク・エンゲイジメント得点で, 『評価不安タイプ』 が 『傍観者タイプ』 より有意に高いことが明らかになった。 ストレス反応という観点からはともに高ストレス群であることが知られていたこの両タイプが, ワーク・エンゲイジメントという観点では全く異なるタイプであることが示された。 このことは, メンタルヘルス不調を予防するための両タイプへの関わり方を考えるうえで, 極めて有用な知見であると考察された。
  • 飯塚 明日香
    2023 年7 巻 p. 17-26
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    現代において重視されている合理性・効率性を求める心性は, 心を豊かにすることをそぎ落とし,そのような価値観の中で育てられた子どもは, 正しさや有意義さにとらわれ, 苦しさを抱えるのではないかと考えた。 本稿では, 現代的な価値観を持つ家庭で育ち, 様々な主訴を呈し来談に至った女児Aとのプレイセラピーを取り上げた。 現代的な価値観にとらわれていたAが, プレイセラピーやThとの関係の中で育まれ, 変化していく過程を検討することを目的とした。 さらに, Aに変化をもたらした"無意味なこと"が, プレイセラピーにおいてどのような意味を持つのかについても考察した。
  • ―再来談から始まった高校生女子との面接過程から―
    池本 ちほ
    2023 年7 巻 p. 27-36
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本稿では, 思春期から青年期の移行期にあり, 「家族という守りの器」 の機能が希薄であった高校生女子Aとの面接過程を取り上げた。 再び心理療法の場を訪れることで 「守り」 を獲得し, 自身について 「物語ること」 が可能になったと思われるAは, 物語ることによってどのように内界を表現していたのか, また, どのような作業に取り組んでいたのかについて考察することを目的とした。 そして, Aについての見立て, 「物語ること」 によるAの内界の表現, Aがセラピストと共に取り組んでいたこ とという観点から考察を行った。
  • ―箱庭から見るイニシエーションのプロセス―
    石原 美季
    2023 年7 巻 p. 37-46
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本稿では, 年齢的には前思春期にいたっていたが, 自身の世界への根付かなさから前思春期に獲得するとされている要素を十分に育むことができておらず, 前思春期以前の状態に留まっていたクライエントを取り上げた。 そしてそのクライエントが, 面接室という守られた空間で存分に死のイメージを展開させることによって, エネルギーを獲得し, 前思春期を生きる自分を作り上げていった経過を提示し, 思春期に入る前の大人になる途上におけるイニシエーションについて考察した。
  • ―チャムシップの形成という視座から―
    大瀧 あみ
    2023 年7 巻 p. 47-56
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本研究では, 前思春期までで完成されていた世界が破綻する体験をし, 不登校になった女児とのプレイセラピーを取り上げた。 前思春期の子どもにはチャム的な他者が存在することが重要で, セラピストは時としてクライエントにとってチャム的な存在となる。 セラピストとクライエントが 「意味のないこと」 を共有するなどして一体感を味わい対人関係の基盤を形成することで, クライエントが安心して自己表現をしたり他者と対等の土俵に上がったりすることができるのではないかということについて論じた。
  • ―身体をコントロールすることに関する一考察―
    奥田 悠介
    2023 年7 巻 p. 57-66
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本稿では, 前思春期における年齢で身体化が生じ, 学校に通いづらくなった小学生男児との面接過程を取り上げた。 この事例を通し, 前思春期から思春期にある男子がどのように自己と身体の関係の質を変化させていったのかを, 身体をコントロールする意味を考えるという視点から論じた。
  • 佐藤 陽亮
    2023 年7 巻 p. 67-76
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本稿では, 不登校を主訴として来談した二人の思春期男子との面接経過を取り上げた。 その面接過程における関係性の変化に着目し, その変化がどのように生じていたのかを考察した。 加えて, 二人の思春期男子との心理面接において, それぞれの個別性も重視しつつ, その中でセラピストがどのような役割を果たし得るのかということについても論じた。
  • ―「跳ぶこと」 によってもたらされるこころの変容について―
    田澤 一麻
    2023 年7 巻 p. 77-86
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本論文では, トランポリンを跳ぶことが遊びの中心となる時期があった小学生男子とのプレイセラピー過程について, セラピストとクライエントの関係性と言う観点や水平性・垂直性といった空間的な観点から考察を行った。 トランポリンという一見するとシンプルにも思える遊びの中にも, クライエント自身の内的なテーマが様々な形で存分に表現されることが明らかになり, プレイセラピーの中での新しい可能性について知見を得ることができた。
