主体的な選択とは, 選ばなかったものを諦めるという否定なくしては成しえない。 しかしながら,具体的でない問題, こと心の悩みについては, それ自体が持つ曖昧さのために明確な根拠に依拠した否定は困難となる。 ここにおいて, ボードゲームにおける選択が, 全てのパターンを考えきることができない自身の能力の限界と, どうなるかわからない不確定さを伴う故に, 曖昧さを抱えたまま否定を行う体験として否定の力を養えるのではないかと考えた。 それにあたり, 本稿では, 曖昧なものを
扱うことに苦手を抱えるクライエントが, 多様なゲームに触れる中で曖昧な状況での選択を重ねていく過程に着目し, それぞれの遊びの持ちえた意義と意味について考察した。
抄録全体を表示