呼吸理学療法学
Online ISSN : 2436-7966
2 巻, 1 号
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巻頭言
原著
  • 武村 裕之, 今岡 泰憲, 守川 恵助, 北山 可奈, 稲葉 匠吾, 楠木 晴香, 橋爪 裕, 小澤 香奈, 鈴木 優太, 西川 涼太, 天 ...
    2023 年 2 巻 1 号 p. 2-10
    発行日: 2023/03/25
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    目的:慢性閉塞性肺疾患(Chronic obstructive pulmonary disease:COPD)急性増悪患者への骨格筋評価は身体機能を判断する上で重要である。筋輝度(Echo Intensity:EI)は骨格筋の非収縮性組織を反映し注目されている。しかし,身体機能と骨格筋の非収縮組織との関係性は不明である。本研究ではCOPD急性増悪患者のEIと身体機能の相関関係を調査したので報告する。

    方法:2019年5月から12月に当院へ入院したCOPD急性増悪患者17名を対象とした。調査項目は初回理学療法介入時に測定した。超音波検査には日立製作所社製のF37を使用し,大腿直筋(Rectus femoris: RF)の遠位1/3のEIを測定した。画像解析にはImage Jを使用し,8−bit Gray Scaleによるヒストグラム解析を行った。身体機能評価はShort Physical Performance Battery(SPPB),6分間歩行距離(Six minutes walk distance:6MWD)とした。統計学的解析はSpearmanの順位相関係数を用いて,EIと身体機能項目との関連を調査し,統計処理はEZR version 1.38を使用し有意水準を5%とした。

    結果:EIはSPPB(r=−0.59 p<0.01)と負の相関を認めたが,6MWDとは相関を認めなかった。

    結論:COPD急性増悪患者におけるRFのEIと身体機能の相関関係を調査し,RFのEIはSPPBと中等度の負の相関を認めた。

  • 垣内 優芳, 井上 達朗
    2023 年 2 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 2023/03/25
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    目的:本研究の目的は,高齢肺炎入院患者における自己排痰可否を判断する咳嗽力のカットオフ値を明らかにすることである。

    方法:対象は理学療法を受けた肺炎入院患者である。咳嗽力はCough Peak Flow(CPF)で定義し,患者を自己排痰可能群と不可能群に分類した。また自己排痰の可否に対するCPFのReceiver Operating Characteristic(ROC)曲線を描画した。

    結果:自己排痰可能群は33名,自己排痰不可能群は11名であった。CPFの中央値は,自己排痰可能群は250L/min(四分位範囲190-300L/min),自己排痰不可能群110(50-155)L/minであった(P<0.05)。CPFのカットオフ値は175L/minであった。

    結論:高齢肺炎入院患者におけるCPFの測定は,自己排痰可否を判断する方法として有用である可能性が示唆された。

  • 兵頭 正浩, 入江 将考, 濱田 和美, 藤野 善久
    2023 年 2 巻 1 号 p. 20-29
    発行日: 2023/03/25
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    目的:胸腔鏡下肺葉切除術を受けた肺癌患者において,術前筋力や肺機能と術後6ヶ月時運動耐容能の関連を検討すること。

    方法:対象は2012年10月〜2014年7月の肺癌連続症例とした。運動耐容能評価は,6分間歩行距離(6MWD)を用い術前と術後6ヶ月時に測定した。6ヶ月後6MWDを目的変数,下肢筋力または肺拡散能を説明変数とし,年齢,性別,身長,体重で交絡調整した重回帰分析を行った。また術前6MWDを調整に加えたモデルも作成し,各々の偏回帰係数(B)を求めた。

    結果:術前下肢筋力と肺拡散能は,各々交絡調整しても6ヶ月後6MWDの有意な独立因子であった(各々,B:89.4,58.8)。肺拡散能は,術前6MWDを調整に加えたモデルでも有意であった(B:35.0)。

