本稿では, 働く人のメンタルヘルスの向上と維持のためのアセスメントツールとして用いられる島大式労働態度尺度 (Scale for Working Attitude Test, 以下ScWAT) と, 仕事に関して肯定的で充実した感情および態度であるワーク・エンゲイジメントとの関連を検討した。 本研究の目的は, (1)大学生におけるScWATの特徴を記述すること, (2) ScWATの働き方の各タイプ, および各下位尺度と日本版ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度 (短縮版) の関連を検討することであった。調査は, 島根大学生活協同組合の学生スタッフ66名を対象に行われた。 その結果, 働き方タイプの割合では, 『評価不安タイプ』 が非常に多く, 『関係志向タイプ』, 『ミッション遂行タイプ』 が非常に少なく, いわゆる社会人になる以前の大学生ならではと思われる特徴が見られた。 また, 組合の運営業務に従事するスタッフのワーク・エンゲイジメント得点で, 『評価不安タイプ』 が 『傍観者タイプ』 より有意に高いことが明らかになった。 ストレス反応という観点からはともに高ストレス群であることが知られていたこの両タイプが, ワーク・エンゲイジメントという観点では全く異なるタイプであることが示された。 このことは, メンタルヘルス不調を予防するための両タイプへの関わり方を考えるうえで, 極めて有用な知見であると考察された。
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