  • 築山 野々花
    2023 年7 巻 p. 87-96
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本稿では, 起立性調節障害と診断され, 不登校となった小6女児との面接過程を取り上げた。 定位のプロセスは 「自分の核を持つ」 ことから始まるという先行研究があるが, 「自分の核を持つ」 ためには, まずは自己形成のための“土台”を作ることが必要であると考えた。 そのため, 定位における“土台”について定義し, プレイセラピーにおいて, クライエントが“土台”を作り, 定位していく過程について論じた。
  • 中村 歩未
    2023 年7 巻 p. 97-106
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    クライエントの中には, 心理療法の前提とされる 「主体」 を想定できない人がいる。 そのような心理療法において, セラピストは 「中立性」 を保つのではなく, 時には主体を明示しなければならない。本稿では, 不登校で来談した女子中学生の面接過程を取り上げ, 主体が感じられないとはどういうことなのか。 また, 主体の感じられないクライエントに対するセラピストのあり方について検討した。
  • 松村 宙輝
    2023 年7 巻 p. 107-116
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本研究では, 自身の意識と繋がりが希薄であるがために適応が困難になっている状態を 「意識との『遠さ』」 がある状態とした。 そのような意識との 「遠さ」 の問題があると思われる中学生男子の事例を取り上げ, クライエントが自らのイメージを媒介として無意識からメッセージを心理療法の場でセラピストと共有するというプロセスの治療的な意義や, セラピストが果たす役割について考察した。
  • ―前思春期から思春期の移行期にある女子との心理療法過程より―
    四元 紀子
    2023 年7 巻 p. 117-126
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本稿では, 悪夢を見るため寝たくないことを主訴とする前思春期から思春期への移行期にある女子との心理療法の事例を提示し, セラピストとクライエントとの関係性の構築過程とセラピーのなかで語られた夢について考察し, セラピストが夢を聴くことの意味について検討した。 その結果, 遊びを媒介としながら, セラピストとクライエントの関係性が構築され, そのようなセラピストとの安定した関係性が土台としてあったからこそ, 心理療法のなかでクライエントの語る夢に変化が生じてきたことが示唆された。
  • 渡邊 星奈
    2023 年7 巻 p. 127-136
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    本研究では, 不登校という主訴によって来談した高校生女子Aの事例をとりあげた。 Aは, 人と 「話したい」 という思いを抱きつつも, これまでの対人関係や女子に対する嫌悪感から, 女子との長期的で安定した関係を築いていなかったことが伺えた。 このことから, Aは, チャムシップ形成の困難さという, 前青春期の課題を抱えていたと推測された。 面接内で, チャムシップが表現されたシナリオを語ることを通して, 規範意識の強いAとは対照的な存在や“女性”への見方にも変化が見られるようになっていったと思われた。 このことから, チャムシップを形成する以前に, クライエントにとって心理的に安心できる形で, チャムシップのイメージが育まれるような場を提供することが, チャムシップを形成する上で重要であることが示唆された。
  • ―養護教諭自身のイニシエーションの体験から―
    大賀美 侑子
    2023 年7 巻 p. 137-146
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
    養護教諭の役割は, 歴史的変遷の実践を積む中で, 様々に変化してきた。 それは, 「養護」 の対象が学校にいる子ども達であると同時に, その子ども達の抱える健康課題が時代の流れとともに多様化・複雑化したという背景がある。 本稿では, 養護教諭の歴史的背景を概観したのち, 日常的な業務のなかでの養護教諭の学校での立ち位置と, 非常時での立ち位置が大きく異なることから, その役割の特殊性について述べた。 そして生徒の生死の境界に直面した体験が, 養護教諭である筆者自身のイニシエーションにもなったのではないかと臨床心理学的な視点から考察した。 また, さまざまな分野を越境し, 交錯し, 実践によって得たもので新たなレイヤーを見出していくという点で, 養護教諭の仕事や役割と臨床心理の共通項についても考察した。
  • 河田 知奈
    2023 年7 巻 p. 147-148
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/01/21
    研究報告書・技術報告書 認証あり
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