    結論:6ヶ月後6MWDに関連する因子を術前因子から抽出できた。特に低肺拡散能は術後運動耐容能が低下するリスクが高いことが示唆された。

  • 倉田 和範, 沖 圭祐, 馬井 孝徳, 小野 敬史, 永田 幸生
    2023 年 2 巻 1 号 p. 30-38
    発行日: 2023/03/25
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    はじめに:Coronavirus disease 2019(COVID-19)国内第5波(デルタ株)における酸素療法離脱までの期間・割合と,酸素療法離脱時の運動耐容能および呼吸困難について調査した。

    対象および方法:対象は2021年7月1日から2021年12月31日にSARS-CoV-2 PCR陽性となり,当院専用病棟に中等症IIまたは重症として入院した47名。診療録より年齢,性別,基礎疾患,COVID-19の発症日および重症度,隔離解除日,酸素療法離脱日,在院日数を後方視的に抽出。酸素療法離脱時に6分間歩行試験を実施し,歩行距離,最低のSpO2,呼吸困難を評価した。Ordinal Scale 5, 6, 7の3群間における酸素療法離脱までの日数,割合をカプランマイヤーの生存曲線を用いて検討した。

    結果:平均年齢57.4±14.1歳。退院時までに37名,発症から210日目において,2名の追跡不能と1名の在宅酸素継続を除き,44名が酸素療法を離脱できていた。3群間で6分間歩行距離,最低のSpO2,呼吸困難に有意差は認めなかった。

    結語:COVID-19患者は大多数の患者が酸素療法を離脱でき,運動耐容能や呼吸困難に関しても重症度の違いによる差は無い可能性が示された。

症例報告
  • 奈良 猛, 稲垣 武, 小野 亮平, 村田 淳
    2023 年 2 巻 1 号 p. 39-46
    発行日: 2023/03/25
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    はじめに:人工呼吸器離脱に難渋した院外心肺停止蘇生後症例に対し,吸気筋トレーニング(inspiratory muscle training:IMT)と歩行運動を実施し,良好な結果を得たため報告する。

    症例紹介:急性心筋梗塞による院外心肺停止蘇生後の72歳男性,入院後早期より理学療法を開始したが人工呼吸器離脱に難渋したため,第38病日より人工呼吸器装着下での歩行練習,第44病日より気管切開下IMTを4週間実施した。

    結果:IMT前後で吸気筋力(38→57cmH2O),動脈血二酸化炭素分圧(68→56 Torr)の改善を認め,第57病日に人工呼吸器離脱,第95病日には在宅酸素療法導入の上ADL自立での自宅退院に至った。

    まとめ:長期人工呼吸器管理を要した本症例に対する気管切開下IMTと積極的な歩行運動は,呼吸筋力の改善,II型呼吸不全再増悪の予防,人工呼吸器離脱,更には良好なADL再獲得へ寄与した可能性がある。

活動報告
  • 柳田 賴英, 川越 厚良, 稲垣 武, 守川 恵助, 白石 匡, 杉谷 竜司
    2023 年 2 巻 1 号 p. 47-53
    発行日: 2023/03/25
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,各種学会や研修会が中止や延期を余儀なくされたが,オンライン会議システムの急速な普及により学会や研究会のオンライン開催が一般に受け入れられるようになった。我々はオンラインを通じた全国規模での呼吸器系症例検討会を開始した。開始後1年余りが経過し,本症例検討会におけるメリットやデメリットを参加者にアンケート調査する方法で検証した。その結果,オンライン特有のメリットとデメリットの他に,「全国にある普段かかわりのない施設の情報を得ることができる」ことと「全国の療法士と情報共有することができる」ことが本検討会の特徴的なメリットとして挙げられた。本検討会は様々な特色を持った施設が地域を越えて集まっている。参加者は異なる地域の療法士と議論する機会を大きなメリットと感じ,高い満足度につながったと考えられる。オンライン研修会が持つ研鑽の場としての可能性は非常に高い。

編集後記
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